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異無
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ザコザコお兄さんじゃ、モモ様には勝てませ~ん♡




 1人用の布団に寝転がされ、芋虫の様に動けない俺に小さな少女が添い寝する様に真横にいた。

 

「あ、う、あ」

 

 ただし、身動きできない俺の横で助けることもせずに……だ。

 

 むしろ、少女によって俺は動けなくされているわけだった!

 

「あっは~、お兄さん、どうですかぁ? ここが弱いんですかぁ? ほれほれ、小学生にこんなことされて感じちゃうんですか~? 高校生なのに弱弱ですね~♪」

 

 俺を拘束している少女はまだ小学生で、お子様なのに、興奮しているのか頬を赤らめて、潤んだ瞳で顔を近づけさせられるとクラクラしてしまう。

 

 心なしかいちごジュースみたいな甘い香りもしてしまい……。

 

「ざぁ~こ♡」

 

「んんんー!」

 

 耳元で吐息と共に囁かれた言葉に俺は全身をビクビクとさせてしまった。

 

「あはは! お兄さんってばちょっろ~い! 罰ゲームがご褒美になっちゃってきてますね~♡」

 

 思い切りニヤニヤ笑いで俺を見下す少女にどうしようもない敗北感を与えられてしまうのだった。

 

 ◆

 

 時間は数日前に遡る。

 

「お兄さん、ゲームしましょーよー」

 

 俺こと、津上犬斗は現在隣に最近引っ越してきた小学生の山下モモと一緒にいた。

 

 何故って?

 

 隣さんは母子家庭で、お母さんが仕事で夜が遅いため、学童保育後に俺の家で一時的に預かっているのだ!

 

 え?

 

 俺だってバイトとか部活があるんじゃないのかって?

 

 帰宅部なので帰りは早いし、バイトはしてない!

 

 ニートではないぞ?

 

 ちゃんとネットで稼いでいる。

 

 今のご時世、家から出なくてもお金は稼げるのだ!

 

 などとほざいてみたが、ただただ俺が引きこもり系のインドアでバイトとか無理なだけです。

 

 俺の親はって?

 

 ……いいんだよ、んなことはどうでも!

 

 とにかく、俺は善意でこうして小学生のモモちゃんを一時預かりしてるわけだ。

 

 特に悪いこととか考えてないぞ?

 

 ゲームして、宿題を見て、たまに飯も出す。

 

 あ、子守り代もお母さんから貰ってるけどね?

 

 お気持ち代だけど、ありがたく貰ってます。

 

「ちょっと、お兄さん聞いてますか~? やばい薬でとんでます?」

 

「誰がやばい薬なんかしとるか! ちゃんと聞いてます」

 

「いや~なんかアホっぽい顔してたから」

 

 そんな顔してないよ!

 

 モモちゃんは見た目は美少女だけど口は悪い。

 

 お母さんの前だとめっちゃ礼儀正しいのだが、分厚い猫を被ってるのだろうと思ってる。

 

「ゲームねぇ……。新しいカセットないんだけど」

 

「と言うか、お兄さんの持ってるゲームってほぼRPGばっかでしょう? 対戦ゲームとかないじゃないですか。やっぱりボッチだからです?」

 

「やっぱりって何? 俺ってボッチに見えてんの? 小学生から見ても?」

 

「いや……私より帰宅時間早くて、いつでも預かりOKの時点でバイトも部活もしてないし、遊ぶ相手もいないって丸わかりですけど?」

 

 グサグサグサグサッ!

 

 モモちゃんの悪意がない(はず?)の言葉が容赦なく俺の心に刺さる。

 

 やめて!

 

 言わないで!

 

 泣きそう!

 

 メンタルが崩壊しそうな俺をほっぽいてモモちゃんはゴソゴソとカバンを漁ると、

 

「なので、今日は私がゲームを持ってきました~。感謝してくださいよ? ボッチのお兄さんの相手をわざわざしてあげるんですから~」

 

 ジャーン、とモモちゃんがテーブルに置いたのは誰でも知っているオセロだった。

 

 ほぅ……オセロか。

 

 甘いな。

 

 俺は引きこもりで友達もいないが、これでもゲームは色々知っている。

 

 オセロだってスマホにアプリを入れて対戦はしているのだ!

 

 ど素人ではない!

 

 ここは年上の力を見せて、ちょっとお灸を据えてやろう。

 

 俺の事を舐めきってるし!

 

「お兄さん……ルールくらい知ってますよね~?」

 

「当たり前じゃないか、やだなー」

 

「ですよね~、あはは!」

 

「じゃ、さっそく始める?」

 

「やりましょう!」


 そそくさと準備する俺とモモちゃん。

 

 黒がモモちゃんで俺が白か。

 

 まぁ、どっちでも小5に負ける高1ではないわ!

 

 パチン、パチン。

 

「角とった方が有利なんですけど、知ってましたか?」

 

 パチン。

 

「さすがに知ってるよ? 常識常識」

 

 パチン。

 

 互いに角を取られないようにしてはいるが、打てる場所はドンドン狭くなっていく。

 

「う~ん、やりますねぇ」

 

 モモちゃんは考えるように身を乗り出して盤面を見て……って!?

 

(ブカブカのパーカーが垂れて服の中が見えてる!)

 

 モモちゃん下にシャツどころかブラもつけてない!?

 

 しかも、正面からだとモロに見えそうだし!

 

(いやいや、小5に興奮するとか変態じゃね? 落ち着け俺。動揺するな)

 

「お兄さんの番ですよ?」

 

「え? あぁ、ゴメン。考え事してた!」

 

 挙動不審になるな俺。

 

 落ち着け!

 

 必死に言い聞かせる俺だったが、何故かモモちゃんは俺の顔を見たニヤニヤ笑い--。

 

「お兄さん、顔真っ赤っかですよ~? もしかして~モモの肌でも見て興奮してました? この服、ブカブカだから意外と見えちゃう時があるみたいなんですけど~。お兄さんってば、それで顔赤くするなんて……」

 

 イタズラっ子とSっけの混じった様な眼差しで俺を見つめながら、モモちゃんは艶やかな唇を動かし--。

 

「ど・す・け・べ♡」

 

「っ!!」


 どこでそんなの覚えてきた!?

 

 パチン。

 

「あ~あ、お兄さんってば図星つかれて動揺しちゃったね~。角も~らい♡」

 

「あ……」

 

 動揺しまくる俺がミスったのを見逃さずにモモちゃんは角をとってきた。

 

 くそー!

 

 番外戦術とは卑怯だぞ!

 

「あ~あ、お兄さんってばこんなので動揺するなんて集中力が足りないんじゃないのかな~? あ! いいこと思いつきました!」

 

 いい事を思いついた顔じゃない!

 

 あれはイタズラを思いついたと言わんばかりの笑顔だ!

 

「もしも、お兄ちゃんが負けたら、大声で『僕は小学生の胸を見て興奮したドスケベです』って言うの? どうです~? こんな恥ずかしいセリフ言わされるとなったら意地でも負けられないですよね~」


 絶対に負けられない!

 

「でも~、角取られて不利だし、やめてもいいですよ? コーコーセーなのに、小学生相手だけど、自信がないないら逃げる方がいいですよね~」

 

「いいだろう。受けて立つ!」

 

「あは♡ こわ~い! モモも本気でやりますね~」

 

 ……絶対に負けられねぇ!

 

 ◆

 

「嘘だろ! 負けたァ!?」

 

 しかも、手加減無しで全力でやったのに!?

 

「あ~あ、お兄さんってば、よっわ~よわすぎですね~」

 

 くぅ~、めっちゃ悔しい!

 

「ほら、お兄さん、罰ゲームですよ?」

 

 この悪魔めっ!

 

 だが、負けは負けなのだ。

 

 やるしかない。

 

 俺は顔を真っ赤にして罰ゲームのセリフを言った……。

 

「僕は小学生の胸を見て興奮したドスケベです」

 

 ……死にたい。

 

 顔を真っ赤にして項垂れる俺に対して、モモちゃんは満面の笑みを浮かべて、

 

「は~い、よく出来ました~。変態お兄さん♡」

 

 ぐはっ!!

 

 ヤバい、もうメンタルがダメだ。

 

「あ、そろそろお母さんが帰ってくる時間だから帰りますね~。楽しかったですよ? 今日はたっぷり寝れそうです。あ、お兄さんは逆に寝れないかもですけどね?」

 

 トドメの一撃を放ったモモちゃんは上機嫌で俺の家から出ていく。

 

 ……クッソー!

 

 覚えてろ!

 

 羞恥と屈辱で顔を真っ赤にした俺は、モモちゃんへのリベンジを誓う羽目になるのだった。

 

 ◆

 

 

「今日のゲームは何にしましょうかね~? あ、また罰ゲームありでしましょうね」

 

 オセロで俺を辱めてくれたモモちゃんは、罰ゲームを付けるのにハマってしまったらしい。

 

 負けたらどうするつもりなのか? と思うが、その辺を考えないのは小学生らしいというかなんと言うか。

 

 まぁ、今回こそ年上の威厳を取り戻してやろう。

 

「オセロでリベンジは……」

 

「え~、お兄さん雑魚なので、違うのがいいです」

 

 くっ! 1回勝っただけで!

 

 でも、ぼろ負けしたから反論しにくいぞ、くそぅ!

 

「あ、今回はトランプはどうですか? 神経衰弱とか。まぁ、罰ゲームが怖いなら受けなくても~いいですけど♡」

 

「いいだろう! 受けて立つ」

 

 売り言葉に買い言葉で俺は即座に勝負を受けてしまうのだった。

 

 よし、やってやるぜ!

 

 今回こそ年上の威厳を取り戻す!

 

  ……でも、モモちゃんって頭良さそうだしな。


 いや、ここで弱気になってどうする? 男を見せろ津上犬斗!

 

 ……ただ単に年下相手に負けるのが嫌なだけなんだけどね。


 とまぁ、そんな経緯でトランプをすることになったのだが--。

 

 

「はい、ペア揃った~」

 

「くっ……」

 

「あれれ? もうモモのペアは5枚ですよ? お兄さんは0じゃないですか~、弱すぎません?」

 

 それはモモちゃんがまた番外戦術をして来るからだぞ!

 

 などと口が裂けても言えない。

 

 今日のモモちゃんはブカブカパーカーにミニスカートの組み合わせだったのだが、とんでもなく丈が短いせいか、パーカーに隠れるくらいでスカート履いてないみたいに見えるんだよ!

 

 しかも、今回は床で勝負している。

 

 胡座をかいている状態のせいで、モモちゃんが動く度に短いスカートの中が見えそうで……。

 

「どうしましたか~? お兄さん? 顔赤いですよ~」

 

 ダメだ、集中しないと--。

 

 でも……。

 

「あら、またお兄さん外れ~♪ じゃ、貰いますね?」

 

 チラリ、と見えかけるスカートの中が気になって……。

 

 あぁぁー!!

 

 

「はい、上がりましたよ~。また私の勝ちですね~」


 ニコニコ笑顔で俺を見下すモモちゃんに俺は歯軋りしか出来ない。


 なんで? どうして? そんな俺の心の声は知らずにモモちゃんは小憎らしい顔で俺を見て、ニヤニヤ笑いを浮かべたのだった。

 

「じゃあ~、また罰ゲームですよ? お兄さん」

 

 く、屈辱だ。

 

 あの笑いが怖い。

 

「じゃあ~、今日は~『僕は小学生のおパンチュが気になりすぎて勝負に集中できない変態で~す』って言いましょうか?」

 

「え?」

 

 バレてた?

 

「あはは! あんな露骨にしてたらバレバレですよ! バレてないと思ったんですか~? お兄さん、チョロすぎですよ♡」

 

 やっぱわざとだったんかー!

 

 この悪魔めっ!

 

 ニヤニヤ笑いに見下ろされながら、俺はプルプルと屈辱に震え--。

 

「ぼ、僕は小学生のおパンチュが気になりすぎて勝負に集中できない変態で~す」

 

 言ってしまった。

 

 小学生が考えた屈辱的なセリフを言わされてしまった。

 

 しかも、思い切り見下ろされながら。

 

「あっは~! よく言えました~。く・そ・ざ・こ・お兄さん♡」

 

 ゾクッ!

 

「んん!?」

 

 耳許で吐息を吹きかけられて、背筋がゾワッとなったぞ!

 

 やばい、ちょっと変な気持ちになった。

 

 股間がムズムズしてしまったぞ。

 

 立ち上がれない俺を見下ろしながら、楽しげに笑うモモちゃんはヒラリとスカートを翻し、

 

「あは♪そろそろ帰りますね~。明日もよろしくお願いしますね? 変態お兄さん♡」

 

 ガチャ、と扉の閉まる音がして、俺はモンモンとしたままモモちゃんが出ていったドアを暫く眺めていたのだった。

 

 ◆

 

 夜--。

 

『あっれ~お兄さん、モモにこんなことされて嬉しいんですか? きっもー♡』

 

 床に拘束された俺をモモちゃんが無慈悲に踏みにじっていた。

 

『あ、あ、モモちゃん~』

 

『は? 気安くモモの名前呼ばないで下さい。これからはもモモ様と呼びなさい。変態お兄さんなんですから』

 

 ギュゥゥ!

 

 俺の顔を踏みつけるモモちゃんの足にさらに力が加わる。

 

『も、申し訳ありません。モモ様~』

 

『あはは♡ お兄さんったらマゾですか? でも~、あんまり度が過ぎると女の子に嫌われますよ?』


 グリグリと顔を踏みにじられながら罵倒され……。


 俺はハァハァ言いながら興奮するのを止められないのだった。


『小学生のくさ~い足で顔面踏みにじられて興奮するとか、キモ雑魚ですね。ゴミすぎでしょ? ねぇ、クソザコお兄さん~♡』

 

 腰に手を当てて俺の顔を踏み躙るモモちゃんは、まさに支配者だった。

 

 足の裏からは甘酸っぱい臭いがして、呼吸するたびに脳から快楽物質がふき出してくる。

 

『ほら、クソザコらしく、モモ様のくさ~い足の裏に恋しながら、シコシコオナニーして下さい~』

 

 モモちゃんは俺の顔と股間に足を乗せると身体に器用に俺の身体の上に立った。


 まるで俺そのものが床にされたようだ。

 

『は、はい~』


 俺はモモちゃんの足に恋い焦がれる様に自らの一物をこすりつける。


 そして、モモちゃんは俺の股間をグリグリと踏みつけながら嗤う。

 

『あははは! ほらほら♡ 惨めに腰ふってシコシコしちゃいなさい♡』


 もう抵抗できない。


 いや、抵抗する気すら起きない。


 俺はモモちゃんに徹底的になぶられながら、しかしそれに興奮していた。

 

『あはは♡ 最低で~す♡』


 高笑いするモモちゃんは楽しそう俺を罵り続けたのだった。

 

 

「ん? もう朝か」


 下半身の不快感に目を覚ますと、案の定下着は汗やら何やらでぐっしょりと濡れていた。

 

 と言うか、なんかベトベトしていた。

 

 寝たのに疲労感が凄い。

 

 これは恐らくあれだ。

 

 ……考えないようにしよう。

 

 あ~あ、これはもう着替えないとダメか……と憂鬱な気分になりながらも、俺はある事に気付く。

 

「あれ? なんでモモちゃんを『モモ様』なんて呼んでんだ? それに、なんか夢を見ていた気がするけど……どんな夢だっけ?」


 思い出せないが、なんだかとても幸せな夢だったような……。

 

 なぜか、モモちゃんをモモ様と呼んでいたことだけははっきりと覚えているのだが、内容は全然思い出せない。

 

「ま、いいか」


 俺は着替えを持って風呂場に向かうとシャワーを浴びるのだった。

 

 

「あ! お兄さーん!」


 そんな俺を見つけて駆け寄ってくるのはモモちゃんだ。


 今日も元気いっぱいな小学生である。

 

「お兄さん! 今日は何のゲームをしますか?」


 ニコニコ笑うモモちゃんが家では、あんなニタニタと虐めっ子みたいな邪悪な笑みを浮かべるとは誰も想像できまい。

 

「ん~、考えとくよ」

 

「ふふ、勿論。罰ゲームもありですからね? 変態お・に・い・さ・ん♡」

 

 ゾクッ!

 

 俺にだけ聞こえるように呟いた言葉に慌ててモモちゃんの顔を見ると、外で見せる笑顔に戻っていた。

 

「じゃ、また後でお願いしますね」

 

 そのまま通学路を駆けていくモモちゃんを見送りながら、俺は股間が疼いてしまうのを感じずにはいられないのだった。

 





ザコザコお兄さんじゃ、モモ様には勝てませ~ん♡

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