「…………」
ひどくいい匂いだ。
それに柔らかい。
硬い床ではなく、一流の宿と思えるようなフカフカのベッドだ。
部屋もそうだ。
豪華な調度品に、美しい絨毯といい、意識を失うまでの牢屋は夢だったのか、と思えるほどだ。
と言うよりも、この部屋は魔王城に乗り込む前、最後に泊まった宿だ。
(俺はまだ魔王討伐をしてないのか?)
魔王に敗けたのは夢?
(気を抜くなと言う女神様の警告だったのか……)
それにしては生々しかったが。
正夢にならないように気を付けないと……。
「目が覚めましたか?」
そこにいたのは美しい
「エリ……ス……様?」
扉をあけて姿を見せたのは、聖女であり、女神の力を得た王女エリスだ。
レオがひそかに慕っていた理想の女性、エリス。
エリスとの出会いは……。
(あれ? 思い出せない?)
いつからエリスと一緒にいたっけ?
「どうしましたか? あぁ、レオったら……」
なぜかエリスは急に察した様にこちらの――身体の下……股間辺りに目を向けていた。
(え? なに?)
なぜ、そんなところに視線を向けるのかわからないレオは混乱するが、エリスはスタスタとこちらへ近づき、
「レオは勇者ですからね。色町に行くわけにも行かないし溜まっているのですね? いいですよ? いつもの様にしてあげます」
(え? は? いや、溜まってるって! しかも、いつもの様にって!?)
そんな記憶はない!
確かに勇者として有名だったからそんな色町に行ったり、娼館に行くわけにはいかなかったから、自分で処理を……。
「?」
……していたはず、なのだが。
あれ?
おかしいぞ?
一人じゃなくてエリスに処理してもらってた……よな?
なぜか自信を持って言えないのは、記憶がそこだけ曖昧だからだ。
「さぁ、いつもの様にしたあげますから、楽にして」
「あ、いや」
溜まってない……はずだけど!
と言うか、抜いてもらった記憶すら曖昧なのに、こんな綺麗な身分の上な少女に性欲を処理してもらうなど、とても恥ずかしいのでお断りを!
と思ったのに、なぜか口が開かなかった。
それだけではなく、身体も硬直して振り払いたくても振り払えない。
エリスは白魚の様に細い指でレオのパジャマのボタンをはずし、そのままズボンをずらしていく。
(やめて~!)
両手が使えたら思わず顔を覆ってたはずだ。
だが、手足が動かないレオにはただ、この恥ずかしい姿を見ることしかできない。
エリスは慣れた手つきで全ての衣服を剥ぎ取ると、そのままレオをベッドへ押して、隣に寝転んだ。
金色の髪がくすぐったくて、甘い香りはドキドキさせられて、さらに微かに触れるだけで体温が伝わってきて、その距離にクラクラする。
恥ずかしくて、興奮もしてなかったはずなのに、それだけで、レオのチ●コは熱く雄々しく勃起していた。
「さぁ、私に身を委ねて……」
エリスはそのままその綺麗な手でレオの股間のチ●コを握りしめる。
冷水にさらされて割れている農民の爪の様な歪さはなく、綺麗なピンク色の爪は形が整い、長い指は白魚の様で、驚くほど柔らかくて包み込む様な指は吸い付くようにレオのチ●コを捕らえていたのだ。
「あ……」
あまりの気持ちよさにレオは声を漏らしてしまった。
何度も処理されているはずなのに、こんな気持ちよかったら、忘れるはずないのに、なぜこれほど衝撃があるのだろう。
まるで初めて握られた様ではないか。
「もうレオのチ●コは熱いですね。感じているのですね」
クスクス、と笑うエリスは何故か聖女とは思えないほどの妖艶さを放っていた。
それすらも今のレオには違和感ではなくギャップとして感じられてしまった。
シコシコシコシコ……。
「んぁぁぁぁ!」
気持ちいい。
自分でやるよりも遥かに興奮する。
「フフ、こちらも硬いですよ?」
ちゅ……。
「ひゃぁ!?」
いきなり乳首を舐められたレオは乙女の様な悲鳴をあげてしまった。
「あぁ、そんな声で鳴けるのですね。可愛い🖤」
ちゅ、ちゅぷ、れろ。
「あひぃ、あ!」
生暖かい舌が乳首をくすぐる。
シコシコシコシコ。
エリスの手が規則的なリズムでチ●コをしごき、レオは身もだえする快感に襲われていた。
好意のある美少女に身体を好きにされて、快感浸けにされて、抱き合う距離で密着されて、レオは頭がおかしくなりそうだった。
乳首など自慰するときに触ることもなかったが、これほど気持ちいい、とは想像もできなかった。
「フフ、レオ。気持ちいいですか?」
「気持ちいいですぅ~」
快感で涎を垂らし、喘ぐ姿はまるで犯されまくる女の子のようで、勇者としても威厳は欠片もない。
まるで女性の慰み者にされる娼男の様だった。
今のレオにはこの煮えたぎる快感を解放感へと変えることしか考えられない。
シコシコシコシコシコシコシコシコ。
「フフ、もう気持ちよくなることしか考えられないですよね。私の手で射精して気持ちよくなりたいですよね? どうなんですか? え?」
情欲に燃えるエリスの瞳は色っぽく濡れて、男の身体を好きに扱う優越感で赤らんだ頬は大人の女、と思わせてくれる。
好意は膨れ上がり、自分でもこれほど彼女が好きだったと気づかなかったのが、不自然なほどだ。
だが、それを深く考えるよりも下半身からの刺激に脳は快楽物資を容赦なく分泌し、思考を射精欲で塗りつぶす。
「き、気持ちよくなりたいですぅ!」
「正直ですね。なら、おねだりしてみましょうか?」
「お、おねだり?」
「エリス様、どうか射精させてくださいって🖤」
聖女であり、王女である高貴な身分とは思えない台詞だが、それすらギャップで魅力的に感じられる。
「エ、エリス様、どうか、射精させてくださいぃ!」
「いいわよ? 私の手の中に精子、ドピュドピュだしちゃいなさい🖤」
嗜虐心と相手を屈服させた優越感で舌舐めずりしたエリスはそのまま強くチ●コを扱き――。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
身体が小刻みに震えたと思ったら、一気に精液が噴き出す。
どぴゅ! ぴゅ! ぴゅるるるる!
「…………」
憧れの女性に射精をさせられた羞恥心と同時に憧れの女性にここまでしてもらえた喜び、射精の解放感と快楽責めによる疲労感等、様々な感情が混じり合い、レオの意識は闇に落ちるのだった。
「…………」
ぐったりとして寝息を立てるレオを見下ろしながら身体を起こしたエリスは手についた精液をペロリ、と舐めた。
(あぁ、バカなレオ。これが幻とも気づかずに……)
そう……レオが見たエリスは聖女でも、王女でもない。
魔王エリス。
夢魔の力でエリスは、レオに夢を見せていたのだ。
この部屋も仮初めの幻。
だが、射精だけは事実だった。
レオが理想とする女性像に成り済まし、快楽を与えて精気を奪っていたのだ。
(やっぱり、勇者の精子は違うわ~。こんな上質な精気は初めて🖤)
今回はきっかけを与えたに過ぎない。
エリスと言う女性はレオの夢で様々な身分、関係で現れる。
レオの潜在的に望む姿で。
だが、レオとの関係は必ずエリスがレオを支配する関係だ。
今日のように射精の権利はエリスが握り、レオは哀願して射精の許可を得なければならない。
その関係が身体と脳にエリスと言う存在が射精する権利を握っている、と刻み込まれれば――。
(もう私の奴隷の完成だわ)
エリスの魔力だけではない。
淫魔の力をもつエリスは好意をもつ相手はその魅力に溺れやすい。
その好意が大きければ大きいほど、特に性的なものを感じれば感じるほど……。
射精への欲望は最大の要因になるのだ。
(クスクス……。これからもっと私の忠実な下僕に染めてあげる。惨めさも屈辱も痛みも何もかも感謝し、崇拝する奴隷にね🖤)
エリスはレオの額に張りついた髪をあげてやると、ニッコリと笑い、部屋を後にするのだった。