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連載小説「やりなおし」(32)

 1-3.欺罔   (3)  朝食と歯磨きを済ませ、出勤に向かう父親を送り出したたのち、歩実はすぐに自室に引き上げた。この格好を見られるのが恥ずかしいのも理由の一つだったが、一番の理由は―― (早く、早く射精したいっ……!)  着替え、トイレ、朝食と済ませても、朝立ちはおむつの中で萎える気配がない。むしろアイドル風のコスプレ女児服を着ているところを両親に見られていたせいで、いっそう激しくいきり立ち、中で包皮が剥けてしまうほど。微かな身動きでもこすれて、亀頭がひりひりとした痛みを発し、怒張に拍車をかけてしまっている。  もはや脱ぐことすらつらい状態で、 「はっ、はぁっ――」  歩実はスカートに気を付けながらドレッサーの前のチェアに座り、鏡を見る。  バストアップに映るのは、丸襟のブラウスに、赤と黒のタータンチェックを基調にしたベストを着て、襟元にネクタイ、手首にカフス、頭には大きなリボンのカチューシャをつけた自分の姿。頬はチーク以上の朱色に染まり、瞳は欲情に潤んでいる。 (なんて……なんて、みっともない……!)  恥ずかしい女児服。浅ましい表情。 そんな自分の姿こそ、歩実にとっては最大のオナペット。  さらにスカートをめくれば、その下からは女児用スーパービッグサイズの紙おむつをつけた下半身。ちょうどおもらしサインのハートマークを押し上げるように、前側は大きく張り出していて―― (よし、これだけ昂奮してるなら、ちょっと触れば射精できる……!)  歩実は先端をこすらないように気を付けつつ、おむつの上から肉竿を掴んだ。  小刻みに手を動かすと、まるでポンプ式の水鉄砲のように、すぐに射精準備が完了する。最後にとどめのように大きく動かすと―― 「んっ――!」  びくんっ、と腰を躍らせて、歩実は絶頂に達した。おむつの中にどっと精液が吐き出され、一気に腰が軽くなる。あとは目を閉じて、軽い倦怠感と脱力感に身を任せていると――おむつの中の勃起は、すぐに元の小さいサイズに収まり、敏感になっていた亀頭も無事包皮の中に隠れてくれた。 「ほっ……」  安堵の息を漏らす歩実。  彼がこの数日の生活で身につけたのは、女児としての立ち居振る舞いだけではない。おむつの上から擦って射精するオナニー法もまた、習得していた。 (中でべたべたするのが、ちょっと気持ち悪いけど……とっさの時には手軽で便利なんだよね、これ。まぁ、手軽すぎるせいで回数が増えちゃってるんだけど――)  精液で汚れたおむつを取り替えつつ、ずん、と罪悪感がのしかかる。  いままで週に1度もしていなかったオナニーの回数が、一日3回以上に増えていた。朝、起きてすぐに1回。その後、女児服で外出したあと1回。お風呂に入る前に1回。さらに着替えや外出の頻度によって、最高5回オナニーした日もあった。 (はぁ、これじゃあまるでサルだよ……)  幸いなことに、初日以来おもらしそのものはせずに済んでいる。女児服はともかく、おむつとおもらしで昂奮するようなこともない。 (さすがにおむつやお漏らしに昂奮するようになったら、いろいろまずい……) 「さ、さーて、お出かけの準備しないと!」  歩実は頭を振って悪い想像を追い払い、気持ちを切り替えて出かける準備をする。  プリ〇ュアが描かれたピンクのリュックに、替えのおむつが3枚と、万が一の時の着替えとしてピンクのセーラーワンピース、ソックス。化粧品を入れたポーチに、タオルハンカチも2枚入れておく。  一番上には、筆記具を入れたペンケース。淡いピンクにサクランボ柄で、ファスナーの両脇にレースのフリルがついた、いかにもな女児用である。  行動としてはささやかな、お出かけ準備――しかし、女児服を着てこれを背負い、都心まで出かけてリアル女子小学生たちの前で女児の振りをしなければならないことを考えると、さっき出したばかりだというのにおむつの中が疼いてくる。 「う、うん! 荷物は、これで良いかな! あとはお洋服、どうしよう――」  なるべく体形が隠れるフリル多めのほうがいいのか、あるいは説明会という場に合わせて、フォーマルなほうがいいのか。迷っているところへ、 「歩実、着ていく服、決まった?」  いきなりドアが開いて、母親が入ってきた。  思わず抗議したくなる歩実だったが、ぐっとこらえて女児の演技を続ける。 「う、ううん。ふりふりのにしようか、ちゃんとしたのにしようか、迷ってて……」 「なら、ふりふりでちゃんとした感じのにすればいいじゃない。前にお出かけ用のスーツ、買っておいてあげたでしょ?」 「あ、あれ……!? さすがにちょっと、子供っぽすぎて恥ずかしいんだけど……!」 「何言ってるの、サイズがあるってことはそれを着る子がいるってことなんだから、恥ずかしがることはないでしょ。何よりちょうど、ふりふりだけどフォーマルな感じで、ぴったりじゃない。女の子なんだから恥ずかしがらず、着ていきなさい」 「は、はぁい……」  歩実は観念して、クローゼットの奥のほうにしまっておいた「お出かけ用のスーツ」を取り出した。  ピンク千鳥格子の、ダブルボタンジャケット。ピンクチェックの三段ティアードジャンパースカート。大きな丸襟のブラウスと、襟元に結ぶ大きな白いリボン。ジャケットの襟やブラウスの袖口、スカートの裾には、瀟洒なレースがあしらわれている。 (うう、なんでこんな、入学用としか思えないスーツが、150サイズまであるんだよ……)  ぼやきながらも、母親が出ていったところでアイドル風セットアップとソックスを脱ぎ、カチューシャも外して、肌着と紙おむつだけの姿になる。  最初はブラウス。滑らかなサテン生地の肌触りは女児服の中でも独特で、背筋がくすぐられているかのようにゾクゾクする。丸襟のふちにと前立ての左右にはフリル、肩口にはギャザー、袖口にはレースと、細かいところにも少女らしさがちりばめられていて、男子高校生としては落ち着かないことこの上ない。  続いてジャンパースカート――というより、コルセットスカートに肩紐がついたような構造で、アンダーバストまではブラウスが見えている。スカートの位置もかなり高く、限界まで下げてもおむつが隠れるぎりぎりのところ。とうぜん太腿は丸出しで、 (ほんとに、この格好でお出かけするの――? しかも、小学生たちの前に……) (い、いや! 逆にこれだけ女の子っぽい格好なら、ぜったいに男だってばれないはず!)  自分に言い聞かせつつも、落ち着かない歩実だった。  襟の下にあるボタンで大きなリボンを留めて位置を整え、ソックスも、白いレースの付いたショートソックスに変更する。さすがにジャケットを着ていくのは暑すぎるため、これで完成だ。  仕上げにうさ耳のような白いリボンのカチューシャをつけ、改めて全身鏡を覗き込めば、 「う、うわぁ……」  すっかり入学式を迎えた女児のような服装になった自分の姿に、歩実は胸を疼かせた。   (続く)


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