「おむつぐみ」(71)
Added 2020-05-12 11:30:45 +0000 UTC「んっ……」 二人からの歓迎の言葉に、和実は引きつったような笑顔で応じる。 (できれば直接、お礼を言いたいけど――) 和実は園門横の貴子に視線を送り、おしゃぶりに手を当てて「外してもいいか」と目線で問う。彼女が小さくうなずくのを見て、和実は口をふさいでいたおしゃぶりを外し、 「あ……」 おしゃぶりによって押さえつけられていたしたが、うまく回らない。まるで言葉をおぼえたばかりの赤ちゃんのようにたどたどしい口調で、 「あ、あの、さなえ、おねーたん、かおり、おねーたん、ありがとうございまちゅ。みーたん、ようちえんに、にゅうえんできて、とっても、うれちいでちゅ」 「わわっ、かずみちゃん、すっかり赤ちゃんになっちゃってるよっ!」 「『おむつ組』の園児らしくなったわね、カズミちゃん――それとも、みーたんって呼んであげたほうがいいのかな?」 「う、うん。みーたんのことは、みーたんって、よんで、くだちゃい……」 羞恥心に苛まれながらも、和実は精いっぱい赤ちゃんらしく言って、再びおしゃぶりを咥え直した。 早苗は元気よくうなずいて、 「はーい! そうだ、早苗がコサージュつけてあげるから、みーたん、じっとしててちょうだいね」 「んっ……」 手に持っていた花のコサージュを、自分よりずっと背の高い和実の左胸につける。その帯には拙い筆跡で、 「しんにゅうえんせい くらいし かずみちゃん」 と書かれていて、 (これも幼稚園の「お姉ちゃん」たちが、入園するみーたんのために作ってくれたんだ……) そんな風に考えると、コサージュのついてる胸元からも、「おむつ組」の園児になってしまった実感がしみ込んでくる。 「えーっと、次はなんだっけ……」 「シャシンのサツエーでしょ、サナエ。カズミちゃんがキネンサツエーするなら、そのあいだ待ってるのよ」 「あっ、そうだった! カズミちゃん、お母様、門の前でおシャシンをとるんでしょ? その間、サナエたち待ってるから!」 「ええ、二人ともありがとう。それじゃ、撮影させてもらうわね」 口がきけない和実に代わって、母親が受け答えをしてから、 「さ、和実。記念撮影するから、門の前の看板のところに行きなさい」 「んっ……」 たくさん当てたおむつのせいでがに股の、よちよち歩きになりながらも、和実は幼稚園の門の前、「陸奥学園附属女子幼稚園 令和*年度 特別入園式」と書かれた看板の横に移動する。そしてカメラを構える母親に向かって、ニッコリ笑顔を浮かべて―― 「うんうん、いいお顔ね」 女の子の赤ちゃんとして入園式を迎える15歳の息子の姿を、母親は楽しそうに撮影する。 「やっぱり幼稚園の制服は、幼稚園で撮影しないとね。ほら、おむつ交換してもらうときみたいなポーズを取って。おてては顔の横――そうそう、足は外側に開いて、膝とつま先は外側に向けて、がに股になって、いいわよ。じゃあ次は、お尻を向けて。せっかく可愛いフリルがついてるんだもの、撮らないともったいないわ。膝に手をついて、軽くかがんで――うんうん、そんな感じ」 「んっ、う……!」 ただでさえ恥ずかしい「おむつ組」の制服で、幼稚園にやってきて、リアル幼稚園児たちに見られながら「入園式」前の記念撮影をしている――しかも下半身のおむつを強調するような、あまりにも恥ずかしいポーズで。 異常なシチュエーションに、心臓はいっそう激しく高鳴る。そしてその動悸は吊り橋効果の如く、性的興奮を惹起して―― 「んうっ……」 もぞり、とおむつの中でうごめくものに、和実は小さく呻きを上げる。 一週間ものあいだおむつを当て、女児ベビー服を着て過ごしていてる和実だったが、それでもなお一線を画する羞恥に満ちたシチュエーションに、勃起がこらえきれなくなる。「おむつ組」の制服を着せられ、車に乗せられている間も、我慢汁を垂れ流している状態だったのだ。さらに早苗たちに見られたことや、歩いた拍子に擦れる物理的刺激、そしてこの記念撮影がきっかけとなって、今までぎりぎりのところで小康状態を保っていたペニスは一気に怒張し、おむつカバーの上からでさえはっきりわかるほどになっていた。 「あら、あら」 母親もすぐにそれに気付き、 「みーたんったら、自分のゾウさんを大きくしちゃうなんて、入園式が楽しくって仕方ないみたいね。じゃあ、もう一回こっちを向いて――またさっきと同じ、おむつ交換っぽいポーズで、でも今度は、おむつをもっと前に突き出すようにしてみましょうか」 「んぅ……ッ!」 「みーたん」になりかけている和実の心でも、あまりにも恥ずかしいポーズだった。なにしろ要求されているのは、赤ちゃんの女の子らしさではなく、赤ちゃんの女の子の格好をして勃起している変態少年としての行為なのだから。 しかし―― 「ん、うっ……!」 母親の命令――そして自分の内側から込み上げてくる、変態的行為への願望に逆らうことはできず、和実は肘を曲げて両手を顔の横に上げ、大きくがに股になったまま、ブルマーの股間にくっきりと張られたテントをさらに強調するかのように前に突き出す。 「うんうん、いいわよ」 降り注ぐフラッシュ。その白い閃光に、和実はいっそう昂奮を刺激されて―― 「んっ、ん、んぅーっ!」 おしゃぶりをかみしめ、ガクガクとみっともなく腰を震わせながあ、彼は入園式一回目の絶頂に達していた。 (続く)