「思い出のワンピース」 2.幼馴染は見た(4) 「わぁっ、すごい……可愛いジャンパースカートの下で、そんなに勃起してたなんて……!」 改めて目の当たりにしたその様子を解説するように呟きながら、愛那は撮影を続ける。 浴びせられる言葉とフラッシュに、博希はますますいたたまれない。なのに怒張は、我慢できないほどに膨れ上がってゆく。 「だ、だめ、もうっ……!」 いまだかつて経験したことのない苦しさに、博希は思わず片手で股間を押さえ――図らずもそれが最後の一押しになってしまう ショーツの中で押さえつけられたモノが激しく痙攣を始め、陰嚢がすくみ上る感覚に、博希は破局の時を悟る。 「あ……だ、ダメ、出る……出ちゃうっ……見ないで、見ないでっ……!」 「見せて! ヒロの恥ずかしい姿、全部、あたしに――!」 ふたりの相反する声が交錯するなか、博希は腰の奥から一気に精液を噴き上げて、ショーツの中に吐き出していた。 びゅくっ、びゅくっ―― カシャッ、カシャッ―― 視界が眩み、ブラックアウトしそうになるほどの快感。 「あ、あ――」 甲高い、よがり声。身の内に湧き上がる快楽にあらがえず、絶頂に達するときに漏れ出す甘い喘ぎ。 博希は最初、それは自分の声だけかと思っていた。しかしすぐに、愛那も自分と同じようにであることに気づいて、これまでとは違った驚きに満たされる。 「あ、愛那……?」 「あははっ、バレちゃった」 カメラをどけると、その下からかすかに赤らんだ顔が現れる。目はしっとりと潤み、息が荒いその様は――今の博希と同じ、欲情の名残。 「あたしもちょっと、イっちゃった。ヒロの姿を見てたらつい、ね。がっかりした?」 「う、ううん、そんなことはぜんぜん――っていうか、もとはぼくがこんな格好で、昂奮を我慢できなかったのがいけないんだし」 ずん、と自己嫌悪に落ち込む博希。 「くすっ、その辺はお互い様よ。あたしがスカートをめくれなんて言ったのが悪いんだから。さ、お母様にバレたら大変だから、急いで片づけましょ?」 「う、うん」 お互いに、絶頂の余韻に浸ってのんびりしている暇もない。 見下ろせば、可愛いガールズショーツは表面に白濁液が染み出している有様で、部屋全体にうっすらと青臭い匂いも漂っている。博希は下着を履き替えなおし、愛那は部屋に消臭スプレーを撒いて、証拠湮滅を図るのだった。 もっともそれは、あまり意味がなかったようで―― 「ふたりとも、おかえり。気持ちよかったかしら?」 片づけを済ませてリビングに下りていったとたん、開口一番そう出迎えられて、もともと赤かったふたりの顔が、さらに赤くなる。 「い、いちおう言っておくと、一線は越えてませんから!」 「ふふ、わかってるわよ、愛那ちゃん。で、いい写真は撮れたかしら?」 「はいっ、それはもう!」 満面の笑みで答える愛那に、博希はますます赤くなる。女装どころか、パンチラから下半身露出、果てはオナニーまで撮影されてしまったのだ。 「それで提案なんですけど、あたし、新しくアルバムを作ろうと思うんです。可愛い女の子の格好をしたヒロの写真を保存した、アルバムを」 「あら、いいわねそれ。お母さんも、ヒロにもっともっと可愛いお洋服を着せてあげようと思ってたの。愛那ちゃんが撮影してくれるなら、願ったり叶ったりだわ」 「まぁ、素敵ですわ、お母様! くすっ、可愛いお洋服を用意してもらって、それを撮影されて、ヒロも嬉しいわよね?」 「う……うん」 博希は赤い顔で、小さくうなずいた。 「そうそう、せっかく2着あるんだから、これからは毎日女児服を着てちょうだいね」 「え……ず、ずっと、このジャンパースカートか、あのワンピースで……?」 「ええ。足りないようなら既製品を含めて買い足すし、外に出ろとは言わないから、うちの中だけでも、どう?」 「う、うん……」 家ではずっと、女装――想像するとまたドキドキして、赤くなりながら肯く博希。しかしいつしか羞恥より、喜びのほうが勝っていたのだった。 (続く)