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契約魔法で再び絶対服従の契約を縛られたアイゼンにマルタはニヤリ、と笑うと、ローブを脱ぎ、衣装をさらす。
異様に露出度があるその姿は街なら誰もがギョッとするほど破廉恥なものだった。
「……」
破廉恥極まる服装に絶句するアイゼンに対し、マルタは粛々とゲームを進める。
「では、手始めに――肉体強化、感覚強化🖤」
「なっ!?」
「フフフ、驚きましたか? なぜ、私があなたを強化したのか、と。勿論、レヴィア様の様に魅了が使えれば早かったのですが、未熟な私では魅了は使えないので、こうさせてもらいました」
マルタは檻へ入ると、悠然とアイゼンへと近づいた。
今までとは違う妖艶なマルタにアイゼンは思わずたじろぐ。
強化されたせいか、甘ったるい香りに仄かに香るのは汗の匂いまでも感じ取れる。
どれだけ姿が変わっても好意をもっていた相手が近づけば、緊張してしまう。
「動いてはダメですよ」
マルタは言葉こそ優しいがそこには魔力が込められ、アイゼンは直後に身体が石のようになってしまった。
「マ、マルタ?」
「大丈夫ですよ? ちゃんと魔法がかかったか、アイゼンにも確認してもらいたくて――」
マルタはそのまま黒い革っぽい質の手袋に包まれた手をアイゼンの身体へと近づけると――。
ピタッ。
そっと裸のアイゼンの乳首に触れた。
瞬間、くすぐったさとそれとは違う不思議な――でも悪くない感覚が身体に走った。
「フフ、感度良好ですね。乳首ってチ●コほどではないけど、感じやすい場所なので、こうして責められると」
コリコリコリコリ。
「うぅぁぁぁぁぁぁ!」
吐息がかかるほどの距離で聖女であるマルタが卑猥な言葉を囁かれると想像もしなかったギャップも相まって頭が痺れる。
「もう硬くなってきたんですか? とんだマゾ勇者ですね。アイゼンったら、幻滅です」
マルタの蔑む言葉が容赦なくアイゼンの心を抉るのに、悲しさではなく興奮が身体を駆け巡った。
好きな相手に蔑まれ、幻滅されているのにゾクゾクする。
コリコリコリコリ。
「んんんんん!」
「女の子みたいな声をあげて、気持ちいいんですか? アイゼンったら、とんだ変態ですね。フフ、このまま堕ちちゃいますか?」
先端を押し潰したり、回りを擽るように指先を動かしたり、先端を摘まんだり――。
様々な刺激が魔法で何倍にも強化され、アイゼンの身体を襲う。
逃れたくて身体を捩ろうとするアイゼンだが、契約魔法のせいで、ビクビクと小刻みに身体を震わすことしかできない。
そんな抵抗したくてもできないアイゼンの態度はマルタの嗜虐心をますます燃え上がらせるのだった。
「フフ、逃げたいの? ねぇ? そんなに私に気持ちよくされるのが辛いの? そうよねぇ、負けたらまた魔法がかかっちゃうものねぇ? そうなったら、元に戻れるのかわからないしねぇ? もう一生魔王様の奴隷になるかもしれないからねぇ? アハハ!」
聖女とは真逆のサディストの様な表情になったマルタは乱暴な口調と哄笑をあげてアイゼンをなぶる。
コリコリコリコリ、グリグリグリグリ、ギュゥゥゥゥゥ!
「あぁぁぁぁぁ!」
強烈なまでの刺激は快感、苦痛、屈辱、羞恥など様々な感情と感覚を頭のなかでごちゃまぜにし、アイゼンを狂わせていくのだった。
「フフ、まだまだこんなの序の口ですよ? アイゼン、貴方ももう這い上がれない地獄におとしてあげますからね?」
涙と涎をながして狂うアイゼンをいとおしそうに責めながら、マルタは耳元で甘く囁くのだった。
マルタが治癒魔法を使えるのは幼い頃だった。
はじめは虫や小さな動物、果ては小さな魔物までも癒していた。
それを見た教会の関係者が彼女を聖女と持て囃し担ぎ上げた。
マルタの本性など知ることもなく。
その肩書きに見合った力も持っていたマルタを聖女として疑う者などいなかった。
そして、彼女は本物の聖女としての証が発現し、名実ともに聖女となったのだが――。
(あぁぁぁぁ! 久しぶりです! こんな無抵抗の相手をいたぶるなんて!)
魔王軍、魔王の僕として新たに闇神官となったマルタは己の封じていた欲望と本性を顕にしていた。
そう……マルタは生まれながらのサディストであり、蹂躙者だった。
あの幼き日のこと、感覚と感触は忘れることなく胸に残っていた。
◆
マルタは幼少の頃、虫を殺すのが大好きだった。
教会の裏は森が近くて、虫など毎日嫌でも見かけた。
小さいときからマルタは自分が特別だとわかっていた。
癒しの魔力。
それを発現させたのが、このいつもの日課の時だったからだ。
足元でただひたすら餌を運ぶ蟻の行軍。
自重の何倍もの重さをもつ餌を運ぶ力持ち。
しかし、マルタにとってそんな能力は意味もなかった。
むしろ、毎日毎日餌を置いておけば、同じルートで来る蟻達を憐れんでいた。
自ら群れで断頭台に向かう小さな虫けら達と――。
「バイバイ~♪」
口の端をわずかに上げて呟くマルタは、せっせと餌を運ぶ蟻の群れめがけて足をゆっくりと落としていく。
地面を踏むようにまったく抵抗なく、足が地面に接した。
プチプチプチ、と音がしたようなしなかった様な気がしたが、マルタにとってはどうでもよかった。
一匹でも生き残りがいたら寂しいよね、と微笑みながら足首を左右に動かし、丹念に捻り、踏みにじる。
グリグリ……グリグリ……グリグリ……。
「…………」
足をあげると、茶色の地面に黒い染みと小さな黒い粒がいくつもできている。
マルタの足に踏まれ、なすすべもなく圧殺された蟻達の成れの果て。
無惨な残骸だった。
これが蟻の死骸だと気づく者など誰もいないだろう。
「クスクス……仲間がいっぱい死んじゃって困ったね~」
先頭を失い、そのあたりで右往左往する蟻を見下ろしながら、再び足をあげた。
「フフ、バ~カ♪」
マルタは愉悦に口を歪めながら、再び足を踏み降ろす。
一切の慈悲も躊躇いもなくあるのは輝かんばかりの無邪気な笑顔。
だが、足元ではその笑顔とはかけ離れた残酷な処刑が行われていた。
マルタの足で幾つもの命が潰されていく。その気持ちひとつで彼らの命は弄ばれる。
圧倒的な強者と弱者。
マルタにはそれがはっきりとわかり、とても気分がよかった。
そして、蟻だけがマルタの嗜虐心の対象ではない。
「フフ、綺麗な羽ね」
マルタは花壇に誘われた蝶や蝉などを捕らえ、その自由に空を舞うための羽を一つ一つ丹念に毟っていく。
そして、ただ地面を這うことしかできなくなった虫けらを地面にそっと逃がしてあげるのだ。
あたかも、猫が捉えた獲物で遊ぶように。
美しく空を舞うための羽をもがれ、退化した足で地面を弱々しく這う蝶々や蝉にマルタはゆっくりと足を乗せていく。
もし虫に心があるなら、その最期はどんな気持ちなのだろうと想像し、惨めな虫けらと自分の姿を比べ、微笑んでいた。
そして、マルタは黒いエナメルを塗った子供の靴で悠然と踏み潰す。
プチッ、バチュ!
という小さな音を立てて、彼等は息絶える。
足の裏に伝わる感触は一瞬だが、それでも命を足一つ、気分一つで奪った優越感が心地よい感覚としてマルタの心を駆け抜けるのを忘れられなかった。
「ねぇ、もう終わり? つまらない……」
さらにマルタはグリグリと執拗に踏み躙り続ける。
もっと感触を味わいたくて……。
もっと汚してやりたくて……。
踏みにじった地面を見ると、私は奇妙な満足感を感じていた。
足の下で無惨に潰され、体液と土が混ざりあい毒々しく汚らわしい汚れとなった蝶々や蝉。
「うわっ……汚いわね!」
ぺっ!
マルタは靴底のそれをこそぎおとし、毒々しい汚れへ唾を吐きかける。
聖職者の住まう場所で行われる背徳行為。
しかし、それを咎めるものはいなかったし、気づくものもいなかった。
庭にいた美しい蝶々や働き者の蟻や他の虫はマルタにとって、ただの玩具でしかなかった。
嗜虐的な欲望を満たすための生け贄は、毎日マルタの足の下で無惨に踏み潰されていった。
それだけではない。マルタは野良犬などを捕まえては、玩具にして遊んでいた。
「ほらほらほら~。踏ん張らないと折れちゃうよ」
キャン! キャン!
鎖と猿轡で動けなくした子犬の細い脚を爪先で幾度も踏みにじり、体重をかけていく。
マルタの重みに耐えられなくなった前足は小枝のようにあっさりと折れた。
パキィ!
「きぁいんきゃいん!」
「あ~あ、折れちゃったね。でも、大丈夫だよ。治してあげるから」
マルタは微笑みながら自分が踏みおった子犬の足に治癒をかけた。
勿論、慈悲ではない。
折れた足が治ればまた折れる。
あの感触をまた味わえる。
そして、それはマルタにとってはとても楽しかった。なにしろ、虫よりも苦しむ様子がよく見えたから。
マルタが飽きるまで哀れな野良犬は手足を折られ、癒されら痙攣するまで蹴られ、癒され、気絶しても癒され、何度何度も狂うまで踏み潰されたのだった。
それから十年以上が立ち、あの甘美で残酷な快感はマルタの成長と共に心の中に封印され、忘却されていた。
聖女となったマルタは一挙一動が注目されるせいで、とても幼いような行動はとれなかった。
だが、今ここにそんな目は存在しない。
そして、今、マルタの前には極上のオモチャがいた。
「………………」
マルタは無意識の内に唇を舐め、ニィ、と目を細めるのだった。
異無
2021-08-30 12:57:49 +0000 UTCカボチャ紳士
2021-08-30 11:21:01 +0000 UTC異無
2021-08-29 01:06:01 +0000 UTCイナイナ
2021-08-28 22:40:17 +0000 UTC