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第8話「女児服とごっこ遊びと」(11)

 そして―― 「は、はじめまして、ねんしょうぐみの、みむら、むつきです」  「お遊戯会」が始まるまで年長組の園児たちが待っているレクリエーション室――通称「お遊戯部屋」で、三村夢月は少女たちに見られながら自己紹介していた。  こうした形での「自己紹介」は、前回の小学校から三日ぶり。しかしその恥ずかしさは、小学校の時より格段に上だった。  何しろ目の前の床に座っている少女たちは、前回の小学五年生よりもさらに小さい、幼稚園の年長さん――身長も、夢月より頭一つ分以上低い子ばかり。なのに着ている制服は、夢月と同じデザインの色違いで、年長さんの紺の制服。自分が着ている年少さん用のピンクの制服と比べるとなおさら恥ずかしい。  部屋自体も、とうぜん小学校より幼い印象だ。壁は水色の空に白い雲と黄緑色の草原、赤い服を着た女の子や小さな家、可愛らしい動物たちなど、いかにも幼稚園らしい絵が描かれていて、床もパステルカラーの壁面にカラーマットが敷いてある。もしもこの部屋に一人だったとしたら、それこそ本当に幼稚園児になってしまったような錯覚に陥ってしまっただろう。  しかし――隣には女性保育士の佐々木志乃、目の前には年長さんの少女たちがいる状態では、そんな錯覚すらも許されない。なにしろこの部屋にいる中で、夢月がいちばん背が高いのだ。本当は高校生――それも男子なのだと、いやでも自覚せざるを得なかった。 (あ、あ、あ……!) (俺、志乃先生よりも背が高いのに、年少組の女児制服を着て、年長組の「お姉ちゃん」たちに挨拶してるんだ……しかもこんな、幼稚園児みたいな、口調で……ほんとうは、男子高校生なのに……!)  なまじ思考のほうはきちんとしているだけに、幼児退行という逃げ場すらなく、夢月はただひたすら辱められながら、園児たちの前で自己紹介を続ける。 「むーちゃんも、しのせんせいにおねがいして、きょうの、おゆうぎかいに、とくべつにいれてもらうことになりました。ねんちょうさんのおねえちゃんたち、どうか、むーちゃんってよんで、なかよくしてください」  そう言って、夢月は頭を下げる。すると、隣の志乃先生から注意が入る。 「違うわよ、むーちゃん。聖ジョアンナ式の挨拶をなさい」 「あ……!」  三日前にしたことを思い出し、夢月はかぁっと頬を赤らめる。どうやらあの「挨拶」は、全学共通らしい。  夢月はあらためて、自らの手でスカートの裾を掴んでめくりあげる「聖ジョアンナ式」の挨拶で、 「どうかむーちゃんと、なかよくしてください!」  少女たちに自分のスカートの内側――可愛らしいギンガムチェックのインゴムショーツを見せながら、ペコリとお辞儀した。  すると今まで大人しく聞いていた少女たちも、 「はーい!」  一斉に手を上げて、元気よく笑顔で返事する。  そんな少女たちの反応に、夢月が微かに安堵してスカートを下ろしていると、 「はい、夢月ちゃん。よく言えましたね」  志乃先生が引き取って、あらためて説明を始める。 「さてみんな、夢月ちゃんはね、ほんとは、聖ジョアンナ幼稚園の年少さんじゃないの。見てのとおり、ほんとはみんなよりずっと年上――高校生の、お兄ちゃんなのよ。さっき、夢月ちゃんの可愛いパンツがおちんちんでふくらんでるの、みんな見たでしょ?」 「うん!」  志乃先生の異常な問いかけに、園児たちは平然と返事する。 (や、やっぱりバレてる……そうだよね、ごまかしようがないもん……)  夢月がまた赤くなっていると、 「もっかい! もっかい見せてー!」 アンコールを要求する子もいて、 「しょうがないわねぇ。むーちゃん、もう一回見せてちょうだい。せっかくだから、パンツも膝まで下ろしてからめくってちょうだい」 「う……は、はーい……」  夢月は大人しく、スカートの中に手を入れ、軽く前かがみになってショーツを下ろす。くるくると丸まったピンクの下着を膝に引っかけると、改めてスカートを掴み、ゆっくりと持ち上げて―― 「すごーい!」 「ほんとにおちんちんだぁ!」 「お兄ちゃんのよりおっきーい!」  少女たちの歓声に、夢月は泣きそうになりながらも必死で笑顔を作る。  可愛らしい幼稚園の制服にはそぐわぬ、それこそ園児たちの手首よりも太いペニス。先走りで濡れた艶やかな亀頭から、青く血管の浮き出た竿、ぎゅっと収縮している陰嚢まで、はっきりと露わになっていた。園児服を着せられた時から狂おしいほどに怒張していた少年の証は、もはや一触即発。いつ射精してもおかしくない。ショーツを脱いでいる間ですら、スカートに亀頭がこすれて危うく暴発するところだった。  しかも――それを見ているのは、本物の幼稚園児たち。あまりにも異常なシチュエーションだったが、 (ああ、見られてる、見られてる――!) (本当は高校生のお兄ちゃんなのに、年少さんの園児服を着て――昂奮して、勃起してるところを、年長さんたちに見られてる――!)  夢月はさらに昂奮して、さらに先走りを漏らしてしまうのだった。   (続く)


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