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「女児女装日記(仮)」 2日目

 ついに、着てしまった。  裾にフリルがついた、水色の長袖チュニック。フロントにはアリスとうさぎのシルエットが、白くプリントされている。下に穿いたデニムの七分丈パンツも、折り返しやポケットのところが淡いピンクの女児仕様だ。  今日のお昼過ぎ、お母さんと一緒に近所のファッションセンターに行って、あれやこれやと女児服を買ってきた。ずっとドキドキして挙動不審だったし、男の子しか連れていないのに女児服ばっかり買うから、店員さんには変な目で見られていたと思う。バレてないといいんだけど。  それでも何着か買ってもらって、いま着ているセットは、そのうちの一つだ。恥ずかしかったから試着はしなかったけど、140サイズがぴったりだ。  最初から女の子らしいふりふりの服や、スカートを着る勇気はなくて、だいぶ大人しめではあるけど――間違いなく、女児服を着ているのだ。そう考えるだけで、胸の高鳴りが止まらなかった。着心地自体は今までのシャツやパンツとあまり変わらない。ボーイズよりちょっと細身なくらいだった。  下着も女子小学生、それも低学年の子が穿くような、ゴムが入ったコットンショーツと、おそろいのキャミソールで、むしろこちらのほうが変わった着心地だった。ショーツは数年前まで穿いてたブリーフのようだったし、キャミソールも、肩のところの紐がゴロゴロするのだ。  けど――だからこそ、女児下着をつけている実感をひしひしと感じる。  自分の部屋で着替えたあと、リビングに下りていってお披露目。お母さんは大はしゃぎで、 「まぁ、可愛い! 前から似合うと思ってたけど、やっぱり可愛いわね!」  わがことのように大喜びして、ぼくはいっそう恥ずかしくなる。  お父さんは苦笑いして、「まぁ、ほどほどにな」と言ってたけど――それ以上は何も言わずに普通に接してくれたのが、嬉しかった。 「ふふっ、なんだか娘ができたみたいで、お母さん嬉しいわ。どう? 女の子の服を実際に着てみた感想は」 「う、うん。ドキドキする……」 「良かった。ちょっと恥ずかしくても、買ってあげたお洋服は、毎日ちゃんと着るのよ。そしたらまた、新しいのを買ってあげるから」 「う……うん」  買った中には、スカートやワンピースも入っている。いつかあれも着ることになるのだと思うと、またドキドキが止まらなかった。  お母さんはふと思い出したように、 「そうそう、かわりに男の子の服のほうは当分新しいのはなしよ。いいわね?」 「うん。今までの服と、学校の制服で済ませるから」  友達が遊びに来た時は女児服は隠して、今までの服でいればいい。まぁ遊びに来る友達なんて、陸斗くらいしかいないけど。  パジャマも新しい、七分袖のシャツと、七分丈のパンツのセットだ。色は水色のギンガムチェックで、丸首の襟元にリボン、前ボタンはお花の形で、裾にはフリルがついている。昼間の格好よりも女の子っぽいくらいで、今こうして日記を書いている間もちょっと落ち着かない。部屋は男子中学生そのままだから余計だった。まぁ、さすがに内装まで女の子っぽくするわけにはいかないけど。  クローゼットの中には、買ってもらった女児服や女児下着が入っている。扉は閉じているから見えないけど、はいっていると思うだけでなんだか落ち着かない気分になる。  明日はどの服を着ようかな。さすがにまだスカートを穿く勇気は出ないけど、ちょっとくらい可愛いのを選んでもいいかもしれない。今まで服装なんて気にしたことはなかったけど、これからは、何を着ようか楽しみで仕方なかった。  ……男子中学生なのに女児服を着るのが楽しみなんて、ちょっと変かもしれないけど。   (続く)

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十月兔

毎日の投稿ありがとうございます。 十月兔さんの作品はとても素晴らしく全て読まさせて頂いております。 質問なのですが、リクエスト等は受け付けていますでしょうか?

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