「おむつ組」(30)
Added 2020-03-02 10:51:24 +0000 UTC「はっ、恥ずかしいっ……!」 思わず声に出して呟くが、尿意もすでに限界。膀胱は痛みを発するほどで、反射的に括約筋を絞めて漏らさないようにしているが、ちょっとでも緩めたら、たちまち溢れ出すことだろう。 (でも、出さなきゃ、いけないんだ……!) 鏡に映る、幼女のような自分を見つめながら、深呼吸を繰り返して股間に――小水を堰き止めている緊張を、ゆっくりとほどいてゆく。 おもらしはこれで三回目。すでにその感覚も判っている。すぐに水門に隙間が生まれ、熱い液体が溢れ出して――下半身をじわじわと浸す熱い温度と、かすかに漂い始める尿の匂いに、 「ん、う、ぁ……!」 甘く切ない声が漏れる。しかも目の前の「少女」を見れば、泣きそうな、しかしどこか恍惚とした表情を浮かべていて、 (な、なんだよ、これっ……! これじゃまるで、おもらしに、感じちゃってるみたいじゃないかっ……!) ちょろちょろと、尿道をくすぐりながら漏れる小水にひくひくと腰を震わせながら、当てたおむつがじっとりと熱く、重くなってゆくのを感じる。それに伴って、ロンパースの前も徐々に垂れ下がってきて、見た目でもおもらししているのがはっきりと判った。 「はぁー、はぁーっ……」 長いおもらしの後、ようやく膀胱の中が空になり、下腹部がすっかり軽くなる。しかし軽くなった分だけおむつが重く、熱くなり、 「おもらし、全部出せた?」 「う、うん……」 「じゃ、交換してあげるから、そのまま寝転がりなさい。おむつを取り替えてあげるから」 「う……お、お願い……」 昨日も見られているとはいえ、恥ずかしさに胸が締め付けられる。状態を倒して寝転がると、チュニックの裾をぎゅっと握りしめる。 その間に母親は、鏡をどけて息子の前に座り込み、ロンパースのボタンを外し、おむつカバーを外し、おむつを露出させる。たっぷり10枚当てたはずなのに、表面もじっとりと濡れているほどで、アンモニア臭がいっそう濃くなった。 「一晩分だと、やっぱりいっぱい出てるわね」 「う……そんなに、水は飲んでないはずなのに……」 「ダメよ、和実。水分不足を起こしたらどうするの。おもらししたら取り替えてあげるから、ちゃんと水を飲みなさい」 「そんなぁ……」 和実がぼやいている間に、おむつを剥がされ、ペニスの周りを丁寧に拭かれ――足を突っ張ってお尻を持ち上げている間にお尻も拭かれて、下のおむつもどかされる。 「ベビーパウダーも、つけてあげないとね」 アンモニア臭を上書きする、タルカムの甘い匂い。まさに赤ちゃんの匂いで、和実はきつく目を閉じて、耐えがたい羞恥に身を震わせる。 母親はパフを使って、まずはお尻にベビーパウダーをはたいてから、その下に新しい水色のおむつカバーと、10枚の布おむつを敷きなおし、 「はい、お尻を下ろしていいわよ」 「ほっ……」 ようやく下ろすことができて、和実は一息つく――が、すぐに今度は下腹部から陰部にかけてパフをはたかれて、また喘がされる。 「うーん、おむつを替えるときにいちいちお尻を上げさせるの、何かいい方法はないかしら。赤ちゃんと違って、一人だと脚を持ち上げながらお尻を拭いたり、はたいたりするのは大変だし。和実もあの体勢、疲れるでしょ?」 「な、なら、おむつに出すのをやめれば……」 「ダメに決まってるでしょ。そのあたりも今日、園の人に相談してみようかしら」 パフが済むと、再びおむつを当て直し、おむつカバーのスナップボタンも留めて、太腿の間からはみ出しているおむつを中にしまい込む。 「ホッ……」 たっぷりと重なった乾いたおむつに包まれると、ついついホッとする。さらにおむつカバーの上から、ポンポンと母親に叩かれて、その口から甘い喘ぎが漏れた。 「どう? 新しいおむつは、気持ちいいでしょ?」 「う……ぬ、濡れてるのよりはましだけど、気持ちよくなんか……!」 「いいじゃない、そんなにムキにならなくても。じゃ、後はロンパースを脱がせてあげるから、後ろを向きなさい」 「う、うん」 和実は赤い顔で立ち上がり、母親に背中を向けて、縦に並んでいるスナップボタンを外してもらう。 (やっと、ピンクのロンパースを脱ぐことができた……) (でも、裸におむつカバーだけっていうのも、これはこれで恥ずかしいし……) (それに今から、もっと恥ずかしい制服を……!) おむつカバー姿になった和実は、ベビールームの壁にかかった「おむつ組」の制服の前に立つ。 丸襟ブラウスにピンクのリボン。水色のダブルボタンイートンジャケットに――タンポポ色のギンガムチェックが可愛らしい、肩紐付きのベビーブルマ―。赤いチューリップ柄の名札と、黄色い通園帽子、レース付きの白いソックス。隣には、前側がギンガムチェックになったピンクのスモック。 これが和実の在籍する、陸奥学園附属女子幼稚園の――それも年少組よりさらに下の、「おむつ組」の制服だった。しかも幼稚園でだけではなく、今日でかけて普段着を揃えるまではこれを着るように言われていて―― (今日はこれを着たまま、あっちこっちに出かけて、幼稚園生活に必要なものを揃えないといけないんだ――) どれほど羞恥に満ちた「お出かけ」になるのかと、和実は不安と恐怖に身震いするのだった。 (続く)