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【Tips / Ableton Live】無理やりショートカットキーを割り当てる方法

 先日ショートカットについて記事を書いておいてなんですが、Ableton Liveはショートカット設定の融通が効かないことで (私の中で) 有名です。


 普通の方法ではキーボードショートカットを設定できない操作に無理やりショートカットキーを登録する方法をご紹介します。冗長な記事のわりに設定自体はかんたんです。


先日のショートカット紹介記事はこちらです↓

【Ableton Live】よく使うキーボードショートカット

明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願い申し上げます。 1月は制作スケジュールが少し詰まっており、FANBOXは空き時間にこつこつ書き溜められるテキストベースの記事が多くなりそうな見込みです...! ■■■ 早速今回は、リクエストいただいた制作で頻繁に使うAbleton Liveのキーボードショートカット (以下...

https://tekitoudog.fanbox.cc/posts/9148986


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※ここではMac環境で有料のサードパーティ製のソフトウェアを使用しますが、フリーウェアで類似した機能を持つものをいくつか確認しているので、そちらでも実現できる可能性があります (未検証です)


追記 (2025/01/24) :

Windows環境にてAutoHotKeyというフリーのソフトウェアを使用して、同様の機能を実装できたとの情報をいただきました。Windows環境の方はぜひお試しください!

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■Ableton Liveにおけるショートカットについて

 Liveには、ショートカットを割り当てることができない操作が一部存在します。


 あらためて、キーボードショートカットとは、特定の操作をマウスを使用することなく「キーボードのキーを押下して実行する」機能です。たとえばLiveには、

・Cmd + SHIFT + M → 「クリップの作成」

・Cmd + T → 「オーディオトラックの作成」

といったものがあらかじめ用意されています。

 ショートカット自体の詳細な解説はここでは割愛しますが、この機能を駆使することで、マウスをのみを動かして同様の操作を実行するよりも圧倒的に素早くDAWを操作することが可能です。


 Liveには、大きく分けて以下の2種類のショートカット機能があらかじめ用意されています。


① デフォルトでキーが割り当てられているもの

(元々ショートカットが用意されているものは、メニューバーや右クリックメニュー内の項目の右側、左下のインフォビューなどにショートカットキーが記載されています)


② 画面上のボタンなどに自由にキーを割り当てることができるもの (キーマッピング機能とMIDIマッピング機能)

(「Cmd+K」でキーマッピング、「Cmd+M」でMIDIマッピングの設定画面を開くことができます。設定したプロジェクト内でのみ有効です。すべてのプロジェクトで同じキーマップを使用したいときは、デフォルトセット (テンプレート) に保存することで以降の新規プロジェクトに反映されるようになります。)


 他の多くのDAWでは①の割り当てを任意のキーに変更することができますが、Liveではできません。また、一見その代わりとなり得そうな②のキーマッピング機能についても、一部の操作は割り当て先として選択することができません。このあたりの理由により、個人的にLiveは他のDAWと比べてショートカットキーのカスタマイズ性が低いと感じています。


 今回は、①のデフォルトの割り当てがなく、かつ②で後から割り当てることもできない残念な一部の操作に、少し強引な方法でショートカットを割り当てる方法を模索したお話です。


■割り当てたかった機能

 具体的にショートカットを割り当てたかったのは、ピアノロール画面を開いたときに左側に現れるノート編集用のツールたちです。特に、

x2 (ノートの長さを倍にする)

/2 (ノートの長さを半分にする)

legato (次のノートまで伸ばす)

といった機能を個人的に打ち込みの際に頻繁に使っていて、使うたびにもどかしく思っていました。

 試しに、「Cmd + K」でキーマップの割り当てを試みるとわかるのですが、割り当て先として選択可能な場合に表示されるハイライトがなく、キーを設定することができません。




-----ここから本編です-----

■方法

 Keyboard Maestroという有料のソフトウェアを使用します。


 これはいわゆるマクロアプリ(?)で、あらかじめ一連の操作を登録しておいて、トリガーとなるホットキーを押すことで、それらの操作を自動的に実行することができます。


 具体的に実装したい内容を整理すると、以下のようになりました。

 ①マウスの現在位置を記録しておく (あとで戻したい)

 ②目的のボタン (今回は例として[/2]ボタン ) を画面内から探し (画像認識し)、クリックする

 ③マウスを最初の位置に戻す

となります。


というか後から気づいたのですが、①と③は親切機能で難しいことを考えずにかんたんに実装できるようになっていたので、今回は主に②を設定していきます。(知らずに変数を使用したややこしい方法でがんばっていました)


また、②は座標を指定する方法でも実装可能ですが、この方法ではウインドウの位置やサイズを変更するとうまく動作しない可能性があるので、今回は画像認識を使用した方法で実装しました。ピアノロールの位置やサイズが変更できないのはそれはそれで不便なので...


■マクロの作り方

 前述の内容を実装するための具体的な手順を解説します。ここでは、例として「/2」ボタンをクリックするためのマクロを作成します。



①マクロの作成

・赤色の丸部分をクリックして新規マクロを作成する

 →置き場所はどこでも大丈夫です。左のグループ欄にデフォルトで用意されているグループ (フォルダ) から選ぶことも、黄色の丸部分をクリックして新しくグループを作成することもできます。(私はLive用に新たにグループを作成しました)


・分かりやすいように適当に名前を設定しておきます。



②ホットキーの設定

・赤色の「New Trigger」をクリック

・ドロップダウンメニューから「Hot Key Trigger」を選択

・設定したいホットキーを押下する

 →アプリにデフォルトで設定されている他のショートカットとかぶると何かと問題が起こるので、被りづらい組み合わせキーに設定します。



③画像認識するためのボタンの画像ファイルの作成

・Liveのウィンドウのスクリーンショットを撮影し、クリックしたい場所を切り抜いて保存する

こんな感じになります↑



④「画像認識→クリック」のアクションの追加と設定

・「New Action」をクリックして検索ウィンドウを開き、「Click at Found Image」を探す→ダブルクリックしてアクションを追加する


・「Image」欄に先ほど作成したスクリーンショットの切り抜きのファイルをドラッグ&ドロップ、黄色部分 (検知の精度) を適宜設定する (左にいくほど元の画像と正確に一致するもののみ検知するようになります)

 →このとき、「Display」の右側の選択肢で「対象が複数認識された場合」の動作を設定することができます。



⑤動作後にマウスポインターが元の位置に戻るように設定する

・アクションの右上の歯車アイコンをクリック→「Restore Mouse Location」をクリックしチェックが入った状態にする↓


 以上で完成です!②で設定したホットキーを押してみて正常に動作するかチェックします。


 被りを避けるために難解なホットキーに設定すると押すのが大変ですが、私はキーボードの特定のキーを押すと設定したホットキーが入力されるように、キーボード側のキーマップで設定しています。

 別の方法として、普段使わないキーがあればそれに設定するのが簡単かもしれません。 (人によりますが、例えば「Page Up / Down」や「Home」などの周辺のキーは文字入力作業をあまりしない人にとっては縁のないキーだったりするので、使っていなければこのあたりに設定するのもおすすめです)

 他には、Karabiner Elementsなどのキーバインドを書き換えることのできるアプリを使用して、外付けテンキー一台をKeyboard Maestro専用に書き換える、などの方法も良さそうです。



 Keyboard Maestroを使用した同様の方法で、これ以外にもお好みの操作にショートカットキーを設定することができます。


■注意点

 うまく動作しない原因になりそうなことをいくつかピックアップしました。


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・実行しても何も起こらない場合、画像認識に失敗している可能性があります。④のスライダー (黄色部分)複数検出されたときの挙動 を調整することでうまくいくかもしれません...!また、Displayにチェックを入れるとマクロを実行した際に認識した対象をハイライトして知らせてくれます。この機能を使用して意図した対象が正しく認識されているかチェックできます。

 →参考までに、上記のマクロでデスクトップでは画像認識に成功して、MacBook では失敗する、ということがありました。(原因は不明ですが、MacBookの疑似解像度あたりが悪さしている可能性がありそうです) その際は、認識精度のスライダーを少し甘め (1つ右) に設定し、複数検出されたときの挙動をTopmostやBottommostに設定して、意図するボタンをクリックできるよう微調整しました。


・マクロ最前段の「Triggered by any of following」のチェックが外れていると、ホットキーが機能しません。


・「画像を識別」してマウスクリックする機能を使用しているため、スクリーンショット撮影後にLiveの設定でUIの縮尺やテーマ (色など) を変更すると認識しなくなります。


・操作したいボタンが同一の画面上に表示されていない場合 (上の例でいうと、ピアノロール画面を閉じていたり、ノート編集ツールのタブを閉じている場合など) は、このままではうまく機能しません。


・今回紹介した方法は「マウス操作を一瞬で行うマクロ」ですので、「画面上にボタンが無い」操作についてはこの方法で実装することができません。

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 Keyboard Maestroは非常に多機能なアプリですので、こういったケースにおいてもいくつか追加でアクションを設定したり、画面の状況を判断して分岐する機構を取り入れたりすることで、うまくいく場合もありそうです。


■おわり

 ものすごーく需要が限られそうな記事な気もしますが、今回ご紹介した内容以外にも、Keyboard Maestroはアイデア次第で様々な機能を実装できるとても便利な楽しいソフトです。ぜひいろいろ試してみてください!


(もっと簡単にできる方法があったらこっそり教えて下さい...)

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Comments

Windowsでの再現の情報ありがとうございます!とても勉強になります。Windows環境の方向けに記事中に追記させていただきました🙏

ていぬ

こんにちは、いつも面白い記事をありがとうございます。 Windowsユーザーですが、今回の記事を参考にして 同じ動作を再現できました(AutoHotkeyというツールを使いました) AutoHotkey自体は以前から使っていたのですが、 スクショしたボタンを画像認識させるという発想は初めてで、 とても参考になりました。 これからの更新も楽しみにしています!

hisa

コメントありがとうございます〜!Keyboard Maestroはこのためだけに買ったのですが、意外と応用がききそうでMac環境の方にはとてもおすすめできるアプリでした...!

ていぬ

これが先日おっしゃっていたAbleton Liveの不得手な部分ですね…! Keyboard Maestroを活用した方法は初めて知りましたが、今回の記事を通じて新たな知識を得ることができ、大変勉強になりました。画像を交えた具体的な手順に加え、注意点や失敗した場合のフォローアップまで細やかに解説されている点に、温かいお心遣いを感じます。本当にありがとうございました!

いぶき


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