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「おむつぐみ」(19)

 和実の母親から必要なものを受け取った千代も、すぐ後ろから階段を上ってきて、 「ふふっ、和実ちゃんのふりふりお尻が目の前で揺れて、可愛い~♡」 「ちょっ、ふ、藤原さん!?」 「あっ、隠さないでったら! いいじゃない、減るもんじゃなし、見せてくれたって」 「減るよ! なんかこう、心のHPが!」  真っ赤になりながらも二階に上がり、廊下の突き当りにある扉――すぐ隣の部屋に寝起きしていながら、10年以上その内部を知らなかった「ベビールーム」へと案内する。  勇気を振り絞って開けると、一面ピンクのベビールームに、 「わぁっ、可愛い! 和実ちゃん、こんなお部屋に住んでたんだぁ!」 「違うから! これはお母さんが――」  釈明しようとしたところで、はたと室内の佐々木楓子に気付く。 彼女はおしめ交換シートの横に座って、くすくす笑いながら、 「お帰り、和実くん。いろいろあったみたいね」 「うん、まぁ……」 「そちらの子は、お友達? それとも、彼女さん?」 「ち、違います! この子は――」 「初めまして。和実ちゃんの友達で、藤原千代と申します。よろしくお願いいたします」  丁寧に頭を下げる千代に、楓子もお辞儀を返し、 「この裏に住んでる、佐々木楓子です。よろしくね、藤原さん――って、もしかしてあの藤原さんかしら?」 「どちらか判りませんが、薄暗い森の中にこもっておりますわ」 「あらあら。藤原のお嬢様にお見舞いに来てもらえるなんて、和実くんも隅に置けないわね」 「う……うん」  和実は照れながらも素直にうなずく――返す返す、こんな事態になっていなければと悔やむのだが。  しかし考えに浸っている暇はなく、両側から千代と楓子に腕を取られて、 「さ、和実ちゃん。バタバタあって長くなっちゃったけど、とにかく、床に寝転がって」 「私たちがおむつを替えてあげるからね、和実くん」 「あ、あ……」  二人の女性――それも両方とも美人に挟まれて、和実はどぎまぎする。だが向かう先はもちろんベッドではなく、床に敷かれたおしめ交換用のマット――言われるがままお尻をおろして、寝転がる。  ただでさえベビー服めいた「おむつ組」の制服。その格好で仰向けになり、膝を立てて足を広げ、両手を外側に置く。その体勢で、両側に座った二人の女性に見下ろされると、赤ちゃんになってママを見上げるような気分になる。  千代も同様らしく、 「ふふっ、こうして和実ちゃんを見下ろしてると、お姉ちゃんって言うより、ママになったみたい。はーい、和実ちゃーん、ママですよー」 「ふ、藤原さーん……恥ずかしいから、あんまり……」 「えー、せっかくなんだから、開き直ってなりきっちゃったほうが楽しいんじゃないかな。ほら、ママって呼んでちょうだい」 「うう……ま、ママ……」  勢いに押されて、、和実はためらいがちに口にする。その瞬間、羞恥が水に落としたインクのように胸に広がったが――不思議と、いやな気持ではなかった。  千代も口元を押さえて、 「わ、わっ……こんなかわいくなった倉石くんに、ママって呼んでもらえるなんて……ああ、嬉しい……! うんうん、それじゃあママが、和実ちゃんのおもらしおしめ、取り換えてあげますからね~」  さらにウキウキといいながら、 「じゃあ、佐々木さん。私がメインでやっていいですか?」 「ええ、お願い。あたしもできるだけ、藤原さんをサポートするわ。こんなに大きな赤ちゃんだと、一人だと大変だろうからね」  言葉を交わして、千代は和実の正面――レース付きソックスを履いた足の間に膝を詰め、ブルマーを真正面から覗き込む位置に移動する。 「さーて、すっかり待たせちゃってごめんね。すぐにおもらしおむつ、外しましょうね~」 「う、うん、お願い……」  恥ずかしくて死にそうなことに変わりはなかったが、一方でおもらしおむつの不快感も限界まできている。生温かかった時は気持ちいいとさえ感じていたが、次第に冷たくなったおむつは体温を奪い、ピリピリとした刺激も増すばかりなのだ。 「まずはお股のスナップボタンを外してっと。おむつ交換のたびに、いちいちブルマーを脱がせなくてもおむつ交換できるようになってるの、ほんとに便利。制服そのものも、ちゃんとおむつに排泄すること前提になってるんだね」 「う、うん……でも、普通にトイレに行かせてくれればいいのに……」 「言ってもしょうがないでしょ? 大丈夫よ、ママが取り替えてあげますからね~」  楽しげに言いながら、千代はクロッチ部分のボタンをプチプチ外してゆく。すべて外れたところでめくると、露わになった水色のおむつカバーと、白いブラウスの裾に、 「中にはちゃんとカバーもつけてるのね。なら、おしっこで汚れちゃわないように、ブルマーとブラウスを上げちゃおっか。ちょっとお尻を浮かせてくれる?」 「う、んっ……」  和実は床についていた足裏で踏ん張り、床からお尻を持ち上げる。  その間に、千代はブルマーの両脇に手を差し込んで、ブラウスやスモックもろとも引き上げる。真っ白なお腹やわき腹も露わになり、いよいよ下半身はおむつカバー一枚だ。 「はーい、和実ちゃん。もう下ろしていいわよ」 「ほっ……」  大きく息をついてお尻を落とす和実。そんな彼に、 「よくできました。いい子いい子」  千代は上半身を乗り出すようにして手を伸ばし、頭を優しく撫でる。 「う、う、う……」  徹底した「娘」扱いに、和実はまた赤くなって口ごもるが―― 「じゃあ――おむつ、取り換えてあげるね」 「うん……」  ついに近づくその瞬間に、和実はごくりと喉を鳴らした。   (続く)


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