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「あたしの彼氏はベビーガール」(4)

  (4)  結論から言えば、そのなりきりコスチュームを着ることはできた。サイズ表記は130とはいえかなりゆったり作ってあったし、伸縮性もあるのだから。  しかし―― 「くすくすっ、こんなにピチピチでスカートも短いと、なんだかエロゲームの魔法少女モノみたいね。いろんな怪人にエッチなことされちゃいそう」 「ううっ……」  判っていたこととはいえ、体のラインどころか乳首まで浮き上がるくらいぴったりで、わきの下などに変なシワまで浮かんでいる。チョーカーの首回りや、パフ袖の腕回りもかなりキツキツで、見苦しくはないけれどいろいろな意味でキツいことになっている。  着心地だけの話じゃない。彼は女装やベビー服で興奮する性癖を、半ば自ら受け入れかけているとはいえ、恥じらいなく喜べるほどの悟りは開いていないのだ。男子高校生が女児ベビー服を着て初めての「デート」、それも女児用のなりきりコスチュームを着せられるだなんて、開き直ることもできない歩実には耐えがたいほどの恥辱だろう。  そして何より、 「ま、でも、こんなおむつカバー丸出しの魔法少女なんているわけないか」  丈が足りないスカートの下からは、ギンガムチェックにレースハートのおむつカバーが、ほとんど8割がた覗いてしまっている。これでは魔法少女どころか、魔法ベビーガールだ。最近育児をテーマにしたプリキュアもあったけど、さすがに「赤ちゃんでもプリキュア」になったかどうかは知らないので、余計なことは言わずにおこう。 「い、言わないでよぉ……!」  さすがの彼でも恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして涙目で抗議する。ああもう、そんな顔をしたらますますいじめたくなっちゃう。あたし自身もできるだけ興奮してるのは隠そうとしてるんだけど、いい加減我慢しきれるか自信がなくなってきた。制服スカートの下で、ショーツはさっきからびしょびしょだ。 「くすっ、でも、よく似合ってるわよ、歩実ちゃん」 「う……あ、ありがとう、恭子……」  褒められるとまんざらでもないらしい。恥ずかしくても、あたしがこういうのが好きっていうのはわかってくれているのだ。 「じゃあ――せっかくかわいい衣装を着てるんだし、これを歌ってもらおっか」  そういって、この部屋に入ってから今まで完全に忘れられていたカラオケ機械を操作して、入れたのはプリキュアのエンディングテーマ。マイクを彼に渡して、 「はい、どうぞ。歩実、これ歌えるよね?」 「う、うん……合宿前に、プリキュアの曲なら、だいたい全部歌えるようにしたから……」 「さっすがー。歩実ったら、変なところで真面目なんだから。それとも、女の子になり切ってプリキュアの曲を覚えるの、意外と楽しかった?」 「う……うん……」  耳まで真っ赤になってうつむいたところで、イントロが始まった。  その後はあたしたちは交代で、時にデュエットしながら、カラオケを楽しんだ。あたしは流行りのJ-POP。歩実は女児向けアニメのテーマソングだ。女児向けの曲を歌っている時も歩実は恥ずかしそうだったけど、それ以上に二人でカップル向けの曲をデュエットした時のほうが、いたたまれなさそうな表情をしていて面白かった。  変事が起きたのは、時間はあっという間に過ぎ、終了まで30分と迫った時だった。 「んっ……!」  選曲中の歩実が、ワンドリンクのアイスティーを飲みながら、ぶるっと大きく身震いしたのだ。  その意味するところが判らないあたしじゃない。何せ合宿中も、そのあとも、何度も見てきているのだから。 「――おもらし、しそうなの?」 「う、うん……ちっち、でちゃいそう……」  隠す必要もないと思ったのか、股間を押さえてもじもじする歩実。まん丸おむつのプリキュア(中身は男子高校生)がおしっこを我慢している姿に、あたしはエロ本を見つけた男子中学生のごとく、思わず生唾を飲み込んだ。 「くすくすっ、どうする? おむつをはずしてトイレに行く? それとも――ここで、おもらししちゃう? 時間はあるから、どっちでも大丈夫よ」 「そ、それは……」  究極の二択に、歩実の顔が引きつる。  おむつをはずしてトイレに行けば、ほかの客や従業員に見られるかもしれない。  おもらしすれば見られることは避けられる代わり――おむつを、交換しなくてはならなくなる。  どちらも恥ずかしい選択に、彼が選んだのは―― 「じゃ、じゃあ、おもらし、する……」  はっきりそう言って、目を閉じながら深呼吸し始めた。  あたしは唇の両端が吊り上がるのを自覚しながら、彼の様子を見守る。おもらしは、ふいにしてしまうのも恥ずかしいけれど、こうして自らの意志でするのもまた、同じくらいに恥ずかしい。そして、だからこそ―― 「んっ……!」  彼の顔が恍惚に歪み、その唇から甘い喘ぎ声が漏れる。ガクガクと膝を震わせているその様子を見るに、今まさに、おむつの中にお漏らしをしているのだ。ジワジワ漏れだした小水に股間が熱く濡れる感触を、存分に楽しんでいるのだろう。そして、 「はっ、はぁっ……きょ、恭子ママぁ……歩実、ちっち、出ちゃった……」 「くすっ、よく言えたわね。ちゃーんとおもらしできて、えらいわよ、ママの可愛い歩実ちゃん」  あたしはそっと彼を抱きしめると、その唇に軽くキスする。  普段はカップルのあたしたちだけど、彼がおもらしして、おむつを替えるときは「ママ」と「娘」の関係だ。 「それじゃあ――ママがおもらしおむつ、替えてあげる」   (続く)

Comments

ありがとうございます~!

十月兔

「やりなおし」の続編かな?いいですね

Coco-


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