人には言えない友達の変わった趣味 第一話+第二話
Added 2024-11-30 09:49:06 +0000 UTC人には言えない友達の変わった趣味 第一話 ******************************* ――――――柔らかいモフモフとした表面の下に、明らかに固いものが感じられる。触らないとこれはでもよくわからない。周りがクッションのようなもので盛られているのか、軽く触れただけでは感じられない。でもよくよく触れてゆくと確かにコリコリとした感触が指先に伝わってきた。 「…え、これ、なんだろう…?」 つい声が漏れる。そして、さらに注意深くその物体を確かめるように2~3往復撫でてみた。 その瞬間、それが突如としてピクピクと動いた。 「えっ…これって…」 と発した瞬間に僕は全てを悟った。そう・・・このコリコリは間違いなく中の人のアソコ。すぐさまスカートから手を引き抜こうとした―――――― ******************************* 僕の名前は前川。今日は友達の鈴木の家に遊びに行く予定だ。ただ、鈴木にはちょっと変わった趣味があってね…。以前、軽く話を聞いたことはあるんだけど、詳しく知る機会はなかった。その趣味というのが「着ぐるみを着ること」らしい。 着ぐるみって聞いて、君は何を想像する?僕は正直、バイトの象徴みたいなイメージだった。暑い、臭い、きつい——そんな労働の道具であって、まさか趣味で楽しむものだなんてこれっぽっちも思わなかった。 だからさ、鈴木に「着ぐるみ持ってるから遊びに来いよ!」なんて誘われた時には、どう返事をしたらいいのか正直困った。だって、普通そんな誘い、予想しないでしょ? 鈴木とは小学校からの幼馴染だ。中学時代は別の地区に通っていたけれど、高校はまた一緒になった。偶然が重なりすぎて「運命」なんて言葉を使いたくなるほどの腐れ縁だ。 小学生の頃は、お互いの家を行き来しては、一緒に遊んで、しゃべって、そしてお菓子を食べて…。ケンカなんて一度もしたことがないし、言い争いすら記憶にない。どちらもあまり感情的にならない性格なのか、たまにイラっとすることがあっても「まぁ、いいか」で済ませてしまう。そんな気楽な関係だ。 そんな鈴木と遊ぶのは、実は久しぶりだ。通っている高校が何せ忙しくて、勉強に追われる日々が続いていたから、遊ぶ時間を確保するのが難しかった。だからこそ、久々に鈴木の家に行けることがちょっと楽しみだったのは、僕だけの秘密だ。 それに加えて、ワクワクする理由がもう一つあった。 事前に鈴木から送られてきた、謎のメール。まるで怪文書のような内容だった。 「今日は両親が旅行でいないし、帰ってくるのは日曜の夜だから、泊まりで遊ぼうぜ! 久々だし、“ちょっと変わったルール”で遊ぶのも面白いかなって思ってさ。 前川なら僕の“マイルール”での謎解きやドッキリとか、色々遊んだの覚えてるよね?(笑) えっと、今回のルールはこんな感じなんだけど、よろしくっす!」 そう書かれたメールには、テキストファイルが添付されていた。その中に書かれていたルールがこれだ: ◆この家にはピンク色のメスネコが住んでいます。ただし、着ぐるみではなく、生きている猫です。中の人を探ったり、脱がしたりしてはいけません。 ◆メスネコはしゃべりません。飲み食いもしませんが、体調管理は問題ありませんのでご安心ください。 ◆メスネコは特殊な薬を飲んでおり、生理現象を極限まで抑えています。トイレには行きません。 ◆メスネコは少しセクシーかもしれません(笑)。大人っぽい雰囲気があるので、時折セクシーな動きをするかもしれません(笑)。 ・・・・いや、このルール何? 読めば読むほど、頭の中に疑問符が浮かぶ。何だこの遊び? そもそも着ぐるみって、幼稚園児が楽しむような遊びじゃないのか?でも、どこか妙に引き込まれる。そそられるというか、そわそわするというか…。結局どんな遊びになるのか予測がつかないまま、僕はそのメールを閉じた。 ただ、思い出したことが一つある。鈴木は昔からパントマイムや演劇に興味があった。最近では町の演劇同好会にも参加しているらしい。もしかして、今回の遊びはその延長線上で、演劇の練習でも兼ねているのか?そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか鈴木の家の前に着いていた。 ちなみに、鈴木は学校の部活には入っていない。演劇同好会の活動で手一杯だからだろう。一方の僕はといえば、いまだ帰宅部。運動部に入ろうかと思ったこともあったけど、どうにも踏ん切りがつかなくて。結局、放課後は図書館で漫画を読んだり、宿題に追われたりする日々を送っている。部活に入る余裕なんて、どこかで見失ってしまった。 そんなわけで、鈴木の家に到着した。いつものようにチャイムを鳴らして、玄関横のナンバーロックキーで鍵を解除し、中へ入る。 「お邪魔しまーす!前川です!鈴木ぃー、来たぞー!」 玄関を抜けて、すぐ目の前にある2階への階段に向かって、そこそこの声量で呼びかける。 …しかし、返事がない。 「なんだよ、どうしたんだ?」 一瞬、コンビニにでも出かけているのかと思ったけれど、玄関には鈴木の靴がちゃんと並んでいる。つまり、どこかしら家の中にいるはずだ。トイレにでもこもってるのか?…なんて軽くニヤつきながら考えていた、その時だった。 玄関の方を向いていた僕が、ふと振り返った瞬間—— 「う、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 思わず情けない声を上げて、その場にしりもちをついてしまった。 目の前に現れたのは…鈴木のメールに書いてあった、あのピンク色の猫。いや、正確には猫の“着ぐるみ”だった。 けれど、この着ぐるみは遊園地で見かけるような、もっさりしたものではない。 スラリとした手足、しなやかに伸びた尻尾、そして小さく可愛らしい顔立ち。目はオッドアイで、鼻もピンク色。猫らしさを存分に詰め込んだ、まさに「猫そのもの」の姿だ。 そして何より驚いたのは、その衣装。猫が着ていたのは、メイド服だった。フリルたっぷりのスカートに包まれたその姿は、この家に仕えるメイドさんのような雰囲気をまとっている。スカートの下からのぞく尻尾が、これまた絶妙に愛らしい。おまけに…よくよく見ると、胸がそれなりの大きさで主張している様子も良く分かった。少しエッチな雰囲気というか…何かに引き込まれるような魅力というか…そして何よりも、僕自身が今までに感じたことがない、妙な心のざわつきというか、興奮するような沸き立つ何かを感じていた…。 驚きで固まっている僕をよそに、目の前の猫…いや、猫の着ぐるみが動き始めた。 ゆっくりと頭を傾けながら、一歩、また一歩と僕に近づいてくる。その動きは、どこか愛嬌があって、不思議と目が離せない。 「え、ちょ、な、なんだこれ…」 混乱する頭の中で、とりあえず立ち上がろうとするものの、足が妙にふらつく。 すると、猫が突然、その小さくモフモフとした手を自身の胸の前で合わせて、軽くお辞儀をした。 その仕草が、あまりにも女性そのもので、僕は思わず声を漏らしてしまっていた。 「か…可愛い…」 すると猫は可愛らしく喜ぶようなしぐさをしたのちにお辞儀をして、今度はそっと片手を差し出してきた。まるで「立たせてあげるよ」とでも言わんばかりのジェスチャーだ。 「え、わ……」 妙なドキドキが止まらない。 おそるおそるその手を握ってみた。予想通り、非常にふわふわしていて気持ちいい。短いファーで手のひらに肉球がある。モフモフした感触が本当に気持ちいい…。そして、着ぐるみ特有のぬくもりを感じる。 その場で立ち上がると、目の前の猫を改めてじっくりと見つめた。ピンク色の毛並みに、スラリとした体つき。そしてオッドアイの瞳が、不思議な魅力を放っている。 …可愛いな 声に出さないがつい心の中でつぶやいてしまうくらいに、僕は惹かれていた。 着ぐるみだと分かっているはずなのに、この妙に高鳴る胸の鼓動は一体何なんだろうか…。 一瞬考え込んでいた僕だが、ふと我に返った。 そうだ、着ぐるみじゃないかコレは…。じゃあ、中に入っているのは一体…? 「あ、えっと…僕、前川です。鈴木に用があって…」 自分でもわざとらしい挨拶を口にしながら、妙に緊張していた。だってここは鈴木の家だ。鈴木の家で「鈴木に用がある」なんて言うのは、どうにもおかしい。と自分でも分かっているくらいに、妙な緊張があった。 猫は首を少し傾けるような仕草を見せた後、僕の袖をそっと引っ張った。まるで「こっちについてきて」と言いたげだ。 メールの内容を思い出す。 “猫はしゃべりません。” その一文が妙にリアルに頭をよぎる。どうやら、この猫は本当に何もしゃべらないらしい。着ぐるみの大原則をしっかり守っているんだな…。 「え、ちょっと、待てよ…」 半ば無意識にそう言いつつも、僕は猫に導かれるまま、玄関からリビングへと足を運んだ。 すると…リビングのドアを開けると、そこにはさらに驚くべき光景が広がっていた。 _______________________________ 人には言えない友達の変わった趣味 第二話 ソファの上には、今日鈴木が学校で着ていた制服が、まるで脱ぎ捨てられたように無造作に置かれていたのだ。 一瞬で頭の中に結論が浮かぶ。この猫の中身は…そう、間違いなく鈴木だ。いや、着ぐるみを見たときから薄々感じてはいたけれど、目の前のこの光景で確信に変わった。 僕は猫に向かって思わず問いかける。 「あ、あの、猫さん。着ぐるみなんでしょ?中って…暑かったり、息苦しかったりしないかな?」 猫は、まるで「なんでそんなこと聞くの?」と言いたげに首を傾ける。さらに、前足で顔を毛づくろいするような仕草までしてみせる。その動きが妙に猫らしすぎて、見事と感じてしまうくらいだ。 僕の中のドキドキは、なぜかさらに加速していった。着ぐるみであると分かっているのに、この感情は何なのだろう。猫の仕草を見つめながら、僕はますます訳が分からなくなっていった。 「な、なぁ…中身は鈴木だろ?一回脱いでもいいんだぜ?」 目の前の猫の中身が非常に気になる…というより、間違いなく中身は鈴木なので、どういうことなのか説明してもらうために、早く着ぐるみから出てきて欲しい、そんな願いが少し込められている状態で、僕は猫に問うた。 すると、猫は突然リビングのテーブルに置かれていた紙を指さした。ふわふわとした指先が、文字の書かれた箇所を何度か軽く叩いている。 僕は恐る恐るその紙を手に取った。そして書かれていた文言に、見覚えを感じてすぐに納得した。 “” この家にはピンク色のメスネコが住んでいます。ただし、着ぐるみではなく、生きている猫です。中の人を探ったり、脱がしたりしてはいけません“” 「そ、そうなんだな…わ、分かりましたよ…。」 これ以上突っ込んでも埒が明かないと判断した僕は、猫の「お願い」に従うことにした。そう、これは着ぐるみじゃない。あくまで生きている猫なんだ――そう自分に言い聞かせながらこの状況を楽しむことにした。 「じゃあえっと・・・猫さん。今から何して遊ぼっか…?」 そう尋ねると、猫は一瞬だけ目を輝かせて、嬉しそうに頷いた。そして両手を顎に添えながら、「うーん」と考えるような動きを見せる。まるで本当に猫が遊びを考えているかのような、愛らしい仕草だった。 しばらくして猫は突然何かを思いついたように、軽く跳ねるような動きをした。そのままスッとリビングの奥へと向かい、棚のあたりを漁り始める。そして戻ってきたとき、その手にはボードゲームの箱がしっかりと握られていた。 あぁ、これは・・・よく僕と鈴木が遊んでいるオセロのボードだ。 猫は箱をテーブルに置き、得意げに胸を張るようなポーズをとる。その動きがなんとも女の子っぽくて可愛らしくてたまらない。 「オセロね!よーし、やろやろー!」 僕がそう言うと、猫は満足そうに頷いて、席につくよう促す仕草を見せた。 「でもさ、猫なのにボードゲームってどうやって…いや、まあいいか。」 そんなツッコミを入れながら、僕は猫と向かい合う形でテーブルに座った。傍から見たら奇妙で不思議な光景に見えると思うが、とりあえず流れに身を任せて、この状況を楽しむことを続けた。 鈴木と僕は幼いころからやたらとオセロで対戦していた。自分で言うのもアレだけども、僕はかなり強く、そして鈴木もそれなりに強く、本当に互角といった試合を毎回繰り広げる。 折りたたまれたボードを広げて、オセロを定位置に4枚おいて…と準備しているときに、猫はオセロの石を掴みにくそうに必死に1枚拾い上げようとしていた。モフモフとしたファーに覆われ、しかも肉球の付いた指では摘まむことが非常に難しいようだ。 僕はそんな猫の様子をみながら、サポートしてあげた。イチイチ可愛らしく会釈して本当に可愛らしい。 「よ、よし…じゃあいつも通り始めるか。先行はじゃあ猫ちゃんからいいよ。」 やっぱり石を中々持てない猫。なので、代わりに僕が指定の場所に石を置いてあげるようにしてあげた。 淡々とゲームが進んでゆく…が、おかしい。 明らかに何かおかしい。 猫ちゃんがいつもよりも弱いのだ。明らかに見過ごさないような場所を見過ごして石を置いてしまうし、簡単な場面で長考するようなところもあった。 そして…明らかに違和感を覚えたところがある。 時折、猫ちゃんから…振動音のような、スマホのバイブ音のようなものが聞こえてくる。しかし、僕はそれが着ぐるみの中に内蔵されている空調ファンか何かだろうか、最近の着ぐるみは最新技術が詰まっていて暑くならないような仕組みがあるしとネットの噂を聞いたことがあったので、とサラリと流した。 が、まだ違和感はあった。 そんなバイブ音がするときに限って、猫はクネクネとなんだかセクシーな動きというか…ビクビクっと何やら身を悶えるような動きを一瞬だけしているように見えた。 うぅ…僕はさっきからドキドキと興奮にも似た感情をもっているせいだろうか、と自分で無理やり納得しようとしていた。それに、さっき机の上にあった注意書きにもあるように、 “” メスネコは少しセクシーかもしれません(笑)。大人っぽい雰囲気があるので、時折セクシーな動きをするかもしれません(笑)。“” とも書いてある。きっと僕を誘うための、女性を演じるための演技なのかもしれない。そうとも感じていた。 いや…実際は、こんなにも可愛らしくてセクシーで、モフモフとした肌触りの着ぐるみの中に、僕の知っている鈴木が中身だなんて…と考えることが少し嫉妬するというか…なんとも言えない悔しい感情があるのが分かった。 そんなドギマギするような感情を抱きながら、15分ほど経ち、いよいよ最終局面で…そして僕の圧勝で終わった。 ・・・それにしても…弱すぎる。かなり手練れの鈴木なのに、弱すぎる。視界が悪いせいなのか?何か考える余裕がないのか…一体何なんだろうか…。ってかもしかして・・・・!! 「な、なぁ…本当に鈴木か?猫って設定でわざと弱くしてない??」 そんなことをちょっと意地悪っぽく聞いてみた。 ガクっとうなだれるように悲しげになる猫ちゃん。 そんな動きも本当に可愛らしい。 いや待てよ… 実際に本当に可愛らしい女性のような猫であるので、中の人は実は鈴木じゃなくて、鈴木の誰か、それも女性なんじゃないかと思い始めた。 「ね…ねぇ猫さん…やっぱり中の人が凄く気になるというか…鈴木と思って接したいようなそうでもないような…猫ちゃんとして心の整理が出来ないというか…なんというか…言語化できないんだけど、なんか何となくとても悔しいし羨ましいというか…変な感情なんだよな…」 自分でもまとまらない気持ちを、そのまま猫にぶつけてみた。すると、猫は一瞬だけ首を傾けた後、リビングの隅へと小走りで向かっていった。そして戻ってきたときには、どこからか持ち出してきたタブレットを手にしていた。 「えっ、何それ?」 猫は無言でタブレットを僕の目の前に差し出し、そのディスプレイを見せてくる。その動きは、まるで「これを見れば分かるでしょ?」と言いたげだった。 “初めまして!私の名前はリノって言います。メスの猫ちゃんです。” そんな文字が映し出されて、僕は思わず息をのんだ。一体どうなっているんだ…?これは鈴木が事前に設定しておいた仕掛けなのか?それとも、もっと別の何か…? そんな僕の疑問を察するように、タブレットに新たな文字が浮かび上がる。 “フフ…。なんだかすごく不思議そうね。この文字はね、私の頭の中の電気信号を読み取って文字にしてくれてるのよ!凄い技術でしょ!私は声は出せないんだけど、これでちゃんと前川君とお話ができるね” 「な、なるほど…!」 思わず感嘆の声が漏れる。頭の中の電気信号を文字に変換するなんて、そんな最先端の技術が、このピンク色の猫の着ぐるみに搭載されているだなんて想像もしなかった。 ん?あれ…でも一瞬だけ変な文が浮かんだかと思ったけど気のせいかな…。 “えっとね、私の中の人は誰も居ないのよ、着ぐるみじゃないからね!だから、私と前川君と一緒に遊びたいんだ~” やっぱり着ぐるみじゃなという設定なんだね…。まぁそうだよね。 そういう設定なんだし、鈴木はきっと今の状況を楽しんで演じているに違いない・・・。あ、いや、そうじゃなくて!もし中身が鈴木じゃなかったらどうするんだって話だよな・・・!そうなると、鈴木だと思って遊んでいたのに、実は中の人が全然違う女性の人でしたーだったら、一体僕はどうやって過ごせばいいんだ・・・ってことにならないか…? 一人で勝手に混乱しているときに、メス猫のリノちゃんは続けてこう言ってきた。(正確にはディスプレイに文字が映し出される状態だけども。) “でも…前川君がすっごく口が堅くて、約束を絶対に破らない人だったら…もっと色んなこと教えちゃおうかな~♪” その言葉に物凄く驚き、そして思っていることをストレートに聞いてみた。居ても立っても居られないくらい、すかさずに聞いてみた。 「え・・・じゃあ、リノちゃんを演じているのは鈴木でOKなの?それだけは教えてほしくて・・・頼むよ!」 そう言うと、リノはしばし考えるような仕草を見せた。頭を傾けて、タブレットを抱え込むようにしている。まるで「どう答えようかな」と悩んでいるようだ。 と、次の瞬間だった。ディスプレイに再び変な文が浮かび上がった。今度は読めるくらいの時間で表示されていたので内容がよくわかった。 “うぅ…欲しいよぉ…” “すごく気持ちいいの・・・今すぐ気持ちいいことしたいよぉ…” “気持ちいいけど苦しいよぉ…” ・・・・・え!!? その文章を見て・・・僕は頭の中が真っ白になった。 まさかこれ、本当にリノちゃんが…いや鈴木が発しているのか?それとも、何かの仕掛けか何かなのか?何がなんだか分からず、目の前のタブレットとリノを交互に見つめることしかできなかった。 官能的な表現・・・僕を誘おうとしているのか…? それにさっきから時折、ビクビクとリノちゃんは震えては何かを我慢するかのように必死に体をこわばらせているようにも見える。一体何が起こってるというのだろうか…。 「あの…リノちゃん・・・えっと、ね、ねぇ、欲しいって…なに?気持ちよくて苦しいって…一体何のことなの…?」 そう言うと、すかさずリノちゃんは僕にタブレットを向けてきた。 “ねぇ、今からすること絶対に秘密だからね…!” リノちゃんは机にタブレットを置き、そして僕をソファまで案内してそこに座るようにと言っているようだった。 先ほどのディスプレイに映った文字がハテナすぎてよく感情が整理できていないけども、そんな状況下で案内されるがままに、僕はソファへ腰を下ろす。そして、その隣にリノちゃんがちょこんと座った。 まるで何かを隠すように、足をモジモジさせながら座るリノちゃん。その仕草が妙に女性らしくて、なんとも言えない可愛らしさを感じてしまう自分がいた。 先ほどよりもさらに強く、胸がドキドキする。 僕の顔を見ながらリノちゃんは僕の手を握ってきた。モフモフした感触が気持ちいい。・・・先ほどよりもかなり温かくて、おまけにほんのりと湿っているようにも感じた。それもそのはずで・・・僕が来てから1時間弱経っている。今は7月の蒸し暑い日だし、そんな中で着ぐるみの中に入っていたら汗だくになるに決まっている。 そんな状況にもドキドキしつつ、今度は僕から仕掛けてみた。 僕は恐る恐るリノちゃんのメイド服からのぞかせるモフモフとした着ぐるみの太ももをさすった。本当にモフモフとした気持ちよさと温かさで何か安心感があった。 すると、今度はリノちゃんは僕の手をそっと握り、ふわりと導いていく。次に触れる場所を示すように、その仕草にはどこか決意のようなものが感じられた。 最初は首元。 指先がふれた瞬間・・・僕は驚いた。見た目も確かにそうだったのだけども、全くスキマが無い。着ぐるみなら頭と胴体に当然隙間があるはず。頭を被るんだからそれはそうなんだけども。でもそれが無く、縫い付けられているようにも見える。 それに首元は物凄く湿っていることが分かった。モフモフも非常に暑かった。なんというか…生きていることが実感できる。着ぐるみの中で誰かが・・・恐らく鈴木だと思うけども、その鈴木が着ぐるみに包まれて暑くなって汗をかいて、着ぐるみが湿ってしまっている、という事実。 次にリノちゃんは後頭部に僕の手を誘導した。 相変わらず湿っているのは分かってけども・・・あ、あれ?本来あるべきものが無い・・・。本来あるはずの、ファスナーが・・・全く感じられなかった。 僕はソファーに座りながらリノちゃんの後頭部や背中を見た。全くファスナーが見当たらない。 そもそもどうやってこの着ぐるみを着るというのだろうか…ひと繋ぎの状態の着ぐるみに僕はこれまで以上にドキドキを隠し切れないくらいの鼓動の音を放っていたと思う。 そしてリノちゃんは、次に僕の手を下腹部へと導いていった。 彼女の着ているメイド服越しに触れるお腹は、ほんのりと暖かい。さらに、彼女の呼吸に合わせて上下に緩やかに動いているのがはっきりと分かる。そのリアルな感触に、僕はますます動揺するような、もはや興奮していたと思う。 リノちゃんは首をかしげるようなしぐさを見せたあと、僕の手をさらに誘導し始めた。今度はスカートの中へと。 驚きながらもされるがまま手を進めていくと、熱気が一気に手に伝わる。着ぐるみの内側は蒸し暑く、湿り気を感じるほどだった。着ぐるみのファーの熱気がメイド服によってさえぎられてて、中は物凄く蒸れあがって暑い空間だった。中の人が可哀想なくらいに暑くてもしかして大変なんじゃないかと思うくらいだった。 モフモフとした下腹部を撫でてみる。先ほどと同じように呼吸するたびに上下に動いているのを感じる・・・。 手が再び下腹部に誘導されたとき、僕はある異質な感触を覚えた。 柔らかいモフモフとした表面の下に、明らかに固いものが感じられる。触らないとこれはでもよくわからない。周りがクッションのようなもので盛られているのか、軽く触れただけでは感じられない。でもよくよく触れてゆくと確かにコリコリとした感触が指先に伝わってきた。 「…え、これ、なんだろう…?」 つい声が漏れる。そして、さらに注意深くその物体を確かめるように2~3往復撫でてみた。 その瞬間、それが突如としてピクピクと動いた。 「えっ…これって…」 と発した瞬間に僕は全てを悟った。そう・・・このコリコリは間違いなく中の人のアソコ。すぐさまスカートから手を引き抜こうとした、その瞬間、リノちゃんは僕の手をスカート越しにググっと掴むとそこに留まるようにググっと再び力を込めてきた。 ググっと下腹部に押し付けられた僕の手には、先ほどからピクンピクンと、コリコリとした硬いものが波打つ感触が伝わってくる。 更にその上をカリカリと爪や指で攻撃してあげると、面白いようにビクビクと反応を返してくれる。それと同時に、太ももがすり合わさったり、イヤイヤと首を振って悶えるようにしたり、呼吸がかなり早くなったりする動きも分かった。 そう・・・これまでリノちゃんのしぐさを見て、もしかしたら中の人は女性なんじゃないかと思っていたところがあったけども、間違いなく中の人は男性だ。 この時点でほぼ間違いなく中の人は鈴木だと確信した。 しかし・・・本来だったら鈴木のアソコなんて死んでも触りたくないし、そんな興味なんて一切ない。でも…目の前にいるメスネコならどうだろうか…寧ろもっと触ってあげたいし、気持ちよくさせてあげたい・・・なんて気持ちが自分の中で芽生えていることが少々気持ち悪く、でも受け入れ易く感じていて・・・なんというか今この瞬間に新たな扉を開けてしまったような気分になっていた。 それにしても、本当にこの下腹部のそれは硬くて、今にも爆発寸前というくらいに元気よくビクビクと動いている。ふわふわした下腹部とは対照的な状況に、僕のアソコも物凄く硬さを帯びていたのはここだけの秘密だ。 そして・・・暫くコリコリしたモノの先端を爪で刺激していると不思議なことが起こった。 先端付近が突然、ヴヴヴヴ・・・と振動し始めたのだ。 これには驚きすぎて、先ほどよりも強くスカートから手を引っ込めてしまった。 リノちゃんはというと、ごく自然に振る舞っている。けれど、時折太ももを軽く擦り上げる仕草が見え、その度に呼吸が速くなっているように感じる。 「あ・・・あのリノちゃん・・・いったい、これは・・・?」 リノちゃんはソファから立ち上がると、机に置いてあったタブレットを持ってきて画面を見せてくれた。 “気持ちいいよぉ…今・・・すごく気持ちいい・・・イクかも・・・” 第三話に続く