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連載小説「通販カタログから」(35)(最終回)

  (35) 「ママ、ただいまー!」 「お帰り、裕ちゃん」  午後5時のチャイムが鳴り、遊びから帰ってきたぼくをママが迎える。 「お姉ちゃんたちと遊ぶの、楽しかった?」 「とっても楽しかった! あのね、今日は入学式のこと、こうした方が良いよって教えてもらったの! あと、お友達と仲良くなる方法とか!」 「ふふっ、よかったわね。明日の入学式も、これで安心ね」 「うん!」  ぼくが笑顔で言うと、ママもにっこりうなずいてから、 「そうそう、カタログ来たから、手洗いうがいと着替えをしたら、下りてらっしゃい」 「はーい!」  元気よく返事をして二階に上がり、洗面所で手洗いとうがいを済ませて、自分の部屋に入る。 パステルピンクを基調にした女児向け勉強机、花柄のカーテン、ギンガムチェックのカバーがかかったベッド、化粧品やアクセサリーの並ぶドレッサーに、女児服がたくさん入ったクローゼット。とても中学を卒業した男子の部屋とは思えない「女児部屋」だ。  遊びに出かけた時に着ていた襟付きのピンクの長袖Tシャツと、真っ赤なサロペットスカート――まるで昭和のような女児服のセットを脱いで下着姿になる。今日はこの格好で、近所の公園で遊んできたんだ。ブランコ、ジャングルジム、鉄棒――大きな胸が揺れるのと、短いスカートからパンツが見えているので、近くで遊んでいる男の子たちがチラチラ見ているのが分かって恥ずかしかったけど、それもまたちょっと楽しかった。  ともかく下着姿になった後、最初の頃に買ってもらった丸襟ブラウスと吊りスカート、イートンジャケットの女子小学生セットに着替える。あのころと比べて身長はあまり変わっていないけど、胸周りは格段にきつくなってて、自分の胸に鎮座するHカップのおっぱいを実感する。ちなみにショーツは女児用だけど、ブラジャーは大人用だ。Hカップのジュニアブラなんてないからね。  着替え終わったところで、プリーツスカートの裾と、ずっしり重い胸を揺らしながら、階段を降りてリビングへ。ダイニングテーブルについているママの隣に座って横から手元を覗くと、水着を着た女の子の表紙がついたカタログだった。 「それ、夏物のカタログ? もう来たんだ」 「ええ。ついでに、春物カタログも見直しましょうね」 「うんっ!」  今は季節的に春だけど、カタログは四半期ほど早く届く。つまり今――入学式を目前に控えた4月初めは、夏物カタログが来る時期なんだ。 「せっかく小学生になったんだもの。今年は遠慮なく、可愛いお洋服を楽しみましょうね」 「うんっ! 水着も、浴衣も――去年より、いっぱい着たいな」  去年まではこっそり「買って着せられる妄想」をするだけだった、女児服の通販カタログ。けれど今は、何の気兼ねもなく着ることを考えられる――まぁ、入学スーツのように特定の商品はサイズに限りがあるし、ベビー服なんかはもちろん着られない。Hカップまで育ったおっぱいのせいで、特にブラウスなんかはかなりきつくなっちゃうんだけど、それでも大半の商品は堂々と着ることができる。 「このピンクのふりふりチュニックなんてどうかしら? ショーパンと合わせたり、何ならそのまま着てもいいんじゃない?」 「う、うん。あっ、こっちのブラウスも可愛い! ふりふりで、アイドルみたい!」 「ふふっ、いいわね。ちょうど165センチまであるし――こっちの水着もいいんじゃない? ピンクのギンガムチェックにイチゴ柄。裕ちゃん、こういうの好きでしょ?」 「うんっ! 裕、イチゴ柄だーいすき!」  ぼくは精いっぱい、女の子らしい声で答える。  もちろん心まで女の子になってしまったわけではない。女子小学生になるにあたっての演技なんだけど――これはこれで恥ずかしいんだ。何しろ体は15歳、しかも巨乳だから、女子小学生らしく振舞えば振舞うほど違和感がある。でも、女子小学生として入学させてもらえたんだから、ちゃんと小学一年生らしくしないとね。 「ふふっ……でも、どうせだったら通販じゃなくて、前みたいにちゃんとしたお店で選ぶ? 可愛い服がたくさんあるし、その場で試着もできるわよ?」 「う、うんっ! お買い物にも、連れて行って欲しいけど……」  確かに外のお店で選ぶのも、恥ずかしくて楽しい。体は――特に今は胸も大きいのに、小学一年生として幼いデザインの服を選ぶのを想像しただけで、すでに勃起しないはずのペニスが疼くような気分になる。  だけど、やっぱり―― 「裕、こういうふうに通販カタログで選ぶのも、やっぱり好きかな」  原初体験、とでもいうんだろうか。本当に女子小学生になるどころか、女装することさえ遠いあこがれだったあの時の胸の高鳴りは、通販カタログを見ながらじゃないと得られない。  そんなぼくの気持ちを察したのか、 「ふふっ、わかったわ。じゃあ、お出かけとは別に、これからも通販カタログで選びましょうね」 「うんっ! ありがとう、ママ!」  通販カタログから始まった、ぼくの女児女装生活――たとえ堂々と外でお洋服を選べるようになったとしても、これからも、この楽しみは忘れられそうにない。  これからもずっと、通販カタログで女児服を見る楽しみが続きますように――そう願いながら、ぼくは可愛い水着や浴衣ドレス、夏物の女児服を、ママと一緒に選び始めたのだった。   (おしまい)

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Comments

めでたしめでたし…裕一くんが最高のハッピーエンドを迎えられてよかったです!

十月兔

ありがとうございます~! 皆さんの応援で無事に物語が完結し、まるで花が咲くように、裕一くんは可愛い女の子になれました。ぜひたくさん愛でてあげてください!

十月兔

完結おめでとうございます! 男の子から憧れの女児への変貌で「可愛いらしい」存在になれた裕ちゃんがたまらなく愛おしいですね!

本当めでたしめでたしですね🥰🥰 おめでとうございます祐ちゃん😊


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