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「販売作品冒頭部分(仮)」その2

 「おむつぐみ」のほうがちょっと筆が止まったので販売予定作品の冒頭部分の続きをどうぞ。   *  ステップを踏んで玄関までたどり着くと、チャイムを鳴らし、 「ただいま、母さん」 「おかえり、マナブ」  ややあって鍵が開き、母親の敦子が出迎える。  マナブによく似た童顔で、垂れ目がちの細い眼に、柔らかな微笑みを浮かべた口もとは、とても大学生の息子がいるとは見えない。明るいブラウンに染めた髪は、うなじでまとめてシュシュで留め、オフホワイトのカットソーに水色のカーディガン、カーキ色のガウチョパンツを穿いていた。  実の母親に対しても、マナブは表情を崩さない。もちろん隔意があるのではなく、天花も言っていたように、これが彼の「素」なのだ。 「お昼はどうする? まだなら用意するけど」 「大学で食べてきたから大丈夫だよ。ありがとう」 「じゃあ、コーヒーでも淹れてあげるから、すぐ降りてらっしゃい」 「うん、ありがとう」  マナブは二階の自室にバッグを置くと、手洗いとうがいを済ませ、資料とノートパソコンを持って、一階のリビングに戻る。 「大学はどう? 楽しい?」 「うん。いろんな授業があるし、図書館も充実してるから」  息子の答えに、母親は少し困ったように笑う――が、それ以上は何も言わず、淹れたてのコーヒーをを持ってくる。 マナブは母親の入れてくれたコーヒーを飲みながら、アルバイトに出る時間まで、レポートの作成にいそしむのだった。  ――そして、夜。 「……これでよし、と」  アルバイトから戻り、夕食と入浴を済ませた後、二階の自室でようやくレポートを仕上げたマナブは、ほっと息をついてワープロソフトを閉じる。  ついでに資料もまとめてファイルにしまい直し、明日の授業の準備まで終わらせてから、改めてノートパソコンに向かった。 「……………………」  ふと、周囲を窺うように耳をそばだてる。  しばらくして安心したように警戒を解くと、インターネットブラウザを立ち上げて通販サイトを開く。  一覧表示した商品は――ティーンズの、学生服カテゴリ。 「……、ごくり」  静かな昂奮に、マナブは生唾を飲む。  ティーンズ制服の商品一覧だけあって、少女モデルの姿もちらほら見受けられる。一見すると、制服姿の少女に昂奮しているようにも見えたし、そう考えるの普通だったが――そうではないことは、すぐに明らかになった。  一覧の中からクリックしたのは、長袖の形態安定ブラウス。  少女の姿などない、平置きされただけのブラウスを見てもなお、マナブの目つきは変わらない。いや、むしろその昂奮の度合いを高めているようだった。 「今日こそ――今日こそは――」  熱っぽく呟きながらも、まずは色を選択する。オフホワイト、ペールサックス、ソフトピンクの三色があったが、マナブが選んだのはオフホワイトだった。 「やっぱり最初は、定番の白だよね――」  続けて、サイズと数量。しばらく迷ったのち、Lサイズを2枚、選択する。  そして震える手で、カーソルを「カートに入れる」に動かして―― 「うっ……」  クリックした瞬間、マナブはついにこらえきれなくなったように、パジャマの股間に左手を伸ばした。彼も少年であることを確かに証だてる昂りを、抑え込むように――あるいは愛撫するように、ぎゅっと握りしめる。 「っ、まだ、だめ――今日は、ちゃんと――」  自分に言い聞かせるように呟き、さらに商品を選択しては、カートに入れていく。  紺の女子用ブレザー。  キャメルの長袖カーディガン。  紺のニットベスト。  赤系ストライプのネクタイ。  そして――プリーツスカート。 「丈は……どうしよう。やっぱり、普通のほうがいいかな――」  スカートの丈は52センチ、47センチ、42センチと三種類が用意されていて、47センチがいわゆる普通丈だ。 躊躇うマナブだったが、 「でも――どうせ、誰にも見られないんだから――」  意を決して選んだのは、42センチ丈――いわゆるミニ丈だった。平均的な身長の少女なら、膝上15センチに当たる。  カラーは無地紺を選んでから、またもしばらく悩んだ後、赤系チェックに変更する。 「せっかくなら、こっちもネクタイだけじゃなくて――」  襟に結ぶための、赤無地のリボンを入れる。 「うぅっ……!」  マナブは左手で股間を押さえ、ズボンの上から揉みながら、苦しげに呻く。 「もうちょっと……あと、もうちょっとだから……」   (続く)


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