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連載小説「強制女装ハーレム転生(仮)」(4)

  (4) 「先生は……まだ、いらしてないようです。ふふっ、何とか間に合いましたね」 「う……うん……」  宮子とともに教室に入ると、そこはまさに女子校だった。  全員が女子制服。男子は一人もおらず、もしかして自分のように女子制服で通学してる男子もいるのではという千秋の秘かな期待は、あっさりと砕け散った。 (まぁ、もし僕と同じような男子がいたとしても、どう接すればいいか判らないんだけど――)  仲の良かった男子が、自分と同じような女子制服で通学しているのを想像して、千秋はそっとなかったことにする。 (うう、それにしても、目のやり場に困るよ……)  女子のパンチラに対して、ガン見するのではなく視線をそらしてしまうほど奥手な千秋にとって、この教室は目の毒過ぎた。  何しろ全員が股下ゼロセンチ未満のスカートを穿いているし、「スカートの中を見られないようにする」などという気づかいも一切ない。そのため、座ったり歩いたりしている彼女たちの下着は、前も後ろも完全に無防備だったのだ。  白、ピンク、サックスにオレンジといったパステルカラーから、赤に紫、青といった派手なもの。フリルやレースがついたものもあれば、サイドリボンタイプにTバックと、色も形も様々だ。 「う……」  まるで花畑のようなショーツの展覧会に、千秋は頭に血が上る。  同時に、自分自身も彼女たちと大差ない短いスカートを穿いていることを思い出させられて、二重の辱めを味わうのだった。 (でも……クラスの半分くらいは、知ってる子か)  女子の顔触れを見渡して、千秋はちょっとだけ安心する。どうやら元の女子生徒はそのままに、本来は男子の分の人数が、知らない女子と入れ替わっているらしい。  教室に入って、自分の机にバッグを置き、着席する。そんな些細な行為さえも、生まれて初めてのミニスカートのせいで、お尻や太腿がそのまま椅子の座板に密着して落ち着かなかった。  すると、昨日までは離れた席だったはずの宮子もすぐ隣に座って、 「ふふっ、伊沢くんとお隣だなんて、やっぱりうれしいです」 「そ、そうなんだ……」  なんと返したものか、千秋はちょっと迷った後、思い切って口に出してみる。 「ぼくも、三枝さんと隣で嬉しいよ」 「まぁ、ふふっ。お世辞でも嬉しいですわ。ありがとうございます」 「お、お世辞じゃ――」  千秋が言いつのろうとした、その時。 「よっ、二人とも遅かったなー」  背後から遠慮のない声がした次の瞬間、千秋の後頭部から肩にかけて、柔らかい塊とチクチクする何かが押し当てられ、そのまま頭を抱きかかえるように首に腕が回される。抱き着かれて胸を押し当てられているのだ――脳が理解した途端、千秋は真っ赤になって首を振る。 「ちょ、ちょっと、誰――」 「おっ、伊沢は今日も元気がいいな! そんなにあたしのおっぱいが気持ちいいか? ん?」 「ちっ、違うから! って言うかその声、ひょっとして市原さん!?」 「あったりー」  ようやく離れた乳房の感触に、千秋はほっとしながら背後を振り返る。  そこに立っていたのは、いかにもなコギャル風の少女だった。浅黒く焼けた肌。やや濃いめの化粧に、黒とピンクのシュシュでまとめた金髪。ブラウスの胸元はボタンを3つ目まで外し、ストラップを長く伸ばしたリボンを引っかけているだけで、ブレザーやニットベストなども重ねていない。ベージュ系チェックのスカートも短く、股上数センチのため、必然的に下着が上下とも見えてしまっていた。  ラメ入りのピンクに、黒レースのブラショーツセット――明らかに女子高生が普段使いするようなものではないし、まして普通に立っているだけで見えているのは異常だったが、やはり本人を含めて誰一人として――千秋以外は――気にしていない。  彼女は「にっ」と白い歯を見せて笑うと、 「よっ、はよ、三枝、伊沢」 「おはようございます、市原さん」 「お、おはよう、市原さん」  市原樹莉。彼女も宮子と同様、以前から知ってるギャル系の女子生徒だ。もちろん昨日までは、こんな痴女めいた格好ではなく、もうちょっと普通の制服だったが。 (さっき首筋に当たったのは、ブラのレースか……)  納得すると同時に柔らかい感触を思い出し、千秋がまた赤くなっていると、 「二人とも、おはよう」  小さくも凛と鳴る鈴の如く、控えめながらも存在感のある少女の声がして、千秋は視線を正面に向ける。  机をはさんで立っていたのは、小柄ながらも端正な顔立ちの少女だった。眠たげな二重瞼と、心の読めない無表情、少年のようなショートカットがミステリアスな印象だ。ブレザーの下にキャメルのニットベストを重ね、襟元にリボンもきちんと結んだ、スカートが短い以外はごく普通の着こなしだった。  こちらも以前から知っている、小塚妙という同級生だ。千秋はホッとしながら、宮子とともに挨拶を返す。 「おはよう、小塚さん」 「おはようございます、小塚さん」  どうやら自分は、この三人とグループを形成しているらしい――樹莉の下着が見えていることにどぎまぎしながらも、千秋はそう判断する。どうやら昨日までとは、女子との関係もずいぶん変わっているようだった。 「今日はずいぶん、ぎりぎりだったね。なにかあったの?」 「ええと、それは――」  妙の問いに答えようとしたところで、教室の前の扉が開いて、担任の荒川先生が入ってきた。 「はーいみんな、席について。ホームルームを始めるわよ」 「げ、先生来ちゃった。話はあとでな!」 「ん。また、休み時間に」 二人は名残惜しそうに言いながら、席に戻っていくのだった。   (続く)


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