とある学校、放課後の空き教室。
正確には、旧ボクシング部部室。もう誰も使っていないはずのリングの周りに数人の人影、そしてリングの真ん中には向き合って戦う二人の子供がいた。
~リングにて
わざと意識を飛ばさないように打ちつづけたせいで、相手の男子は鼻から酷く血を流している。目が腫れ、ろくに私も見えていないだろう。スタミナが切れ、腕も上がらないらしい。
当たり前だ、序盤から無鉄砲に突っ込み、大振りに拳を振り回していれば10分も闘えまい。
「それにしても体力無さすぎだけど、、、ね!」
大振りのアッパーが男子の顎を打ち上げた。普通こんなパンチは誰も喰らわないが、これだけダメージを与えれば面白いように決まる。私はいつもこのパターンで男子にとどめを刺す。
こうやって嬲り倒すのがたまらなく気持ちいいから。
汗と血が飛び散り、ぐっしょり濡れた身体がマットにバンと仰向けに倒れた。手応えからして意識は絶対に残っていない。私の勝ちだ。
「相撲で団地最強の元気君が!」
取り巻きの叫び声。
「よわ。シミになるから早くリングから降りてくれる?」
ただでさえ古く薄汚いリングマット。今までボコボコにしてきた男子の血と汗がひどく染みているのに、また汚れてしまう。
「元気くんはパンイチなのに、、卑怯だぞ!」
うるさい。
「いや、誰もブリーフ一枚で闘えなんて頼んでないし。文句あるならリング上がりなよ。今の試合でやっとエンジンかかってきたから。」
そう言うと取り巻きは明らかに挙動不審になる。誰も目を合わせようとしない。目の前で自分達のガキ大将が血祭りにされれば、これが男子の普通の反応だ。意気地なしったらありゃしない。
「このゴリラ女!」
捨て台詞をはいて取り巻きは教室を出ていった。元気とかいう男子の、重い体を引きずって。
「ダサ。」
「やー毎度毎度、えげつない倒し方するよね~レンは。」
みー子が声をかけてきた。みー子は私の友達。というか取り巻き。
「相撲か何か知らないけど、あいつ体力ないしトロすぎ。ただのサンドバッグだったね。」
物足りない。今日は外れだな。
ーーーーーー
私の家はボクシングジムをやっている。だから私も小さいころからボクシングを仕込まれてきた。続ければ強くなるもので私は強くなった。しかし、なかなか同年代で力を試す相手はいないものだ。
だから毎日放課後、私に挑戦したい男子を、この教室で待っている。
勝てたら好きにしてもいいなんて噂を流せば、アホな男子はたくさん寄ってくるものだ。
ーーーーーー
「あのー、、、」
教室の入り口から細い声が聞こえた。気づかなかった。見ると小等部くらいの男子がおどおどとした様子で突っ立ていた。
「どしたん!?迷子?」
みー子が気さくに声をかけた。まぁ、見た感じ私に挑戦するとかではなさそうだな。
「いや、、ボクシング強い女の子いるって聞いて、、試合したいなって思って来たんですけど、、、。」
嘘。びっくりした。
「えーー!いや、君いくつよ??絶対怪我するよ??」
男子がぼそぼそと年齢を言った。同じ年齢だ。
「まさかタメとは思わなかったわ。試合できるの?」
声をかけると自信なさそうに頷く。はっきりしないやつだ。
じっと男子を観察する。見たことがないから他校の男子だろう。同い年の割に背が低く、幼い顔立ちだ。クラスで一番小さいくらいだろう。身長差は10センチほど私が高い。見るからに運動は得意そうではない。
しかし顔はいい。中性的で、もう少し成長すればなかなかの男前になると思える顔立ちをしている。
嗜虐心がむくむくと湧き上がってきた。
「いいよ。やるからにはぶっ飛ばすけれど。私は準備できてるからすぐにやろうよ。みー子、着替えとか手伝ってあげて。」
更衣室で体操着に着替えてきた男子はみー子に赤グローブをはめてもらっている。傍から見ていて面白いほどおどおどしている。
女子慣れしていないな。童貞の癖によく私に試合を申し込んだものだ。
ニヤニヤしながら眺めていると、ひどく邪なことを思いついた。
「ねぇ、一つ言い忘れてたわ。」
「な、なに、、?」
「私と闘うなら、男子は絶対パンツ一枚で闘わないとなの。わり、言い忘れてたわ。」
みー子が呆れた顔をした。男子は予想通り、ひどく真っ赤になっておどおどしている。面白すぎるな。
「いや!男子だけって、、不公平じゃないか!そんなの絶対やだよ!」
む。まぁ童貞君ならそれが普通の反応だ。しかし思いついたら仕方ない。絶対にこいつを脱がしてやりたい。
よし。
「じゃあ、これならいいでしょ??」
「!!!」
目の前で汗に濡れたインナーとブラ、スカートを脱ぎ去った。
二人の息を吞む声が聞こえるようだ。男子はひどく狼狽え、目線がぐるぐると回る。
「はーー、あんたほんっと、そういう勢いまかせなところあるよね、、」
二人の反応がとても面白いが、私もすごく恥ずかしい。恥ずかしさを微塵も悟らせずに捲し立てた。
「女の子が脱いであげたのに、男が服を着てるなんて変だよねー??どうするの??脱ぐの?脱がないの?脱がないなら帰れば??」
男子は顔を真っ赤にして何も言わない。うぶな反応だ。どっちが女の子なのかわからないな。
私よりも先にみー子がしびれを切らした。
「もー!おどおどしないの!さっさと脱げ!」
男子のズボンを勢いよく下ろす。こいつも白ブリーフだ。にやけが止まらない。
「脱いだらさっさとリング上がりな。」
誰かが来る前にとっとと終わらせてしまおう。
みー子に剝かれ、パンツをグローブで隠した男子がロープをくぐりリングインしてきた。
「!」
正面から向き合って、ある異変に気付いた。
服越しじゃ気が付かなかった。この男子、、。
顔の幼さの割に筋肉質な、仕上がった身体をしている。驚いた。
運動下手だと思ったが、自分の考えが間違いだったことに気づく。これは闘い慣れた身体だ。こいつは何らかの格闘技経験者に違いない。
みー子は気づいていない。リングインした男子に手際よくワセリンを塗り、ルールを説明している。
「基本的にラウンドとかインターバルとかないから。ダウンしたらカウントは取る。でもそれ以外で私が試合を終わらせることはない。要は、KOするまでか、どちらかがギブアップするまで殴り合う感じ。わかりやすいでしょう?」
そういうと用意していたマウスピースを小さめの口に押し込む。
「レン、何考えてるか薄々分かるけど、いじめすぎて半殺しとかにすると、後でめんどいからね??」
みー子が近づいて耳打ちしてきた。
「あ、、
ああ!うん。そんな本気でやらないって。適当に出鼻挫いて終わりにするから。」
みー子に動揺を悟らせずにそう言ったが、おそらく手を抜いて勝てる相手ではない。
しかし、よく考えればこんな面白い試合はないだろう。
なよなよした男子を屠るのも飽きてきていたことだし。そろそろ本気でボクシングしたかったところだ。
そう思うと全身の血が沸き、興奮が身体のエンジンをかける。
「じゃ、試合開始ね。」
かーん!とみー子が口で言う。試合が始まった。
男子が顔を赤らめながらも両手の赤グローブを差し出してきた。
あいさつもしっかりしていることから、ボクシング経験者である可能性が一番高いと感じた。最高に面白い。
グローブを強く叩きかえす。ボスッとスポンジ同士が柔らかくぶつかる音がした。
」
」
」
」
」
」
話長くてすみません。
最近なぜかミックスボクシングにはまってよく書いてました。
そんな長く続けないつもりですが、、
展開はいつもみたいな感じなので!
差分↓
darthmaul710
2021-09-17 10:20:30 +0000 UTCmido
2021-09-05 15:51:34 +0000 UTCtarupo789
2021-09-05 12:18:46 +0000 UTCtarupo789
2021-09-05 12:18:31 +0000 UTCHeaven's Pass
2021-09-04 15:55:48 +0000 UTCオテモト3
2021-09-04 13:43:35 +0000 UTCMuryoken
2021-09-03 18:14:49 +0000 UTC