チャリン……。
「ふふ、お似合いよ? 佳那汰」
「あ、ありがとうございます、由奈様」
奴隷契約書にサインさせられてから、佳那汰の生活は変わった。
屋敷で服を着ることは許されず全裸で生活をさせられていた。
さすがに四つん這いのままでは仕事に支障がでるため、二足歩行を許されているが、由奈の前では許可なく二足歩行することは禁止されている。
身に付けられているのは二つの器具だけだった。
「そろそろ3日ね。肌に違和感とかはない?」
「はい、大丈夫です。お心遣い誠にありがとうございます」
額を床に擦りつけて土下座する姿は奴隷そのものだった。
チャリ。
涼やかな金属音が微かに響く。
佳那汰が奴隷契約書を書いた次の日に由奈が用意したのは二つの道具だった。
一つは奴隷という立場として、自分にとって快楽を奪われることを自覚させるため。
もう一つは自分が下等な奴隷として、由奈の所有物になったことを自覚させるためだ。
由奈は土下座する佳那汰の頭をブーツを履いた足で軽くタップし、
「佳那汰、正座しなさい」
「はい、由奈様」
素早く身体を起こした佳那汰。
その身体に取り付けられているのは、銀色に光る首輪と――。
「ふふ、かわいいでしょ? これ🖤」
「あん!」
由奈にブーツの爪先でそれを小突かれて思わず声が漏れてしまった。
佳那汰の股間には首輪とはまた違う金属の器具――貞操帯が取りつけられていたのだ。
「佳那汰みたいマゾはこれをされるのが一番辛いのよね?」
「その通り……です」
「あはは! それはよかったわねぇ。マゾなら苦しいのも幸せになるでしょ?」
残酷な微笑みを浮かべた由奈の言葉通りだった。
佳那汰にとってもっとも気持ちよくなれる行動を奪われたのだ。
苦しくないはずがない。
しかも、貞操帯をつける時に邪魔にならない様に周辺の毛を全て剃りあげられ、チンポの付け根には由奈専用マゾチンポなどと卑猥な言葉まで書かれいた。
外でも個室以外のトイレに行くことはできず、常に由奈に支配されていると感じられてしまい、ますます興奮してしまう。
「んん!」
由奈がわずかに足を動かす刺激が敏感になった身体には強い刺激に感じられてしまう。
貞操帯により、勃起すれば痛みを与えられ、それがご主人様である由奈からのものだと思うと、さらに興奮してしまう、という無限地獄に佳那汰はずっと苦しめられていた。
「はぁ……はぁ……うぅ……」
必死に興奮を抑えようと深呼吸するが、逆に由奈の甘い香りが鼻腔を刺激し、余計に興奮を高めてしまう。
「くすっ、どうしたの? そんなに息を荒くして」
ブーツの爪先を顎にかけ、グイと顔を上げさせながら、無理やり目をあわさせる。
「も、申し訳ありません……」
「そんなに謝らなくていいわよ。お前が変態なのは最初からわかっているし、私だってお前みたいな汚らしい豚に触られるなんて嫌だからね」
「は、はいぃ、ありがとうございます」
冷たい視線と罵りに、佳那汰は背中にぞくりとしたものを感じた。
足で扱われていると言うのに、下等な自分にはそれが当たり前だと感じられてしまう。
由奈の奴隷となった日から、毎晩由奈の前で奴隷契約書を読み上げさせられたからだろうか。
由奈という少女を佳那汰は絶対的な支配者として受け入れていた。
いや、崇拝しつつあった。
「はぁ、はぁ、ゆ、由奈様」
もう我慢できない。
顎にかかる冷たいブーツの感触とレーザー素材独特の匂い。
「なに?」
「お願いします、変態な僕に罰を……」
「……ふん、仕方のない奴隷ね」
そう言いながらも由奈は嬉々として足を伸ばして、佳那汰の顔をぐりぐりと踏みつけた。
「ああ、んぐ、んんんんん!!」
「ほぉ~ら、お前が欲した罰よ。感謝なさい、このゴミクズ野郎が!」
「んんん!! ありがとうございますううううううう!!!」
「あはははは! そうよ~、お前は私にお仕置きされる時も感謝の気持ちを忘れちゃダメだからね?」
佳那汰はビクビクと身体を震わせながら、由奈に屈服していた。
グイグイと硬いソールが顔に食い込み、靴あとが付くのではないかと思えるほど強く足蹴にされる。
「ほら、変態、なんで今お前が罰を受けているのか大声で言ってみなさいな!」
「は、はい、僕は由奈様の奴隷です! 由奈様の奴隷の分際で由奈様の御ブーツ様に触れて発情しました!」
由奈の命令に逆らうことは許されない。
佳那汰は羞恥心をかなぐり捨て、自分が奴隷であることを宣言し、罪を叫ぶ。
「ふふ、よく言えたわねぇ。偉いわよ。それにしても……ブーツに発情するなんて……しかもブーツにまで様付けとか……奴隷の立場を理解しているようね……くくくく……」
堪えきれず漏れた由奈の笑いに、自分が由奈を楽しませれたと思うと羞恥心よりも幸せが勝った。
「ありがとうございます!」
褒められたことに喜びの声を上げる佳那汰だったが……。
「はは! 変態らしい回答だったわよ。笑わせてくれたご褒美をあげる」
「え?」
目尻に涙を浮かべた由奈は踏みにじる力を緩め、
「私の足を舐めなさい。」
由奈は佳那汰の顔に乗せていた足を退けると、その足で彼の唇に触れた。
「はい、わかりました」
命令された佳那汰はすぐさま舌を出して由奈のブーツにしゃぶりついた。
口に広がる苦味。
舌の腹に触れるのはソールの細かな滑り止めのザラザラした痛み。
なのに、心地よい。
「はむっ……ちゅぱっ……れろっ……じゅるっ……」
「ふふ、上手よ。もっと奥まで入れなさい」
「は、はい」
佳那汰の口内を蹂躙するかのように、由奈の足が動き回る。
歯茎をなぞるように動くと思えば、喉の奥にまで侵入し、食道を犯していく。
その度に佳那汰は苦しそうな表情を浮かべるが、由奈がそれを許すはずもない。
むしろ、由奈はそれを楽しむかのように口の端をあげ、頬を赤く染めていた。
「んん!?」
由奈はそのまま押し倒すように佳那汰の頭を踏みつける。
そして、力を込めて、佳那汰の頭を床に押し付けた。
「んんんんん!!!!!」
「はぁ、はぁ、気分がいいわぁ。佳那汰は本当にマゾね。踏まれているだけなのに気持ちよくなっているんでしょ? ブーツなんて舐めてますます興奮してしまうのよね!」
「んんんんんん……んん……」
「答えられないかぁ。まあいいわ。これから毎日たっぷりとお仕置きしてあげるから楽しみにしときなさい」
「は、はいぃ……」
「今日はこれくらいにしておいてあげる。明日も同じ時間にここに来なさい。わかった?」
「は、はい、由奈様」
「よろしい。じゃあ、私は帰るけど……最後に何か言うことあるかしら?」
由奈の言葉に、佳那汰は迷っていた。
もっと虐めて欲しい。
罰が欲しい。
足蹴にして欲しい。
嘲って笑って欲しい。
でも、奴隷にはそれを口にする権利はないのだ。
佳那汰は苦しげな表情を浮かべて、土下座する。
「ご主人様……ご調教……ありがとうございました……」
「よく言えました♪」
(物足りないのよね? でも、満足させたら私に責められる苦しみと喜びを忘れられないわよね? 私だけを思って生殺しで悶えなさい🖤)
満足げに頷いた由奈はそう言って部屋から出ていった。
冷たく硬い貞操帯に押し込められたペニスからは透明な汁が涎のようにダラダラと垂れているのを満足げに一瞥して――。