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連載小説「強制女装ハーレム転生(仮)」(1)

 転生・倫理の緩い世界・強制女児女装ハーレム系、何度目かのリテイクですが今度こそ。説明や導入、余計な設定などは限りなく少なくしてやっていきます。   * * * * *  1日目(月曜日) 似て非なる日常の始まり   (1)  振り向いたときには、すぐ近くにトラックが迫っていた。  避けることもできない。高速道を走っているかのような速度と、4トントラックの圧倒的な質量は、華奢な少年ひとりを轢き潰すには十分すぎる運動エネルギーだ。  少年は避けられない「死」を確信して目を閉じ、全身がバラバラになるような衝撃を感じて――  意識を取り戻した時には、まったく同じ場所で立ち尽くしていた。 「……え?」  高校二年生の伊沢千秋は、横断歩道の真ん中であたりをきょろきょろと見回した。  たったいまこの場所で、猛スピードで突っ込んできたトラックに轢かれた、はずだった。なのに痛みもなく、何事も無かったかのように立っている。 (おかしい……ぼくはたしかに、トラックに轢かれて――)  白昼夢と言うにはあまりにも生々しい映像と衝撃に、千秋はぞっと身を震わせる――が、目の前の歩行者信号が点滅し始めたのを見て、 「おっと、考える前に、早く渡っちゃわないと」  慌てて反対側に向けて駆け出す。一瞬、下半身に妙な頼りなさを感じるが、それよりも頭は先ほどの出来事で一杯だった。 「な、何だったんだ、いまの……?」  奇妙な体験だった。確かに左右を確認してから横断歩道を渡り始めたはずなのに、まるでワープしてきたかのようにとつぜん猛スピードで現れたトラック。しかも、轢かれたと思った次の瞬間には、何事も無かったかのように立っている。幻覚としか考えられないが、それにしてもトラック衝突の感覚は、いまだ生々しく全身に貼りついている。 「とりあえず怪我は――って、えぇっ!?」  痛みは全く感じないが、改めて傷などがないかチェックしようと自分の体を見おろした千秋は、ここでようやく自分の身に起きた「異変」に気付く。  高校への通学中、着ているのはとうぜん、制服である紺のブレザーとズボンに、臙脂色のネクタイ――その、はずだった。今日もちゃんとその制服を着て登校していたのだ。  しかし彼がいま着ていたのは、確かに高校の制服ではあったが――紺のブレザーとスカート、臙脂に細い黄色のストライプが入ったリボンという、高校の、女子制服のほうだった。  よく見ればブレザーやシャツの肩幅も狭く、袖も細く、ボタンの合わせも逆のため、こちらも女子用。靴もスニーカーではなくヒールの付いたローファーで、紺のハイソックスの外側には、赤い音符の刺繍まで入っている。 「なんで俺、女子制服着てるの……!?」  あまりにも異常な事態に、千秋は困惑する。  サイズ的には問題ない。もともと男子の中ではいちばん小柄で、体格的にも女子とほとんど変わらないくらい華奢なのだ。既製品の女子制服であっても難なく着られるし、むしろブカブカになってしまう男子制服よりもぴったりなくらいだった。  もっとも、女子制服を着ている恥ずかしさには変わりない。しかもよく見れば、 「うぅ、すっごいミニスカート……!」  スカート丈はかなり短く、太腿の半ばよりも上――股下数センチしかない。もはや「すぅすぅする」どころか、なにも穿いていないも同然の感覚だった。  千秋は両手でスカートを引っ張るが、 「んっ……こ、これ以上は、無理か……」  どうやらスカート自体がかなり短いらしく、あんまり引っ張るとかえって他の場所が持ち上がって、いっそう恥ずかしいことになってしまう。 「なんで、どうして、こんな……う……!」  強烈な緊張と不安に、陰嚢が竦みあがった。  同時に、その下半身を包む下着もいつものトランクスではないことに気付く。まるでブリーフのようにぴったりした、しかしずっと滑らかな感触は、 (ま、まさか、下着まで女子用のパンツ……!?)  めくって確認する気にはなれなかったが、たぶん間違いない。  どう考えても変態そのものの格好に、千秋は慌てて周囲を見回す。学校はすぐ目の前のため、通学中の女子生徒の姿がちらほらあって、ますますいたたまれない気持ちになる千秋だった、が―― 「……あれ?」  駅から学校へと続くルートに男子の姿がないことに、千秋は首を傾げる。千秋の通う学校は、もちろん共学である。30年ほど前は女子校だったらしいが、いまは男女同数の共学で、とうぜん男子もいるべきなのに――  さらにどの女子生徒も、驚くほどスカートが短い。スカートの柄は自由なため、紺無地ではなく赤やサックスのチェック柄を穿いている女子もいたが、その全員が千秋と同じくらい、股下ぎりぎりのスカート丈だったのだ。  しかも誰一人として、それをおかしいとも思っていないようで、普通に談笑したり、挨拶を交わしたりしながら歩いている。 「こ、これは……?」  混乱と狼狽の極みに達し、取るべき行動を決めあぐねる千秋。このまま学校に行くべきか、それとも家に戻るべきか、はたまたまともな服をどこかで手に入れるべきか――立ち尽くしたまま考えていると、 「伊沢くん、おはよう」 「えっ――」  声に振り向いたすぐ目の前に、一人の少女が立っていた。  白くきめ細かい肌に、背中まで届く艶やかな黒髪。杏仁型の目にかかる睫毛は長く、ふっくらとした唇は朱を刷いたように紅い。鼻梁は細く、頬はふっくらと、おとがいは尖り、耳の形さえもが美しい。ともすれば作り物めいて見えるほどに、一つ一つの造形が完璧に整って調和している。  しかし――大きな瞳の悪戯っぽい輝きと、頬を染める淡い桜色、唇に浮かぶほころんだ花のような笑みが、さらに生気という名の美しさを吹き込んでいた。片手で学生鞄を前に持ち、もう片方の手をかろく上げるその挙措さえ、指先の動き一つに至るまで洗練されている。  驚きと戸惑いの中で、千秋は彼女の名前を呼ぶ。 「さ、三枝さんっ……!?」  同級生の、三枝宮子。  クラスいちの美少女として男子から注目の的だった少女が、下着が見えそうなほどのミニスカートで、そこに立っていた。   (続く)


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