それからというもの、礼子様と愛様の遊び相手として毎日を過ごすことになった。
仕事を終え、帰宅すると二人の御主人様が待っている。
そして、いつものように服を脱ぎ捨てて裸になると、二人が用意した服を着ていく。
礼子様からは黒革コート。
愛様からは白ブラウス、紺スカート。
どちらも肌触りがよく高級品であることがわかる。
さらに、首元や手首足首には鎖のついたアンクレット、ブレスレットが装着されていた。
どれもこれも趣味が悪い。
礼子様曰く、これが『奴隷』という証らしい。
この格好を見ただけで興奮してくる。
「ねぇ、今日はどこに行くと思う?」
「わかりません……」
「わからない方が楽しいでしょう?」
そんな会話をしながら俺は準備を終えると、最後に手錠を掛けられた。
両手両足に手錠を嵌められると、俺は全裸のまま四つん這いになる。
首輪をはめられ、リードでひっぱられる俺はまさに犬だ。
「それじゃ行きましょうか」
「レッツゴー!」
二人はクルリと身体の向きを変え、歩き出した。
俺はそれに追従するようにゆっくりと歩みを進める。
颯爽と前を歩く二人のブーツが視界の前で規則正しくリズムを刻んでいた。
外はもう真っ暗だ。
街灯だけが頼りの中、俺は必死についていく。
しばらく歩くと、大通りに出た。
車通りの多い道を二人は平然と歩いていく。
「おい、あれ」
「え、嘘」
周りにいた人達が何事かというようにこちらを見てくる。
その目は侮蔑、嫌悪など負の感情が込められていた。
女子大生二人にリードで繋がれ、四つん這いにされた女装男性などさぞ見物だろう。
しかし、礼子様も愛様も気にする素振りはない。
俺も当然何も感じなかった。
むしろ、自分が見世物になっていることに快感を覚えているくらいだ。
「ほら、もっと速く歩かないとお巡りさんに見つかっちゃうわよ?」
礼子様に煽られ、少しだけペースを上げる。
すると、すぐに息切れしてしまった。
「ふぅっ……! はぁ……!」
「何やってるの? お前は散歩中なのよ?」
「アハハ! ばっかみたい」
二人は俺を嘲笑いながらどんどん先に行ってしまわれた。
二人が早く歩けば、リードがひっぱられ、窒息させられかけた俺は死に物狂いでついていくしかない。
チャラチャラチャリン。
俺は懸命に後を追う。
「はぁ……! はぁ……!」
時折通行人とすれ違うと、皆が驚いたような表情で俺を見ていた。
中にはスマホで撮影している者もいる。
「はぁ……! あぁ……!」
こんな姿、人に見られたくはないが今の俺は彼女たちの所有物だ。
どう扱われようと文句を言う資格は無い。
むしろ、蔑まれることで勃起してしまう始末だ。
やがて、大きな橋に差し掛かった。
ここは夜景の名所らしく、カップル達で賑わっている。
「あらら、いい景色ねー♪」
礼子様も楽しそうだった。
愛様も嬉しそうだ。
「でもね……」
「うん……」
お二人が立ち止まったのは橋の真ん中あたり。
欄干の上だった。
「私達が見るのはこっちの方がいいかな?」
「だよね~?」
二人が見下ろす先には川がある。
そこはちょうど、人が溺れた事故が多発しているという場所だった。
不吉な場所のため、人はほぼこない。
「ここなら邪魔されずにゆっくりできるわね?」
「私たちのお気に入りの場所なんだ~♪」
「はぁ、はぁ……」
俺はこれから起こることを想像して、我慢汁を垂らしていた。
早く、早くしたい……。
「ねぇ、見ててあげるから自分でやってみなさい?」
「ここでオナニーだよ。変態マゾ犬ちゃん」
待ち望んだ言葉が放たれ、俺は目を輝かせた。
「はいっ!!」
俺は返事をすると同時にコートやスカート、パンツを脱ぎ捨てた。
すでに興奮でギンギンになったペニスが露になる。
そして、片手で自身の乳首を弄り始めた。
もう片手は勿論、ペニスをしごいている。
「あっ! はぁぁん!」
「ちょっと、声が大きいんじゃない?」
「みんなびっくりしちゃうよ?」
「ごめんなさぃ……んんんっ!」
俺はなんとか抑えようとするものの、なかなか上手くいかない。
その間にも手は止まらなかった。
まるで別の生き物が身体を支配し、意思とは別に身体を操っているかのようだ。
「あんっ! ああぁん!」
「仕方のない子ね。愛、そろそろいいんじゃない?」
「おっけー」
二人は俺の真後ろに移動してきた。
そして、耳元に口を近づけると甘い声で囁いてくる。
「今からこの手で思いっきり叩いてあげます。嬉しいですか?」
「ありがとうございますっ!! お願いしますっ!!」
「まったくとんだ変態ね♡」
「人として終わってるね、お前」
二人は顔を見合わせるとクスリと笑う。
次の瞬間―――。
パァンッ!!!
「ひゃぁぁんっ!?」
ビンタされる音が響き渡った。
俺は身体をビクつかせる。続いてもう一発。
バチィィンッ!!!
「ひぐぅっ!」
さらにもう一撃。
パンッ! バッチイインッ!
「あがぁぁっ!」
二人の手に込められた力は相当なものだった。
叩かれる度に肌が赤くなるのを感じる。それでも身体を走る衝撃は大きくて堪らない。
苦痛と快楽が同時に全身を襲う感覚は初めての経験だった。
「へぇ~まだ耐えれる? 次々行くよ? 二発三発四発五発六発七発八発九発十発十一発十二発十三発十四発十五発十六発十七発十八発十九発二十発二十一発」
バチン! バシイッ! ベチィィン!
「あぁぁっ!」
連続して放たれた平手打ちが俺の背中や顔を襲った。その威力は凄まじく、俺の首筋に電気ショックのような痛みが走る。
「まだまだいくわよ? 二発目三発目四発目五発目六発目七発目八発目九発目十発」
ドガガッ! ズバンッ! ゴシャアッ!
「ひぃぃぃぃっ!」
容赦の無い連続攻撃が続く。
あまりの痛さに涙が流れてきた。
だが、不思議と嫌な気分ではない。むしろもっと欲しいと思ってしまうくらいだ。
「ほら、いけ!」
「顔中ボコボコにされていけ!」
「あ、あ、あ、あ、いきますぅぅぅぅぅ!!」
礼子様と愛様に詰られたまま俺は絶頂した。
ビュルルルゥッ!!
勢いよく精液が飛び出していく。
そしてそれは、欄干を越えて下の川に落下していった。
濁流に白い線はあっさりと呑み込まれて消え去る。
「あら、すごい量ね」
「さすが変態マゾ犬♪」
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
息を整えながら俺は振り返る。
するとそこには、俺を見てニヤリと笑っているお二人の姿があった。
「また明日もやってあげるから楽しみにしてなさい」
「今日は楽しかったよ。バイバーイ♪」
二人は満足げに笑うと、リードを投げ捨て、歩き去っていく。
放心して、ボロボロになった俺は犯された後の様に痙攣して、それを見つめることしかできなかったのだった。