--仙舟・羅浮。
俺-雲寧-星槎海中枢を見回りしていた。
この羅浮を護る栄えある雲騎の1人になったばかりだった俺は緊張していた。
新米の俺だけではない。
他の先輩や上官たちの纏う空気もピリピリしている。
当然だろう。
この羅浮にかの悪名高い星核ハンターの1人であるカフカと言う女が侵入したらしいのだ。
星核ハンター。
万界の癌とも言われる恐ろしい危険物-星核-を集めている集団で、スターピースカンパニーからは全員に高額な賞金がかけられている凶悪犯らしい。
(そんな超大物がなんで羅浮に……)
下っ端の俺の人生には縁の無い相手だった。
毎日、巡回ルートを回って異常なしと報告して、仕事は身体を鍛える。
星槎を見張り、危険物や密航者が居ないか調べる。
それが毎日の流れだ。
稀に忌み物達が現れているが、敵といえばそれくらいの相手だ。
108億なんて途方もない額の懸賞金がかけられている凶悪犯なんてどれ程の危険人物なのか……。
「とてもそうには見えないのにな……」
壁に貼られているカフカの顔写真を眺めて呟く。
相手の心の底まで見通す様な瞳や整った顔立ち、どこか妖艶な微笑みは写真越しでもちょっとドキッとしてしまう。
美人だよな……。
などと妄想していた俺は慌てて頭を振った。
(馬鹿野郎! 相手は凶悪犯だって!)
俺は栄えある雲騎軍の兵士だぞ!
ちゃんと現実を見ろ!
ちゃんと巡回しないと!
そう思って周囲を警戒していた俺は--。
コツ、コツ、コツ。
硬質な足音を耳に捕らえた。
コツ、コツ、コツ。
明らかに具足を付けた俺たち雲騎兵の足音とは違う。
女物のブーツの足音。
今いるエリアは俺たち以外立ち入り禁止の筈だが……。
怪しいぞ?
そう思って俺は耳をすまして足音が響いていた方へとひっそりと足を進める。
◆
(嘘だろ! あれって……)
積み上げられた無数のコンテナが乱立する星槎海は死角になる場所は幾らでもある。
なので、身を隠すにはもってこいの場所だった。
俺はコンテナの影から影へと移動していき、足音の人物をついに見つけたのだが--。
なんとなく可能性はあると思っていたが、まさか本物がいるとは--。
こちらに背を向けて、赤みがかった紫色の髪の毛を靡かせている女性は間違いなく顔写真でみた凶悪犯-カフカ-だった。
こちらに背を向けてコンソールを指で叩いている。
(今ならやれるんじゃないか?)
何をしてるかはわからないが、カフカの背中は無防備に見える。
ここで捕えられれば俺は英雄だぞ!
いくら高額の懸賞金がかかっていても、完全に気を抜いている状況なら--。
俺はコンテナを背に得物を握りして呼吸を整える。
躊躇うな。
一撃で捕らえるんだ!
カフカは油断しきっているはず。
勝機はある!
自分に言い聞かせた俺はカフカを捕らえるべく、コンテナの死角から出て突進しようとしたのだが--。
「私に何か用かしら? 雲騎兵くん?」
耳元で囁かれた妖艶な声。
慌てて声をした方へ視線を向けると、数秒前までコンソールを弄っていたはずのカフカがいた。
なっ!
気づかれていた!?
「星核ハンター、カフカ! 密航の罪で身柄を拘束させてもらうぞ!」
ええい! ヤケクソだ!
出鼻をくじかれ、半ばヤケっぱちになった俺は薙刀を構えて叫ぶ。
「お断りさせて貰うわ。まだこのタイミンで捕まるシナリオはないから」
「ふざけ--っ!」
肩を竦めるカフカに切りかかった俺は驚愕した。
何せ、握っていた得物が刃が無くなっていたからだ。
「残念だけど、君だと力不足よ?」
カラン。
と音を立てて、薙刀の刃が地面に落ちていた。
カフカの手にはいつの間にか刀が握られている。
「ひっ!?」
鉄を斬ったのか?
しかも全く気づけなかった。
目の前の相手との埋められない力差を感じて、俺は思わず悲鳴を漏らしてしまう。
「さようなら」
「うわぁぁあ!」
慄く俺との距離を無造作に詰めたカフカが刀を振るい--。
パキィ!
支給されていた兜と鎧があっさりと切れた
身体が斬られてなかったのは、ビビった俺が足をもつれさせて尻餅をついたからだった。
そうでなければ今頃、装備諸共真っ二つだったかもしれない。
「あら……貴方……別人だけど随分似てるのね。フフ、気が変わったわ」
曝け出された素顔を見た瞬間、カフカの殺気が消え、何故か妖艶な微笑みを浮かべていた。
なんだ、俺の顔がなんなんだ。
慌てて立ち上がろうとした瞬間、カフカのブーツを履いた足が俺の胸に乗せられ、そのまま地面に押し倒された。
「私のお気に入りの星穹列車に置いてきたあの子によく似てるのよ。フフ、君、丁度いいわ」
ミシミシ。
「うぐぅ」
鎧を失い、下着越しにブーツが容赦なく押しつけられ、圧迫感に呻いてしまう。
細い脚とは思えない力で退けることすら出来ない。
「エリオのシナリオまで結構時間があるしあの子に似てる君で遊べば退屈せずに済みそうね」
「俺で遊ぶだと! 俺は玩具じゃねぇぞ! ふ、ふざけるな!」
「あら、逆らうのかしら?」
ミシミシ!
「うぐぁぁ!」
激昂した俺だったが、カフカが脚に少し力を入れただけで簡単に床に磔にされてしまう。
苦しさに脚をどかそうと掴むがまるで杭のようにビクともしない。
「フフ、威勢がいいわ。でも、そんな君にはお仕置きが必要ね」
「や、やめろ! 離せ!」
ミシミシ!
「うぐぁ! よせぇ!」
カフカのブーツが俺の胸を容赦なく踏みつける。
その痛みと屈辱に俺は思わず叫んでしまう。
「あら? そんな口をきいてもいいのかしら?」
ミシミシ!
「おごぉ!」
更に体重をかけられて俺の口から悲鳴が上がる。
痛い……苦しい……息が出来ない!
骨が軋む。
「フフ、いい声よ。やっぱり君で遊ぶことにしたわ」
微笑みながらカフカの脚の力が弱まる。
「ごほっ! ごほっ!」
胸の圧迫が離れて息が楽になったと安堵したのも束の間……。
ミシ
「うぐぁ!」
再び踏みつけられて俺は大きく目を見開く。
「どう? 敵に踏みつけられて弄ばれるのは ? 悔しい? その顔可愛いわよ?」
苦しさに涙が浮かぶ俺の視界にはカフカの嗜虐的な微笑みがあったのだった。
◆
「うぐぅ! い、痛い……やめ……」
ミシミシと俺を踏みつける音が何度も響き渡り、俺の口からは情けない悲鳴がこぼれていく。
(こ、こいつ本気で……俺を痛めつけて楽しんでるのか!?)
手加減が一切ない踏み付けに骨が軋む音が響く。
肺の空気が全て押し出されて息苦しい。
そんな俺の様子をカフカは楽しそうに見下ろしていた。
「どう? そろそろ私の物になる気になったかしら?」
「だ、誰がお前なんかの!」
「フフ、あら残念ね。でも、私に君が逆らうことは出来ないわよ? 貴方を支配するのは簡単なの……聞いて……私の命令を」
「っ!?」
カフカがそう言った瞬間、俺の頭が霞みがかった様に重くなった。
そうだ。
報告書にあったカフカの能力。
こいつの能力--言葉で対象を操る力-暗示があったんだった。
「私の事はこれから『カフカ様』とお呼びなさい?」
「い、いやだ……」
渾身の意思でそう答えるもカフカは一蹴する。
「返事はどうしたの?」
「……はい……カフカ様」
命令された瞬間、俺の口が勝手に動いてしまった。
(くそっ!)
俺は歯噛みした。
全身全霊で意識を保ってもカフカの能力にどんどん侵食されていた。
「フフ、いい子ね。じゃあご褒美にもっと強く踏んであげるわ」
ミシ、ミシミシミシ!
更に体重をかけられて骨が軋む音が響く。
「うぐぁぁぁぁぁ!」
ミシミシと俺の口から悲鳴が上がった。
「どう? 私のブーツで踏み潰されるのは? 君の苦しそうな顔、ゾクゾクするわ」
「こ、こんなの痛くなんか……」
強がる俺をカフカは微笑みを浮かべて見下している。
「そう? じゃあもっと強く踏んであげるわね」
ギュゥゥゥ!
そう言うとカフカはコンテナに手を当てながら、俺の身体に両足を乗せ、全体重をかけてきた。
「ぁぁぁぁぁぁ!」
今までとは比較にならない痛みに俺は苦悶の声をあげることしか出来なかった。
胸と顔を踏みつけながら、カフカは楽しげに俺を見下ろしている。
俺の意思が痛みとカフカの能力に屈服していくのを見ているのだろうか。
カフカは再び俺に命令を下す。
「次は私の物になる誓いでもたてましょうか?」
そう言ってカフカは俺の顔を踏みつけていたブーツを口元へとずらした。
皮の香りと黒い傾斜を描く爪先と足の甲。
「や、やめ……」
カフカの意図に気付いた俺は小さく抵抗の言葉を漏らすが。
「靴を舐めて、私の物になる誓いをたてなさい」
「はい……カフカ様」
カフカがそう言った瞬間、俺は舌を出し、ブーツの靴底を舐めていた。
視界に広がる深紅のソール。
俺はカフカに忠誠を示す為に舌を靴底に這わせる。
舌全体に広がる苦味とザラついた砂の食感に吐き気がする。
「ふふ、よくできました。従順な貴方をもっと可愛がってあげるわ」
そう言って俺の身体から降りたカフカはかがみ込むとブーツを脱いでいく。
もわっ!
どれだけ蒸れているのか想像したくないほど汗を吸わされ、足の裏に張りつく紫色のストッキングからは汗が滴っている。
嘘だろ、どれだけ汚れてるんだよ。
脱いだ時に見えた足の裏は真っ黒に汚れていた。
こんな美人のとんでもない姿に俺は絶句した。
「長旅のうえに私達は犯罪者扱いなのよ?
潜伏先で何日も履きっぱなしなんてよくあることよ? それにこのブーツも実戦使用だから、頑丈な分通気性は最悪なの」
そう言いながらブーツを床に置いたカフカ。
紫色のストッキングに包まれた足の裏を見せつけながら、
「私の物なら私の匂いくらい覚えておかないと……ねぇ?」
こいつまさか!!
愉悦とサディスティクな色が混ざった笑みを浮かべるカフカを見て俺は次に起きる自体がはっきりとわかってしまった。
「や、やめ……」
「フフ、やめないわよ? ほ~ら……」
笑いながらカフカはストッキングに包まれた足の裏を近づけ--。
「嗅いでごらんなさい」
暗示にかかった俺がカフカの言葉に逆らえないのをいい事を笑いながら命令したのだった。
「う、うぅ」
屈辱と悔しさに涙を流しながら俺はカフカの足の匂いを嗅ぐ。
(なんだこれ……)
汗でムワッと蒸れたストッキングから香る強烈な臭い。
ツンとした酸っぱさと苦味の混じった形容しがたい悪臭。
美しい女性が放つとは到底思えない激臭が鼻を刺し、肺を犯す。
(臭い臭い臭い臭いぃ!!)
「あら、泣いちゃったの? ふふ、可愛いわ。ほら……」
カフカはそう言いいながら俺の顔に足の裏を押し当てた。
(うぅ……臭い……)
頭がクラクラする強烈な匂いとストッキングに包まれた足裏の感触。
顔を踏み躙られている屈辱が更なる涙を誘う。
俺の目から流れる涙を見てカフカは満足気に微笑むのだった。
「辛そうな君の顔最高よ? 今度はつま先の臭いを嗅ぎましょうか。ここが1番強烈な臭いがするわよ」
「うぅ……むぐぅ!」
俺の顔を踏み躙りながら、カフカはそう呟いた。
思わず口を開いた俺の口の中に爪先が侵入してくる。
酸っぱい臭いと強烈な苦味と共に酸っぱい味が鼻を突き抜ける。
(これが足の指の臭い!? 口から入ったのに鼻に突き抜けて来て気持ち悪いぃ!)
想像を絶する悪臭に俺は嗚咽を漏らして悶絶したのだった。
「あらあら、汚いわねぇ」
そんな俺を嘲笑う様に見下すカフカ。
「ほら、もっと舐めなさい?」
そう言いながらカフカは足の指で俺の口内を蹂躙する。
歯茎や頬の裏側まで踵を擦り付けるように擦り付けられる度に苦味が広がってくる。
(こんな臭いのなんて舐めたくない……でも身体が言う事を聞かない)
「いいわねぇ、君のその表情……ぞくぞくしちゃう」
そう言いながら恍惚とした笑みを浮かべるカフカ。
その嗜虐的な笑みに俺は恐怖を覚えると同時に、何故か興奮していたのだった。
(なんで? なんでだ!)
「フフ、貴方ったらまさか足を舐めさせられて興奮してるの? あらあら、とんだ変態ね! ますます、気に入ったわ!」
そう言いながらカフカはより一層激しく足の指で俺の口内を蹂躙する。
「むぐぅ! むごぉ!」
(違う……俺は興奮なんかしてない……はずだ)
そう自分に言い聞かせるが、身体が言うことをきかない。
それどころか、身体の芯から熱くなるような--。
「あらあら、もうこんなになってるの? フフ、君はとんだ変態ね」
そう言ってカフカは俺の股間を指差した。
(え? なんで!?)
そんな馬鹿な! 俺は混乱した。
なんで? なんでこんな奴相手に俺のは反応してるんだ!?
「フフ、そんなに不思議がらなくてもいいわよ? 君は私の足の臭いで発情したのよ。ふふ、元からマゾの素質があったのね。無理やり興奮させるまでもなかったわね?」
カフカは俺の心中を見透かすように笑い--。
「変態♡ 」
そう言ってにやりと笑うと足の指で俺の舌を摘んだ。
舌を指で挟まれた俺は痛みに顔を歪ませるが、そんな俺をカフカは愉しげに見下していた。
(こいつ……)
「ほら、もっと舐めなさい?」
カフカはそう言いながらストッキングに包まれた足を俺の顔に押し当てる。
「むぐぅ!」
生暖かい感触と酸っぱさと苦味のする足の裏の匂い。
それが鼻から、口から浸透していく度に俺の身体が火照っていく。
身体の中を汚されているはずなのに、その被虐感に得も言われぬ快感があった。
充満する足の臭いを嗅ぐだけで頭がクラクラし、正常な思考ができなくなるのだ。
(なんで……なんでこんな奴相手に! こいつは凶悪犯だぞ! 羅浮の敵のはずなのに……)
俺は自分自身に怒りを覚えたが、そんな俺に追い打ちをかけるようにカフカは俺の舌を弄ぶ。
親指で舌を摘み、人差し指と中指で舌の表面をなぞられる度に俺の身体がビクビク反応してしまう。
「どう? 私の足の臭いと味は?それにしても……君は本当に変態なのね。私を捕らえるなんて言いながら屈服させられたかったのかしら?」
カフカの言葉に俺は涙を流した。
違う!
こんなこと望んじゃいない。
そう思いたいのに俺の身体はどんどん熱くなっていく。
「フフ、いい顔よ? そんな変態な君にはご褒美をあげないとね……勃起しなさい」
そう言うとカフカは俺の口から足を離すと今度はもう片方の俺の顔を踏み躙り始めた。
(うぅ……こんな臭いのなんて舐めたくなんかないのに)
そう思っているはずなのに身体はカフカの足の裏の感触に悦んでしまっていた。
「ふふ、可愛いわ。次はこっちの臭いも嗅がせてあげるわ」
そう言いながら俺の顔を踏み躙り、ゴシゴシと俺の顔をストッキングで擦るカフカは恍惚とした表情を浮かべていた。
「うぐぅ! むごぉ!」
(やめろ! そんな汚いもの押し付けるな!)
そう叫びたかったが、俺は言葉にならない声しか出せなかった。
嫌なはずなのに!
汚いはずなのに!
なのに、俺のペニスはズボンの中で痛いほど大きくなっていた。
揺れる度に布地がペニスと擦れ合い、カウパーが垂れる。
「あらあら、随分いい反応ね? こんなに喜んでもらえるとは思わなかったわ」
そう言いながらカフカは嬉しそうに俺を踏み躙るスピードを上げる。
「あ、あ、あ、あ、あ」
その度に生まれる足の臭いとストッキングのスベスベとした感触が俺の快楽中枢を刺激する。
乱暴に踏み躙られる振動でパンツとペニスが擦れあって……。
(うぅ……ダメだ! もう限界だ)
そう思った時だった。
「フフ、もう我慢出来ないって顔ねぇ? いいわ、イきなさい!」
そう言うとカフカはトドメとばかりに俺の顔を思い切り踏み潰したのだった。
「うぐぅ!」
その衝撃に俺は絶頂を迎えてしまった。
触れられてもいないのに--。
「フフ、イっちゃったのね? 足で触られてもないのに……情けないわね? でも、可愛いわよ」
そう言いながらカフカは俺の顔から足を退ける。
「う……うぅ……」
(こんな奴相手にイかされるなんて)
屈辱感に打ちひしがれる俺をカフカは満足げに見下ろしていたのだった。
その顔には勝者の余韻がはっきりと浮かんでいる。
「さてと、次は何をしましょうか? フフ、楽しみね!」
(畜生……カフカめ……)
そんな俺の気持ちなどお構いなしにカフカは高笑いするのだった。