連載小説「やりなおし」(52)
Added 2020-09-26 09:18:19 +0000 UTC2-1.露見 (7) 「んっ、う……!」 あまりにも予想外のタイミングでの暴発に、歩実は崩れ落ちないように内股気味になって膝を支える。快感と恥辱に心をかき乱されながらも、なんとか呼吸を整えるその様子は――まるで、おもらしをして恥ずかしがる女の子そのままであった。 祐奈もすぐに、自分がいろいろと――ノックもなしに部屋に入ってきたことに始まり、おもらししたことをはっきり口にしたことまで――やらかしてしまったことに気づいたらしく、 「ご、ごめんね、歩実ちゃん。あたし……」 花がしおれるように、しょんぼりと落ち込む。 「う……うん……」 歩実は絞り出すように答えながらも射精を終えて、ようやく落ち着く。 しかし、すでにワンピースの前側はべっとりと精液に汚れて、表側にもしみだしてしまっていた。かすかに栗の花のようなにおいが立ち込め始めるが、窓を開けるわけにもいかない。 (ど、どうしよう――とりあえず、祐奈ちゃんに出て行ってもらって、着替えるしか……) 考えているところへ、一足遅れて千絵が入ってきて、 「ちょっと祐奈ちゃん! 急に入ったら――って、ああ、もう」 現場を見て何事があったか察しをつけ、あちゃーと言わんばかりに片手で顔を覆う。 「歩実ちゃん、何かあたしたちに手伝えることある? それとも、すぐ出て行った方がいい?」 「えっと……」 正直な気持ちを言えば、ふたりに出て行ってもらった後で、心おきなく着替えたい。何しろ今の歩実は、ワンピースの下はノーパンである。万が一何かの拍子でスカートがめくれたら、すでに萎えているとはいえ精液まみれのペニスが露出して、万事休すだ。 しかし―― (祐奈ちゃん、落ち込んじゃってるな……まぁ、無理もないけど……) 軽挙妄動なところがあるか、ノックもなしにドアを開ける癖があるようだ。悪いことをしたと気づけばすぐに反省するあたり根はいい子なのだろうが、女子小学生がしょんぼりとうなだれている様子は見ていて痛々しい。 (うん、ちゃんと鍵をかけておかなかったぼくも悪いんだし、「お姉ちゃん」として、ちょっとはフォローしないと) 「じゃ、じゃあ、祐奈ちゃん。その、お洋服を汚しちゃったから、千絵ちゃんと一緒に段ボールを開けて、お着換えを選んでくれる?」 「う、うん!」 祐奈は表情を明るくすると、真面目な顔でうなずいて、言われたとおり段ボールを開けにかかった。 千絵はちらりと「甘いわねぇ」と言いたげな顔で歩美を見たが、口に出しては何も言わず、祐奈が段ボールを開けるのを手伝う。 (ほっ……あんまり落ち込ませずに済んだみたいで、よかった……) とはいえ、まだまだ問題は解決していない。 (まずは精液を拭いて、紙おむつを穿かないと――) ちょうど鏡の前にやってきたところだったので、すぐ手元にはベビーパウダーとパフしかない。いま必要なおしりふきと紙おむつは、よりによって段ボール、つまりは少女たちの近くだ。 (持ってきてもらうのも、また変な事故になりそうだし――というか、祐奈ちゃんが「拭いてあげる」だなんて言い出しかねないから) 左手にベビーパウダーの缶を持ち、右手で股間のシミを押さえて、射精したてのペニスがスカートにこすれるくすぐったさに悶えつつも、おしりふきと紙おむつを拾いに行く。 ちょうどそのふたつを手に取ったところで、 「わぁ、可愛い!!」 ガムテープをはがして段ボールのふたを開けることに成功した祐奈が、驚きの声を上げた。 箱の中には、明らかに7泊8日の合宿に不必要なほどの服が、ぎっしりと詰まっていた。 丸襟やセーラー襟などのブラウス。カットソーにボレロにカーディガンに、吊りスカート、ジャンパースカート、ハイウエストスカート、サロペット。キャミドレスなどのサンドレス、ワンピース系も充実している。そのどれもが可愛らしく、Tシャツすらも、ピンクだったり水色だったり、レース襟だったりお姫様プリントだったりと、6年生の女の子にはいささか幼すぎるデザインのものばかりだ。 「へぇ……さすが歩実ちゃんね。ほんとに可愛いお湯服ばっかり」 「うんうん! わぁ、水着やレオタードまで入ってる!」 「そういえばこの近く、市営の体育館があったはずよ。温水プールもあるんだって。時間があったらいってみない?」 「わぁ、賛成! あたしも水着、持ってくればよかったかなぁ」 少女ふたりは盛り上がっているが、歩実は冷や汗が止まらない。 (母さん、あんなにたくさん……!) ファッションセンターで自分が買ったものもいくつか混じっているが、大半は覚えのないものだ。母親が勝手に入れたものだろう。 (うう、これから1週間、あれを着て過ごさなくちゃいけないなんて……) 可愛い女児服の数々にまたも劣情を疼かせつつ、歩実は新しいおしりふきで、精液に汚れたペニス周りを綺麗にした。幸いなことに二人とも、歩実の服を見るのに夢中で、歩実の挙動がおかしいことには気づいていないようだった。 そしてようやく新しい紙おむつを穿きなおし、ほっと一息ついたところで―― 「うん! 歩実ちゃん、お着換え、用意したよ!」 服を選び終わった祐奈が、歩実に声をかけた。 (続く)