SS「悪夢の入学式」(1)
Added 2020-10-26 02:47:51 +0000 UTC(1) 「入学式なんだから、可愛いスーツを着せてあげましょうね」 妹はまるで母親のようにそう言って、入学式用の女児スーツを取り出した。 フリルのついた丸襟のブラウス、ピンクのジャンパースカートに、上品なグレーのボレロ、大きな白いリボンと、胸元につける花のコサージュ。どう見ても女児用のアンサンブルスーツであった、が―― (なんで、俺が入学式なんか――しかも、あんな女の子用のスーツを……) (俺……男子高校生、なのに……?) (しかも、妹の部屋に、俺は裸で、妹は下着姿で――) しかし頭に霞がかかったように、思考と記憶が曖昧だ。 なぜ妹は下着姿なのか。 なぜ自分は裸で妹の部屋にいるのか。 なぜ妹に裸を見られても自分は普通にしているのか。 なぜ女児用スーツを着て、入学式に行かなくてはならないのか。 ぼんやりと疑問に感じつつも、それを疑問として考えるだけの頭が回らない。 「さ、まずは下着からね」 そう言って妹は、自分の下着を脱ぎ始める。まずはキャミソールを脱いで、 「はい、着なさい」 「うん」 俺の体は、素直にうなずいて下着を受け取っていた。目の前の妹が上半身裸なのに構いもせず、体温が残るそのキャミソールを着る。 ――着られるはずがない。 小学生の妹の身長は、130センチ足らず。対して高校生の俺は、170近くあるのだ。 なのに、キャミソールはごくごく自然に大きくなって、俺の体にフィットする。 上体を包む妹の体温と、鼻腔をくすぐる妹の体臭。肩回り襟ぐり、裾がピンクの帯状になっているキャミソールの下から、男根がガチガチに勃起していた。 ――妹の前で、勃起を見られるわけにはいかないのに。 羞恥と背徳感がこみあげてくるが、なぜか体は動いてくれない。まるで操り人形の中に閉じ込められてしまったような気分だった。 「じゃ、これも」 妹はそう言って、ついに自分のショーツをも脱いでソックスだけの裸になり、脱いだばかりの下着を俺に広げて見せる。 「はい、お兄ちゃん。穿かせてあげるから、あたしの肩に手を置いて、足を入れてちょうだい」 「うん」 あまりにも異常な状況なのに、俺はあっさりうなずくと、妹のすぐ前に立って、肩に手を置いた。股間の屹立が妹の顔に当たりそうになるのもお構いなしに、足元に広げられたショーツに足を入れてゆく。 いくら伸縮性があるとはいえ、130サイズの女児ショーツを、170センチの男が穿けるわけがない。無理に穿いたとしてもウエストや太ももにゴムが食い込むか、最悪、切れてしまうだろう。 なのに――これまた穿いていくうちに大きくなったかのように、人肌の温もりを帯びたショーツはすっぽりと俺の下半身を包み込んでしまう。 妹の下着を、着ている―― 女児用ショーツのフロントリボンの下に屹立のテントを張り、しかもそれを妹に見られている恥辱に――しかし俺の体は、何も感じていないかのように動かない。 妹は最後に残っていたレース付きのソックスも脱いで、今度こそ一糸まとわぬ姿になると、 「靴下もはいてね」 「うん」 さっきと同じように、穿かせてもらう。これまたすっぽりと、サイズを合わせたように俺の足に納まって、足首にレースが広がった。 ――恥ずかしい。 高校生の俺が、妹の下着を着ているのだ。絶対みっともないことに決まっている。 なのに俺は下着を脱ごうとも、逃げようとも、嫌がろうとすらしない。 妹もまた、俺の姿を見てにっこり笑って、 「うんうん、似合ってるわよ、お兄ちゃん」 「ありがとう、ママ」 俺の口は勝手に動いて、妹――ママに、お礼を言っていた。 (続く)