「あたしの彼氏はベビーガール」(14)
Added 2020-09-13 09:09:02 +0000 UTC(14) 狭いカラオケルームくらいの広さに作られた、パステルカラーのベビールーム。 手前側の角には、ピンクの柵に囲われた大きなベビーベッド。頭上にはメリーサークルも垂れ下がった、いかにも女の子向けのデザインだけど、当然のように大人用サイズで、横幅は2メートル以上もあった。その近くにある紙おむつ用のごみ箱も、ピンクに花柄の可愛らしいデザインだ。 部屋の奥にはマットが敷かれ、中心にひときわ目を引く木馬。ほとんど大人用自転車くらいのサイズがあるそれは、もちろんプレイ用である。ベビーベッド同様、おそらくはアダルトベビープレイ先進国のアメリカから輸入したものだろう。正面の壁に姿見が掛けられているのが、実によく判ってる。 その周りの床には、様々な「おもちゃ」も置かれていた。ガラガラ、にぎにぎ、積み木に知育玩具。そしてぬいぐるみや着せ替えぐるみ、お人形の数々。さすがにこれらは大人用とはいかないけど、どれも可愛らしいものばかりだ。 これが、大人用女児服・女児ベビー服専門店「かぐや姫」の2階に併設されている、「大人用おむつ交換ルーム」――通称、ベビープレイルームだった。 あたしたちはお洋服しか見なかったけど、1階では大人用の女児服や女児ベビー服のほか、大人用の可愛いおむつやおむつカバー、スタイやおしゃぶりといったアダルトベビーグッズなども販売しているのだ。ベビー服も、「アンジェリック・ベイビー」の姉妹店として同デザインの大人サイズ商品だけじゃなくて、セレクトアイテムとして海外から直輸入した大人用ベビー服や、いわゆる「Sissy」系ドレスも取り扱っていた。 そして2階では、購入したばかりのグッズを実際に着たり、着用したり、使用したりといったプレイを楽しむことができる。単に商品を購入するだけならネット通販でよいところを、わざわざ実店舗を経営しているのは、こうしたサービスもあってのことだった。採算がとれているのかは知らないけど、それなりに利用者はいるらしい。 あたしたちも、そのうちの一組だった。靴を脱いで上がり、荷物を下ろしたら、まずはベビーベッドの足元側の柵を下ろして、 「歩実ちゃん、ベッドに上がってちょうだい」 「は、はぁい!」 歩実はわざと舌足らずな、幼女っぽい声で答えると、ベビーベッドに膝をついて上り、ハイハイして奥まで移動する。そしてあたしが敷いたおむつ交換マット――淡いピンクのタオル地に、レースの縁取りがあるものだ――の上に仰向けになり、軽く握った両手を顔の横に置いて、大きく開いた膝を立てる――おむつ交換のポーズを取った。 「あらあら、自分からそんな格好になるなんて、歩実ちゃんはおむつ交換が大好きなのね」 「う、うん! あゆみ、ママにおむつ交換してもらうの、大好き!」 「くすくすっ……それじゃ、手早く交換しちゃいましょっか。その前に、歩実ちゃんの大好きなメリーサークル、回してあげましょうね」 あたしは彼の足元側に立つと、手を伸ばしてメリーサークルのスイッチを入れる。 とたんに、宝石を散りばめたようなオルゴールの音とともに、人形やらお馬さんのぬいぐるみやらがついたメリーサークルが、歩実の頭上で回り始めた。 「んっ……」 たったそれだけでも、歩実はさらに赤くなる。可愛いパステルカラーのお部屋でベビーベッドに寝かされ、鳴り響くオルゴールの音を聞きながらメリーサークルを見上げる――まるで本物の赤ちゃんのような扱いをされるのも、ベビー服で外を歩き回るのと同じくらい恥ずかしいようだった。 エプロンドレスの裾をめくりあげて、ピンク無地のブルマーからおへそまで露出させた。お尻を上げさせて脱がせると、もはや見慣れたピンクギンガムにハートレース柄のおむつカバーが露出する。 めくりあげたピンクの丸襟エプロンドレスの下から、おむつカバー。これはこれでなかなかいい光景だけど、歩実がおもらししちゃってる以上、ずっと見ているわけにもいかず、 「じゃ、おむつカバー、脱がせてあげるね」 「う、うん……」 ぷつっ、ぷつっ――ばりっ、 スナップボタンが外れる音。横羽を止めているマジックテープがはがされる音。軽やかなオルゴールの音色の中で響くその音に、歩実は耳をふさぎたいかのように目を閉じる。 「まだやっぱり、恥ずかしいんだ? おむつ交換なんて、もう何度もしてることなのに」 「う、うん。恭子は喜んでくれるけど、でも、まだ恥ずかしい――」 いくらもともとそのケがあり、頭では納得しているとはいっても、歩実も男子高校生。「カノジョ」におむつ交換される恥ずかしさを、完全に消すことはできないらしい。 まぁ、だからこそ楽しいんだけどね。 あたしは横羽を左右にどけ、完全に露出した布おむつを見下ろす。おむつカバーという「封」を破ったことで、ベビールームにアンモニアの匂いと、栗の花のような青臭い匂いが漂い始めていた。 そしてついに、 「じゃあ――おむつを開けて、ママに見せてちょうだいね」 「う、うんっ……!」 恥ずかしさに縮こまり、ますます赤ちゃんめいたポーズになる歩実にまた笑って、あたしはそのおむつに手をかけると、手前側にゆっくりと開いてゆき―― 露わになった股間の中心に屹立する異形に、あたしはちょっぴり驚いた。 「あらあら、ついさっき出したばっかりだっていうのに、またおっきくなっちゃったの?」 「う、うん……だって、この格好で、お店まで……しかも、この部屋に来て、赤ちゃんみたいになってるかと思うと……」 「くすくすっ、歩実ちゃんったら。ほんとに思ってた以上の変態赤ちゃんで、ママはとっても嬉しいわ」 あたしは心から言って、 「ま、せっかくベビールームを借りたんだから、もう一回くらいは楽しみたいわよね。ふふっ、それじゃあまだ、お楽しみを続けましょっか」 歩実は真っ赤な顔で――しかしはっきりとうなずいた。 (続く)