連載小説「失禁改善合宿(仮)」(16)
Added 2020-07-20 08:08:21 +0000 UTC1-2.邂逅 (2) (堂々と、堂々と――) 家を出た歩実はうつむきそうになるのをこらえて、まっすぐ前を向いて歩いてゆく。もちろん歩き方も、爪先を内側に向け、歩幅を小さくした女の子らしい動きに気を付けながら。 (大丈夫、堂々としてれば、逆にバレないんだから――) そんな風に自分に言い聞かせていると、不意に近くの家の門扉が開いて、顔見知りの主婦が出てきた。チラリと目が合って、 (ま、まずい、見られてる……!) いつもの癖で反射的に挨拶したり、逆に逃げたり顔を背けたりしそうになるのをぐっとこらえて、顔をあげたまま通り抜ける。 (大丈夫、素通りすれば、ぼくがお隣の男子高校生だなんて、思うはずがないんだから……!) 主婦のほうも「あら」という表情はしたものの、特に何も言わずにすれ違った。 歩実はほっとすると同時に、自信をつける。 (よし、無事に女の子に見えてるみたいだな――) 外出に当たっての最大の難関は、家のすぐ近くで顔見知りのご近所さんに遭遇することだったが、無事に第一関門は突破したようだ。あとは無事に住宅街さえ出てしまえば、恐れることは何もない。 「ふふ」 思わず、笑みがこぼれる。女児服の着心地はまだ恥ずかしかったけれど、まるで別人に変身したような高揚感と、悪戯がうまくいったときのような満足感があった。 (本当に、ぼくが男子高校生だなんて誰も思ってないみたい……) (うん、いける……これなら、合宿にだって……!) さらに道すがら、何人かの人にすれ違ったが、特に不審を持たれた様子はないようだった。ますます自信を深めたまま、歩実はついにファッションセンターへとたどり着く。 ガラス張りのディスプレイにはいくつかの商品がディスプレイされていて、その中には女児服もあった。 丸襟がついた、シンプルな袖なしワンピース。色は白で、腰から下が三段フリルになっている。 (あ、なかなか良さそう。腰がフリルだと体型も隠れるし、丸襟やピンクで女の子っぽいのも――) (って、これじゃまるで、本当に可愛い服を選びに来た女子小学生みたいじゃないか) (でも……うん、女の子っぽい服のほうが、逆に男だって疑われなくていいかもしれないし、こういう感じのを選ぶのは、普通にありだよね) (けどこれだと、肩幅を隠せないから……うーん、何かいい方法はないかなぁ) などと考えながら店に入ると、 「いらっしゃいませー」 広々とした店内と、出迎える店員。 やや圧倒されながらも、歩実は何事も無い顔をして足を踏み入れる。 数年前に近所にできたのは知っていたが、今まで入ったことがなかったファッションセンター。どこがどの売り場かもわからないまましばらく歩き回った末に、ようやく子供服のコーナーを発見する。 シャツにブラウス、チュニック。 パンツにスカート、スカッツ、スカパン。 ワンピースに、ジャンパースカート。 どれもこれも、男子高校生の歩実には縁のなかったファッションばかりで、思わず圧倒されてしまう。 (と、とりあえずこの中から、女児として生活していくための服を買いそろえないと……) 最初に目が向いたのは、パンツコーナーである。 スキニージーンズ。七分丈パンツ、ミリタリー風のものや、ワイドパンツなどもある。 (できればこういうシンプルなパンツのほうが、恥ずかしくないんだけど。これにシンプルなTシャツとかなら、本当に普段着にしててもぜんぜんおかしくないだろうし……) (でも――) ふと横を見ると、フリルジョーゼットがチュチュのように広がったスカッツ――スカートとスパッツが一体になった、一昔前から流行り始めたデザインの女児ボトムス。 (女の子になりきるために、出来るだけ女の子っぽいのを選ばないとダメだよね。あんまりユニセックス的な服だと、男だとバレちゃうかもしれないし) (それに、ぴったりしたジーンズだと、かえって下に穿いたおむつが目立っちゃいそうだし……おむつだけじゃなくて、勃起も――) (うん。恥ずかしいけど、やっぱりもっとふりふりのや、せめてスカートを選ぶようにしよう) 歩実はそう判断して、シンプルな商品の棚からはあえて離れ、いかにも女の子らしい服の売り場に近づいてゆく。 最初に目を付けたのは、外のディスプレイにあったワンピース。丸襟ノースリーブで、腰から三段フリルになっている。色はピンクの他にサックスとレモンイエロー、柄はそれぞれを基調にしたチェック柄が用意されていた。 「これ……うーん、腰回りが広がるからいいんだけど、肩はどうしよう……何か、隠す方法は……」 言いながら辺りを見回した歩実は、とある商品に目を止めた。 白いパフスリーブのボレロ。襟の部分――と言えばいいのか、胸元にかかる部分や袖口にフリルがついていて、ボリュームを出しながらも肩回りを隠してくれそうだった。 「あっ、これなら良さそう」 肩幅を隠しつつ、裾のフリルで体型をカバーしてくれそうだ。ほんの一瞬、女児服をかごに入れることに抵抗を感じる歩実だったが、 「うん。これに、決める……!」 小さく呟くと、ピンクチェックの丸襟ワンピースと、白のパフスリーブボレロをかごに入れた。その重みに、歩実はまた大きく胸を躍らせるのだった。 (続く)
Comments
ありがとうございます~! 言い訳しながら可愛いお洋服を選ぶのにうきうきしてる感じで…! 女児服描写は単調になったり、話の展開が止まったりするのでどうかなと思いつつ書いてるのですが、丁寧な描写にも需要がありそうで安心しました! 今後もこのスタイルで行こうと思います!
十月兔
2020-07-20 12:50:45 +0000 UTC歩実ちゃん、可愛い女児服をたくさん見比べられて楽しそうですねぇ🤗💕 こんな風にお洋服やアクセサリーの細かいディテールを丁寧に表現してくれるのが、女児服大好き😍🍀😌🍀な女児女装者にとっては、何よりもうれしいです🎵🥰 これからも、このスタイルを続けて欲しいで~す💞🤗
elli-kasuga
2020-07-20 12:26:00 +0000 UTC