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第8話「女児服とごっこ遊びと」(17)

「はぁっ、はぁっ……うう、ブランコにのっただけなのに、ひどいめにあった……」  幼稚園の敷地の隅で、夢月は荒い息をつく。  およそ一週間前に始めて以来、謎のアプリ「おもらしガールリンク」は毎日のようにとんでもない「イベント」を起こしていたが、今日はまた格別だった。  ごっこ遊びで「幼稚園児の妹」の役を割り振られ、年少組用のピンクの幼稚園制服への着替えから、聖ジョアンナ女学園附属幼稚園への登園。さらには園で開かれていた附属高校生徒との「交流会」に参加させられ、自分よりずっと年下の――しかし自分よりずっと大人びた紺の制服を着用した年長組の女児たちに交ぜてもらうことになってしまったのだ。しかも勃起が窮屈そうだからと、先生に下着を脱がされて。  屹立した竿がスカートをのれんのように押し上げているみっともない格好で、お歌をうたったり、お勉強したり――今は、スモックの遊び着に着替えて校庭でみんなと一緒に遊んでいるのだが、それすらも羞恥に満ちていた。  立て続けの出来事で、まったく現実感がない。夢ならば覚めてくれと頬をつねるが、痛覚は非常な現実を突きつける。 「いてて……やっぱり、ゆめなんかじゃないよね……」 唇と舌先には、先ほどのブランコで触れた少女の秘裂の感触が、焼け付いたように残っている。思い出すだけで、顔どころか全身が熱くなってくる。 「だ、だめっ、がまん、できないっ……!」  夢月はスカートの上から、屹立する強張りを握る。あふれた先走りは竿全体を濡らしていて、厚手のスカートの表面にさえシミを浮かび上がらせるほどだった。 「だしたい……でも、ここじゃ……」  呟いて、あたりをうかがう。他の園児たちは、遊具や砂場の回りで遊ぶ子たちと、校庭の中心で大縄跳びをしている子たちに分かれているが、いずれもそれぞれの遊びに夢中で、誰もこちらを見てはいない。 「でもここだと、みんなにみられちゃうから、やっぱり、できないよぉ……」  こっそり抜け出して園舎の裏に行くという発想すら出てこない。アプリによる知能低下は、そんなところにも作用していた。 「はっ、はぁっ……」  隠れる知恵も、出す勇気もなく、夢月はただ荒い息をついて、スカートの上から竿を握り、じっと勃起の痛みをこらえることしかできない。 そこへ、 「むーちゃん、そんな隅っこにいて、どうしたの?」  突然声を掛けられた夢月は、ハッとしてそちらを見る。  少し離れた場所にある砂場から、女子高生が近づいて、声をかけてきた。  桜色のセーラー服に、赤のスカーフとベルトは聖ジョアンナ附属高校の制服。小柄でスレンダーな体つきながらも胸は大きく、丸顔で垂れ眼がちな顔立ちに、黒髪をハーフアップに結い上げたその容姿は、清楚かつ小動物系の可愛らしさを兼ね備え、いかにも男子受けがしそうだ。  胸元についている保育士用の名札に「りの」と書かれているのを見て、夢月は「お遊戯会」最初の挨拶を思い出す。 (えっと……たしか、望月莉乃、って名乗ってたっけ)  莉乃は、高校生の自分より大きい「年少さん」の夢月に手を差し伸べて、 「ほら、お姉ちゃんたちと一緒に、砂場で遊びましょ?」 「えっと……う、うん……」  「お姉ちゃん」に逆らえず、夢月は大人しくうなずいて、莉乃の手を握る。 (砂遊びを見ていれば、気がまぎれるかもしれないし……) (それに、ブランコや縄跳びと違って、砂場なら、そんな変なことにはならないよね……)  莉乃に連れてこられた砂場は、木材で周囲2メートルほどを区切り、中に砂が敷き詰められていた。  10人ほどの少女が、水を吸わせた砂をこねて、一生懸命に何かを作っていたが、 「はーいみんな、むーちゃんを連れてきたわよ」 「あ、むーちゃんだぁ!」  振り返って夢月の姿を認めると、無邪気に笑う。  夢月は自分の姿を恥じながらも、少女たちの笑顔にほんの少し癒される――が、 「むーちゃん、また見せてー!」 「み、見せてって、何を――って」  訝りながらも、何気なく少女たちが作っているものを見た夢月は、声を上ずらせて叫んでいた。 「えぇっ!? そ、それ、まさか……おちんちん!?」  そう。彼女たちが砂で作っていたのは、直立した円筒の先端に、下側をつぶしたような楕円球を載せ、その根元に二つの球形を添えた――なかなかにリアルな造形の、男性器だったのである。  たった今の少女の言葉とも合わせて、夢月は彼女たちが何を作っていたのかを察する。 「ま、まさか、みんな、むーちゃんのおちんちんを……!?」 「うん! どお? あたしの、じょうずでしょ!」 「あたしのほうがじょーずだもん! ほら、こんなにおっきい!」 「えー、あたしのおちんちんのほうが、ちゃんとしてるよー」  自分の作品こそが一番と、少女たちは次々に主張する。確かに大きさ、造形の細かさなど、少女たちの個性が出ていて面白かったが、園児たちに自分の男性器を作られた夢月はたまらない。 「そ、そんなもの、つくらないでよぉ!」 「あら、いいじゃない。みんな頑張って、むーちゃんのおちんちんを作ったんだから」  いつの間にか背後に回った莉乃が、そう言いながら夢月の脇の下に手を差し入れ、ひょいとその場に座らせる。 「わっ、り、りのせんせいっ……!?」 「でね、やっぱりみんな、作るなら夢月ちゃんのおちんちんをちょくせつ見ながらがいいって言ってるの。だから協力してちょうだい、ねー?」  そう言いながら夢月の背後に座ると、両腕を絡めて肩関節を極め、腕の動きを封じる。脚のほうも、夢月の足首に膝裏を絡め、内側から開くようにM字開脚の体勢を取って、大きく左右に開かせた。 「やっ、やぁっ!?」  かろうじてスカートがかぶさっているとはいえ、少女たちに向かってペニスを向けるような開脚状態。しかも背後には、莉乃の体がぴったりと密着していて、背中に当たる二つの大きなふくらみと、じっとりと伝わる体温に、さらに昂奮が高まってしまう。 「ふふふ、お姉さん、こう見えて寝技は得意なんだよ? 諦めて、大人しくしてちょうだい、ね?」 「う、うう……」 「うんうん、聞き分けてくれて、嬉しいな。いいこいいこ」  夢月の肩関節に搦めた腕で、莉乃は器用に彼の頭を撫でる。 「じゃ、雛子ちゃん、むーちゃんのスカートをめくってくれる?」 「はい!」  お嬢様っぽい驕慢そうな顔をした、ツインテールの少女が立ち上がる。  優雅に近づく彼女の姿に、夢月は真っ赤になって首を振る。 「やっ、いや、あっ……!」 「それじゃあむーちゃん、雛子たちに、おちんちんを見せてちょうだいね」  雛子は上品に笑うと、夢月の下半身を覆っている最後の一枚をめくりあげた。   (続く)


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