「思い出のワンピース」 7.町内で一番お姫様(4) どっ、 おもらしのように腰の奥から溢れ出した体液が、尿道を通ってショーツを濡らした。ひとたび決壊した劣情の波は止まることなく、小波のような痙攣とともに漏出し続ける。 「……っ!」 博希の表情が、苦悶に歪む。 いつものように射精の快楽に浸ることも許されず、ただただ周りにバレないよう、声をこらえる他にない。吸水性のないサテンショーツの内側で、陰部はべったりと精液にまみれていった。 ほんの数秒ほどで射精も止まり、勃起もおさまったが――強烈な射精の反動に、博希は大きく息をつく。 「はっ、はぁっ……」 「博希くん、どうしたのかな?」 「う……だ、大丈夫、です……」 心配そうに尋ねる橋本に、博希は誤魔化すように首を振って、再び笑顔を作る。 しかし、 (もう……限界、かな……) 続行される写真撮影に応じつつ、博希は心の中である決意を固めたのだった。 * 「――じゃあ、もう、終わりにするのね?」 「うん。このままだとぼく、ぜったい他の人に迷惑をかけることになっちゃうから」 写真撮影が終わった後、ワンピースに着替えて家に戻ってきた博希は、すぐにかつての少年の装いに戻り――母親に、女児服女装生活の終わりを宣言した。 「ちょうど夏休みも終わるし、いい機会かなって」 「そう……せっかくこれからもいろいろ着せてあげようと思ってたのに、残念だわ」 「ごめんね。これからは、ランちゃんたちに……」 気落ちする母親に、申し訳なく思いながらも告げる博希。 母親の頼みを断るのは心苦しかったが、それ以上に、人前でさえ勃起し、射精するようになってしまった以上、女児服女装は続けられない。 愛那も残念そうに、 「何も全面的にやめなくても。せめて家の中でくらい、いいんじゃない?」 「そうやってると、なし崩しに広がっていくからさ。もうこれから受験なんだし、すっぱり諦めて、勉強に集中したほうがいいと思うんだ」 「うっ、正論を……息抜きに楽しんでもいいと思うんだけど」 「とにかく、もう決めたことだから――服は、処分しておいてちょうだい」 「……ええ、わかったわ」 うなずく母親に、博希は夏休みが始まる前と同じ笑顔を浮かべた。 (続く)