「うぐぅ……」
逆らうことができないレオは震えながら、舌を出した。
ピチャリ。
だが、思うように舌が動かない。
それに対し、エリスの叱咤が飛ぶ。
「ほら、もっと丁寧に舐めなさいよ! さっきより雑じゃない!」
「うぅ……」
ピチャリ、ピチャ。
(臭ぃ……)
レオは必死に舌を動かすが、エリスの足の臭いは強烈で耐え難い。
だが、ここで止めればどうなるかわからない。
レオは屈辱に耐えながら、懸命に舌を動かし続けた。
「アハハ! ほんっと惨めね~」
エリスはレオの様子を見て嘲笑う。
「勇者のプライドなんてあったもんじゃないわね!」
ピチャリ、ピチュ。
「ぐぅ……」
悔しい。
しかし、人質がいる以上何もできない。
ただただ屈辱に耐えるしかなかった。
「アハハ! いいザマね!」
「あ~ぁ、あんなに綺麗にしてあげたのに、また汚れちゃったじゃない」
「汚物は消毒しなくちゃ」
魔王軍達は好き勝手にレオを嘲り、罵った。
何人もの女性の声が刃物となり、レオの羞恥心を容赦なく抉り、切り刻む。
「アハハ! そろそろいいかしらね」
ようやく終わるのか……。
エリスの言葉に思わず視線を上げてしまったレオは瞬間に後悔した。
エリスの顔に浮かぶ悪魔のごとき愉悦の微笑みは、これで終わるはずがない、と明確に物語っていたからだ。
◆
「フフ、お前の泣き顔も飽きたし、もっと笑える芸でもしながら奉仕してよ」
「にゃにぃ?」
「フフ、そうね……。負け犬として最低の姿……自慰してみなさい」
口に捩じ込んだ足指を蠢かしながら、エリスは実に愉しげに言い放つ。
自慰しろ……だと?
いきなりの言葉に絶句してしまう。
この状況で自慰しろ……だと?
意味がわからない。
魔王に足を舐めさせられて、魔王軍に見られ、この状況で興奮などできるはずもない。
「あぁ、興奮しないわよね。普通は……」
レオの表情から心の声がでていたらしく、エリスは意地悪い笑みで……。
「でも、私は淫魔なのよ? その頂点である私の体液、魔力、声をずっと身体に染み込んでしまってるのだから……」
エリスの身体が魔力が迸り……。
「うごっ!?」
ビクン、といきなり下腹部が熱くなり、チ●コが大きくなった。
(な、なぜ? いったい何が……。こいつ!)
レオははっとした。
淫魔の特性として、対象を無理やり性的に興奮させる能力があるのだった。
それで獲物を意のままに操ったり、生命エネルギーをすいとる、と聞く。
見た目が美女だったり、幼女が多いのは、保護欲を誘うため。
くっ、勇者の力を奪われてるからからエリスの力に抗えない。
頭に靄がかかるような、強烈な眠気が襲ってきた。
だめだ、ここで落ちたら。
二度と這い上がれない。
それほど、淫魔の力には中毒性がある。
「あ、自慰するなら、右手だけは折れてたら困るわよね~」
エリスは治癒で右腕だけ治療させた。
もうレオが抵抗できないことを理解しているからだ。
圧倒的上位の立ち位置にいるからこそ、腕一本治したところで、レオは何もできないとわかっているのだ。
「俺は……」
「もうあれだけ恥を晒してプライドなんてないでしょ? どうせ辱しめられるなら気持ちいいほうがいいでしょ? 私の玩具にされて、その力も全部糧にした方が気持ちいいよね? 修行に費やした努力も成果も全部貢ぎなさい? お前の心も身体も全部踏みにじってあげるから!」
エリスの笑みが恐ろしく魅力的に見えてしまう。
甘ったるい囁きは猛毒の様に、精神を蝕み、心の壁も溶かしていく。
あぁ……あぁ……だ……め……。
抵抗しようにも口にねじ込まれた足のせいで、唇や舌を噛むこともできないし、まるで身体に力が入らない。
(畜生……畜生……)
レオは人類を救えなかった後悔、不甲斐ない勇者として生まれてしまったことへの怒り、エリスに屈服させられた屈辱……さまざまな感情がごちゃまぜになって、涙として流れ落ちる。
心が絶望と言う黒い感情で塗り潰される中、レオは心と身体の繋がりが断ち切られるのをはっきりと感じてしまった。