「変態女装子メイカー」(4)
Added 2021-04-03 02:40:25 +0000 UTC命令1.変態女装子マミはランジェリー姿で一日を過ごす (4) 命令なんだから…… ――昼食後。 「あ、危なかった……」 部屋に戻って再びアプリの内容を確認していたマミは、命綱を付けずに綱渡りをしていたことにあとから気付いた曲芸師のような心境でつぶやいた。 理由は、アプリの服装指示に関する項目である。 「別途指示がある場合を除き、アプリで指示された服装から着替えたり、重ね着したりしてはならない(入浴時を除く)。着替えたり重ね着したりした場合、命令違反と同様のペナルティとなる」 「もしよく説明を読まずに着替えたり、上から何か着てたら、いきなりペナルティで上級モードにされるところだった……」 胸をなでおろすマミだったが、現状が好転したわけではない。 「つまり今日一日、ずっとこのランジェリー姿で過ごさないといけないのか……ずっと部屋にいればいいって言っても、やっぱり恥ずかしい……」 何しろ肩や太もも、お尻は丸出し。ランジェリーを着ている胸元や陰部にしても、生地が薄くて透けているため、ほとんど隠せていなかった。 「そ、そういえば、今日の『命令』は……?」 母親が来たり、アプリの説明を調べてたり、お昼を食べたりででちゃんと見ていなかった今日の「命令」。改めて「本日の結果」画面をスクロールすると、 「命令【鏡に向かい『変態女装子マミ』として自己紹介しなさい。年齢、職業、このアプリを始めた理由、オナニーの頻度、よく使用するオカズ、好きな服装は必ず言うこと。最後に鏡の前でオナニーし、イくこと。虚偽の内容を口にした場合はペナルティとする】」 「…………」 命令文は無機質だったが、かえって逆らうことのできない機械的なものを感じ取って、マミは背筋を寒くする。 「う、嘘の内容はペナルティ……こんなの、どうやって判定してるんだよ……でも、現実改変するようなアプリだし――」 万が一、嘘がばれてペナルティを食らったらと考えると恐ろしい。何しろ初級の初日で、いきなりベビードールを着せられてしまったのだ。いったいどんな服装、どんな命令が待っていることやら。 「年齢と、職業、アプリを始めた理由、お、オナニーの頻度に、オカズ、好きな服装……」 頭の中で答えを整理しつつ、マミは改めてクローゼットの扉を開き――その内側に歯られている鏡を見る。 前下がりボブカットのせいで、まるで女の子のような自分の姿。ベビードールを着ているものの、生地が薄すぎでほとんど体を隠す役には立っていない。乳首も、へそも、陰部までもが見えてしまっている。あしらわれたフリルとも相まって、まるで淡いピンクの靄を纏ったようで、全裸よりかえって淫らに見えるほどだった。 その姿を、見ていると―― 「はーっ、はーっ……」 小さなショーツの中で、今まで委縮していたものがむくむくと起き上がってくる。もともと変態女装の妄想でヌいていたのだ。ランジェリーを纏った自分の変態的な姿を実際に見て、勃起しないわけがなかった。 「あ、あ……!」 たちまち最大サイズまで怒張して、ショーツの中から飛び出した己が息子に、マミは羞恥の呻きを発する。しかもその浅ましい光景は、ますます彼の興奮をみなぎらせる原動力になってしまい、ついには内側の膨張に耐えきれなくなった包皮が剥けて、赤黒い先端が露出した。 「う……自己紹介の最後にオナニーしなくちゃいけないから、ちょうどいいって言えば、ちょうどいいんだけど……でも、やっぱり恥ずかしすぎる……!」 淡いピンクのふりふりベビードール、その股間から猛々しい男性器が屹立している光景は、まさに「変態女装子」だ。 「これが……変態女装子メイカーか……!」 アプリのタイトルが一切の嘘偽りもなかったことを今さらながらに理解して、マミは唇をかみしめる。 しかしやめるためには、このアプリを一か月間続けるよりほかになく―― 「オレ――じゃなくて……」 一人称に迷うマミ。しかしすぐ、先ほどの母親の言葉を思い出す。 (「オレは~」じゃなくて、「変態女装子マミは~」って言わなきゃダメじゃない) 「ま、マミの、名前は、変態女装子、マミ、です。年は15歳で、職業は、こ、この春から、高校、1年生です――」 己の痴態を映した鏡を見つめながら、マミは「自己紹介」を始める。 「へ、変態女装子、マミが、アプリを始めた理由は、暇つぶしに見つけて――へ、変態的な女装に、興味があったから、どんな命令があるかを見て、お、オカズにしようと、思ったから、です……」 嘘をつけばペナルティ。その一文が恐ろしく、マミは正直に答える。 「変態女装子、マミの、オナニーの頻度は、一日一回から、二回くらいです。お、オカズは――は、マミが、破廉恥な女装をさせられて、外に連れ出されたり、学校に通わされたりして、たくさんの人に見られるのを、想像すること、です。グラビアとか、コスプレサイトを見て、その服を着せられるのを想像するのも、よくやります」 口にしてみると、自分でも変態的な行為だと再確認する。勃起はますますみなぎって、いまにも爆発しそうな痛みを発していた。 そして昂奮はマミの理性をさらに狂わせて―― 「好きな服は、学生服とか、メイド服とか、短いスカートでパンチラしたり、ノーパンで、おちんちんが見えちゃうような格好、です……あとは逆に、ブルマーとか、スク水とか、バニースーツの、股間にぴったり張り付いて、おちんちんのラインが浮かんじゃってるような格好も、大好きです……そんな格好でたくさんの人の前を歩くことを考えると、おちんちんが疼いて、止まらなくなっちゃいます……」 とても正気とは思えない口走るマミ。しかし彼の心の片隅で、理性が疑問符を発する。 (オレ、なにを口にしてるんだ……?) (確かにエロ妄想でオカズにするときに、考えてはいたけど……好きな服装を聞かれて、ここまで答えることはないのに……) しかしそんな思考も、すぐに劣情の波に押し流されて、 (い、いや、しょうじきに応えないとペナルティって言われてるから、仕方ないんだ……) 「じゃ、じゃあ――」 自己紹介の掉尾を飾る指示を思い出し、マミは緊張に喉を鳴らす。 もはや玉袋だけが残されたショーツから、仰角にそびえたつ肉柱をつかむと、 「変態女装子マミ、こ、これから、お、オナニー、します……!」 (続く)