「ナオのはじめて」(6)
Added 2020-03-21 10:07:49 +0000 UTCシーン3.体育室 教室と同じくらいの、板張りの体育室。床にはマット、中央には跳び箱が置かれ、壁の一面は窓になっていて、外からの光が差し込んでいる。 そこへ―― 「はーい、水瀬ナオでーす!」 元気な声とともに入ってきたのは、もちろんナオだ。 服装は体育室に合わせた体操着。それも、今では学校教育の場から絶滅したブルマーだった。色は臙脂で、サイドに二本の白いライン。上は丸首シャツで、こちらも襟ぐりや袖口が臙脂になっていた。 (これ、ほとんどパンツを重ねばきしてるだけみたいで、恥ずかしすぎる……前も後ろもぴっちりだし、股間も、鼠蹊部まで見えちゃいそうなくらいだし……) (昔の子はこんな格好で体育の授業を受けてたなんて、信じられないよ……) (俺たちのころはもう、ハーフパンツだったからなぁ……まさか女の子が穿いているのを見る前に、自分が穿くことになるなんて……) 「どう? ナオのブルマ、可愛い?」 ナオは誘うように言いながら、足の位置を入れ替えてこちらにお尻だけ向け、揺らしてみせる。 引き締まった臀部に、ぴったりと密着するブルマー。太ももの付け根ぎりぎりからすらりと伸びた手足が、可愛らしくも性の萌芽をうかがわせる。 「えへへっ、可愛い? よかった」 素直ににっこりと笑うナオ。しかし次の瞬間、少し恥じらったように頬に手を当てながら、 「……ん、でも、ちょっと見つめ過ぎ。もう、えっち」 怒ったように言うが、まんざらでもなさそうだ。自分の魅力を自覚しているようで、しかし男性からの性的な視点の本当の意味には気づいていない――そんな危うい年頃だった。 無垢な小悪魔。 まさに、水瀬ナオのプロフィールページに添えられたキャッチコピーの通りだった。 (だーれが、無垢な小悪魔、水瀬ナオだか――本当は18の男、皆瀬直樹だっての!) (でも、小悪魔な女の子の演技ができるなんて、自分でもびっくりだな。「理想の女性を演じられるから、男受けする女性の演技は男のほうが上手い場合がある」って話を聞いたことはあるけど、こういうことなんだろうなぁ……) (……小悪魔女子小学生の演技が上手いだなんて言われても、素直には喜べないけど) 「さーてと! まずは、準備体操! いちにっ、いちにっ」 ナオは部屋の隅に置いてあったラジカセを再生して、ラジオ体操を始める。 腕を伸ばし、脇腹を伸ばし、背筋を伸ばし、股関節を伸ばし――周囲を回るように移動する視点に映る一挙手一投足が、何ともセクシュアルだ。ブルマーから伸びるすらりとした太腿と、いやがうえにも強調される腰のライン――さらにローライズ気味のため、飛び跳ねたり上体を逸らしたりすると体操着の裾からおへそが覗く。 一通りストレッチを終えると、ナオはいったんカメラにお尻を向ける。みっちりとしたお尻に食い込んだ、ややきつめのブルマーを手で直す様子を見せつけた。 (ただのラジオ体操が、こんなに恥ずかしいだなんて――) (しかもこのブルマー、ちょっとサイズが小さくて、動いてるとお尻がはみ出そうになっちゃうし、直す様子も映るようにって言われてるから、二重に恥ずかしいよ……) 体操を終えると、ナオは部屋の中央に置かれた跳び箱に向かう。 高さは五段、小学生でも十分に飛べる高さである。ナオも軽く手をついて、前後にポンポンと飛んでゆく。ブルマーというだけでも、なかなか目の保養になる光景であったが――ふと途中で失速し、跳び箱の上に両足を広げて跨る体勢になる。 背中に手をつき、胸を逸らしたナオの姿を、下から見上げる。その角度は、黒板を男性の体に見立てた騎乗位の視点だ。 ブルマーに包まれた股間が強調され、その向こうから、ちょっぴり淫蕩に笑うナオの顔が見下ろしている。さらに体操着の裾をゆっくりとたくし上げ、わざと突き出すようにしたお腹が露わになってゆき、胸元にピンクの何かがチラリと―― 「んふっ」 ナオはじらすように体操着の裾を下ろし、身体の前後を入れ替えた。 しばらく顔をこちらに振り向けて、ブルマーに包まれたお尻を前後左右に揺すって見せつけた後、今度は腰を上下にグラインドする。 ぎしっ、ぎしっと跳び箱が鳴る音さえ、どこか淫らな想像を喚起する。 (完全にこれ、騎乗位セックスの体勢だよなぁ……うう、女の子にさせるどころか、自分が女の子になって擬似騎乗位ポーズすることになるなんて……) (下から男に見上げられてるなんて、想像するだけでも寒気がしてくるよ……カメラでも充分恥ずかしいし、これを見た男たちが、俺の騎乗位を妄想してシコシコするんだって思うと、それも嫌だけど……) さらにナオは、上体を前に倒す。顔が見えなくなった分、お尻がさらに強調される。それと同時、男性の胸元にお尻を乗せた少女がフェラチオのために顔を伏せているような、そんなシチュエーションをほうふつとさせた。 (続く)