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SS「着替えのルール」(2)

  (2)  妹のショーツを両足に通し、足首からふくらはぎ、ひざ、太ももへと引き上げてゆく。いまだに妹の体温が残るショーツに触れた皮膚が、火傷したかと思うほどに熱を発した。  そして、ついにはぼくの下半身をすっぽりと包んで―― 「あ、あ……!」  ついさっき妹が脱いだばかりの女児用ショーツに覆われた自分の股間を見下ろして、ぼくの口から、情けない呻きが漏れる。羞恥、屈辱、昂奮、背徳――あまりにも変態的な自分の行為に、嫌悪が昂奮を生み、昂奮が嫌悪を生む負の連鎖。  そのスパイラルによって高まった欲情は、まさにたった今そのショーツに包まれた部分に集中してしまい、 「う、くっ……!」  清楚な白のショーツに浮かび上がる、禍々しい雄のシルエット。  それは決して兄が妹に見せるべきではないモノだったが、当の千香は全裸のまま、いっそうサディスティックに笑って、 「くすくすっ、お兄ちゃんってば、チカのショーツを穿くといっつもおちんちんをおっきくしちゃうのね。ほんと、ヘンタイさんで困っちゃうわ」 「うぅ、ご、ごめん……」  ぼくは謝りながらも、さらに続いて、キャミソールに手を伸ばす。これまたほのかに温もりが残る柔らかな肌着を、フロントリボンで前後を確認してから、思い切ってかぶる。 「んぅ……」  とたんに、顔にぴったりと密着するコットン生地。体温と、しみ込んだ汗の湿り気が顔をこする。息を止めていても、微かに鼻腔に入ってくる匂いだけでも強烈で、すぐに顔を出したくなるが、 「今日は体育があって、いっぱい汗をかいたんだ。だからお兄ちゃん――チカの匂い、いっぱい味わってちょうだいね?」 「は、はい……っ」  妹の言葉に、ぼくは思い切って息を吸い込んだ。 「うっ……!」  とたんに、濃密な汗の匂いを含んだ体臭が鼻腔から気道、肺腑を満たした。汗が雑菌によって分解されつつある、ともすれば悪臭に近い匂いに鼻白みながらも、しかし股間はいっそう滾ってしまう。まるでメスの匂いをかぎ取って、盛りのついた雄の獣だった。  妹の匂いに嗅覚を蹂躙されながら、ぼくはなんとか腕を出し、水面から浮上するかのように顔を出した。 「はっ、はっ……!」  大きく息をついて、肺にたまった空気を入れ替える。しかし鼻腔には、いまだに妹の体臭がこびりついたままだった。  そして上半身に密着する、キャミソールの質感。柔らかな肌触りは、男子用のランニングやシャツとは比べ物にならないほど心地よかったが、かえって男女差を痛感して、恥ずかしさがこみあげてくる。なにより、いまだ残っていた妹の体温と体臭が、胴体から股間、お尻までを包み込んでいるのは、くすぐられているかのようなこそばゆさがあった。  いつの間にかぼくのペニスは、ショーツの中でガチガチに硬くなっていた。水平どころか仰角を向いて、下腹部から浮いてしまっているウエストゴムの間から、いまにも飛び出しそうなほどだ。普段は皮をかぶっている敏感な部分さえ、熟れた果実のように赤く露わになっていて、ショーツにこすれた刺激で思わずビクンと体をくねらせると、 「くすっ、くすくすっ……チカのパンツとキャミソールを着たお兄ちゃん、すっごく可愛い……!」  妹はいっそう愉しそうに唇の両端を吊り上げ、目を潤ませる。 「うぅ……は、恥ずかしい、のに……」 「でも、気持ちいいんでしょ? おちんちんをそんなにおっきくしちゃうくらい」 「う……うんっ……」 「だったら遠慮しないで、どんどん着てちょうだい。次はソックスね」  刺繍入りの、白のハイソックス。これこそ男子用とほとんど変わらないはずなのに、妹が一日履いていた、女子用のソックスというだけで、いっそうドキドキが止まらなくなってしまう。 「くすくすっ……そうそう、あたしの体温が残ってるうちに着てちょうだいね。お兄ちゃんが初めてあたしの制服を着た、あの日みたいに」 「…………」  妹の嘲笑を聞きながら、ぼくは唇を噛んでブラウスを広げる。口の部分にフリルのついた袖に腕を通して羽織りながら、思い出すのは「あの日」のこと――   (続く)


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