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「おむつぐみ」(45)

「お待たせしました、こちらですね」  店員の声に、和実は不意を打たれて振り返る。体の向きを回転させるその動きに、下腹部の腹筋が大きく収縮して、膀胱が圧迫され―― 「あっ……」  まずい、と思った時には、もはや後の祭りだった。  昨日から三度のおもらしによって緩みやすくなっている括約筋が微かに開いて、内部の液体が尿道に流れ込む。一度開いた括約筋は内圧によってさらに大きく広がって、まるで大量の射精の如くペニスの内側をくすぐりながら、尿道口から外――たっぷりと重ねた布おむつへと溢れ出していった。 「あ、あ……!」  虚ろな声が漏れる。  ガクガクと膝が震え、立っているのも精いっぱい。周囲の客や店員が目を丸くして見つめていることがわかっていながら逃げることすらできず、ただカートのグリップを握りしめたまま、溢れ続ける「おもらし」の感覚に身をゆだねることしかできない。 (熱い……!)  おむつがじっとりと重く、熱く、濡れてゆく。たっぷり当てたおむつとぴったりなおむつカバーのおかげで横漏れこそしないが、周囲にもおもらししているのはバレバレで―― 「やだ、あの子、もしかして……」 「やっぱり? 本当におもらししてるのね」 「赤ちゃんプレイにしても、おもらしまでするなんて本格的ねぇ」 「ママに言われてやってるのかしら? それとも、本人の趣味で――」 「あんなにおとなしく従ってるってことは、本人の趣味じゃないかしらねぇ。でも、可愛いわ。うちの子もあんな風に赤ちゃん扱いしてあげたら、ちょっとは大人しくなるかしら」 「あははっ、いいわね、それ。うちの子も一緒に赤ちゃんにして、公園で遊ばせてあげましょう」  すぐ後ろの主婦たちのグループから、もはや遠慮会釈もない声が和実の耳に届く。 (嫌だ、嫌だ……こんなたくさんの人の前で、おもらしするなんて……!)  激しい羞恥と嫌悪に、泣きそうになる和実。いくら四度目とはいえ、心のほうは到底すぐに慣れるものではない。  しかし、身体は―― 「う、嘘……?」  ようやく長い放尿が終わり、すっかり軽くなった膀胱と引き換えにずっしり重く垂れさがったブルマーを見おろして、和実は愕然と呟いた。  黄色いギンガムチェックの吊りブルマーの前側、ちょうどゾウさんの名札がついているあたり――その下にある、和実のゾウさんが大きく猛って、嘶くように鼻を高々と上げた。前方に向かって大きくテントを張り、ブルマー全体が前方に引っ張られる。  同時に、残尿感にも似た強烈な疼きが、その先端を苛み始めていた。 「な、なんで、こんな……!」 「あらあら、これはちょっと、予想外ねぇ」  貴子は少し慌てたように言いながら、周囲の反応を窺う。  大騒ぎになるようなら、すぐに何とかしなければと考えたのだろうが―― 「ま、もしかしてあの子、おもらしして――」 「あらやだぁ。ふふっ、うふふふふっ……」 「おしっこだけじゃなくて、白いおしっこも出ちゃうのかしらねぇ」  笑いさざめく主婦グループ。親子連れの母親も、子供の目を隠したり、よそに注意を向けたりしているが、本人は好奇の目で食い入るように和実を見つめている。店員たちも全員が、レジの作業に集中して見て見ぬふりだ。  そんな周囲の反応に、貴子はいっそう大胆になる。 「あらあら、和実ちゃんったら、おもらししちゃったの?」 「う……うん……」 「うん、じゃ判らないわ。おもらししたのか、してないのか、はっきり口で言いなさい。もう幼稚園のお姉ちゃん――しかも本当は、高校生のお兄ちゃんだったんだから」 「う、ぐすっ……は、はい……おもらし、しちゃいました……」 「あーら、大変。はやくおむつを取り替えてあげないと、蒸れてかぶれちゃうわね。そういえば、お毛毛はちゃんと処理して、赤ちゃんおちんちんにしてある?」 「ううっ……はい……ぐすっ……ちゃんと、剃って、あります……」  あまりの恥ずかしさに限界を超え、涙声で答える和実。  そんな彼の態度は、いっそう貴子の嗜虐心を刺激して、 「ふふっ、偉いわねぇ。ちゃーんとおちんちんも、赤ちゃんになってるんだ。じゃあ、ちょっと確かめさせてちょうだい」  和実の肩に手を置いて、自分に向かって振り向かせると、その手を和実のブルマーの前――名札のあたりにおいて、ゆっくりと擦り始めた。 「い、いやっ――ひっ!」  ただでさえ敏感になっている、排尿直後の勃起。それをおむつ越しに擦られたのだから、ひとたまりもない。 「や、やだっ、こんな、ところで、んっ、あ、ああっ――!」  和実は拒絶の言葉とともに、貴子の手から逃げようとする。  しかしその声音は甘い響きを帯びていたし、逃げようとする動きも緩慢で、逆に自ら股間のふくらみを貴子の手にこすりつけて、ねだっているようにしか見えない。  そして―― 「あ、ああ、おっ――」  甲高かった声が不意に低く、淫らに下品なものに変わり――ガクガクと腰を震わせた直後、小水で濡れたおむつに、仕上げとばかりの精液が放たれていた。  どくっ、どくっ――  腰の奥から精液と共に、強烈な官能が溢れ出し、思考の一切が絶頂の快楽に白く染め上げられる。  和実自身は認めたくなかっただろうが、長時間にわたる「おむつ組」制服での外出で秘かに高まっていた昂奮が、おむつおもらしを呼び水として官能に変わり、これまで味わったことがないほどの快感をもたらしていた。  恥辱に震える心とは裏腹に、彼の体はもはやすでに、「おむつ組」制服での恥辱にまみれた生活を楽しんでいたのである。   (続く)


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