NokiMo
jugatsu-usagi
jugatsu-usagi

fanbox


連載小説「ベビーステイ」(17)

  (17)  改めて下半身を綺麗に拭いてもらった後、アキラは再び詩奈におむつを穿かされる。 「どう、キララちゃん? ぐっしょりと濡れたおむつに比べて、新しいおむつはサラサラで、ふかふかで、気持ちいいでしょ?」 「う、うん、気持ちいい……」  答えながらも、不安に視線を左右させる。  いまいるリビングに、静の姿はない。アキラと詩奈の二人きりで、他の家族の姿もなかった。 「両親は祖父の世話をするために実家にいるから、いまは私一人なの。ちゃんとしたおもてなしが出来なくて悪いけど、ゆっくりしていてね。キララちゃんにぴったりの、可愛いお洋服を持ってきてあげるから」 (いったい、どんな服を着せられるんだ――)  嫌な予感しかせず、おむつ丸出しの姿で待っていると、 「お待たせ、キララちゃん! どれにしようか悩んじゃった」  満面の笑みを浮かべた静が、リビングに戻って来た。不安に表情をこわばらせるアキラの前で、その腕に持っていた服を広げて見せる。 「わぁ、可愛い!」  はしゃいだ声をあげたのは、詩奈だった。そしてアキラに同意を求めるように、 「ね、キララちゃん。とっても可愛いよね? 可愛いお洋服が大好きなキララちゃんは、あのお洋服、着てみたいよね?」 「う、うん……」  ゴクリと喉を鳴らして、アキラは精いっぱい女児らしい声を出して答える。 「そのお洋服、とっても、可愛い……キ、キララ、その服、着てみたい……」  じっさい、静が持ってきた服が可愛いのは嘘ではなかった。  淡いピンクのワンピースにフリルエプロンを重ねた、いわゆるエプロンドレス。ワンピースは大きな丸襟や、パフスリーブの袖口、裾についたフリルなど、それだけでもじゅうぶん可愛らしいデザインだが、胴体部分がやや寂しい。特にサイスが大きくなると、デザインが間延びしがちである。  しかしエプロンを重ねたことで、アリスのような可愛らしさが生まれる。肩回りや半月型の前掛けの縁についたフリルのおかげでボリュームも出て、さらに胸元にはリボン通しに縁どられたハートが いいアクセントになっている。 「ふふっ、気に入ってもらえてよかったわ。じゃあそのブラウスも脱いで――ニーソックスはぴったり合いそうだからそのままでもいいわ」 「う、うんっ……」  男子高校生のオレが、女子小学生みたいなアリス風エプロンドレスを着るなんて――そんな言葉をぐっと飲みこんで、アキラはおとなしくブラウスを脱ごうとする。  しかし、 「ふふっ、せっかくだからお姉さんが脱がせてあげる。キララちゃんは両手を横において、じっとしててちょうだい」  詩奈がお姉さんのようなことを言って、アキラのブラウスのボタンを外し始めた。 「うっ……うん、ありがとう、詩奈お姉ちゃん……」  恥ずかしさが湧き上がるが、既におむつ姿や、おもらししているところまで見られてしまっている。相手が女子小学生の従妹であると判っていても、まるで本当に彼女の妹になってしまったかのように逆らえなくなっていた。  大人しく両手を下ろして、詩奈にボタンを外してもらうに任せる。やがて脱がされたところへ、 「さ、まずはワンピースね」  しゃがんだ静の手には、エプロンを外されたワンピースが背中のファスナーを下ろされて、大きく内側を広げていた。  まるで生き物の口のような光景に、アキラは思わず鼻白む。 「ふふっ、さぁ、キララちゃん。お姉さんの方に両手を置いて、ワンピースの背中から足を入れてちょうだい」 「う……うん……」  アキラは喉を鳴らし、言われるがままに静の肩に手を置いて、ワンピースに足を通した。右、左と、まるで踏み込んではいけない場所に足を踏み入れるような緊張があった。 「次は袖に、腕を入れて。そしたら詩奈ちゃん、背中のファスナーを閉じてあげてちょうだいね」 「はーい!」  詩奈の元気な返事を聞きながら、アキラは両手を前に出し、パフスリーブに腕を通す。ふんわりとした見た目ながら、袖口の部分がしっかりしているため、意外なほどに存在感があった。さらに背中のファスナーを閉じられると、 「んっ……ぅ……!」  肩、胸周り、お腹周り――ぴったりとした締め付けに、思わず息が詰まり、喘ぐような声が出る。 「こ、これ、ちょっと小さいんじゃ……?」 「ええ。もともとは、詩奈ちゃんに着てもらおうと思って作ったものだもの。まぁ、詩奈ちゃんに断られちゃったんだけど」 「だって、さすがにちょっと子供っぽ過ぎるんだもの。あたし、もう3年生よ」 (子供っぽ過ぎるって……オレなんて、本当は高校3年生で、しかも男なのに――!)  当然のように言う詩奈の言葉に、アキラはいよいよいたたまれなくなる。思わずうつむくと、そこにはワンピースを着た自分の体があった。  大きな丸襟。ウエストの位置はかなり高く、ほぼアンダーバストのあたり。スカートはあちこちにタックが入っているため、パニエなしでも大きく広がっている。しかし着てみると、その裾はかなり短い。太ももの半ばに届かないくらいで、ちょうど穿いているニーソックスとの間に肌が露出し、いわゆる絶対領域が生まれていた。 「うわぁ……」  ぴったりとした上半身と、なにも着ていないかのように頼りない――しかし太ももに当たるスカートの裾や、ニーソックスの締め付けが主張する下半身。そのギャップに、アキラは握りこぶしを胸元でこすり合わせて身もだえした。 「ふふっ、ワンピースだけでも可愛いでしょ、キララちゃん?」 「う……うん! とっても可愛くて、キララ、嬉しい!」 「そう。気に入ってもらえてよかった」  静はにっこり笑って、残る一枚――たっぷりとフリルがついたエプロンをアキラに見せながら、 「じゃ、ふりふりエプロンもつけちゃいましょうね」 「う、うん……」  それだけでも恥ずかしいワンピースに、ふりふりエプロンのトッピング――さらなる羞恥の予感に、アキラは作り笑いを浮かべてうなずくのだった。   (続く) ※挿絵に英語版を追加しました。Vardei様、ありがとうございます!

連載小説「ベビーステイ」(17) 連載小説「ベビーステイ」(17) 連載小説「ベビーステイ」(17)

Comments

Got it, thanks.

Vardei

いつも翻訳ありがとうございます。「静」は「Shizu」ではなく「Shizuka」の読みなので、そのように変えさせていただきました。ご了承くださいませ。

十月兔

The clothes she got for Kirara-chan fit perfectly. Shizu had brought out a light pink dress with a frilly pinafore on top, a so-called pinafore dress. Isn't the dress alone cute, Kirara-chan? Y-yeah! It's very cute, Kirara-chan's so grateful! Glad you like it. Now then, let's get the frilly pinafore on you, shall we?

Vardei


Related Creators