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第7話「巨乳とアルバイトと」(10)

「い、いやあの、今朝も言った通り、ほんとに気にしなくていいから!」  香澄よりもさらに真っ赤になって叫ぶ夢月。回避できない事態ならともかく、こうして恥ずかしそうにしている香澄のおっぱいを揉むのは、根は純情な童貞である彼には難易度が高かった。  すると香澄は怒ったような表情で頬を膨らませて、腰に手を当てて前かがみになる。そうすると余計に、ずっしりと重たげなバストが揺れるのがよく見えて――夢月はさらに、ドギマギする。 「ふーん。あたしのおっぱいには、興味ないんだ。大きいのには興味ない? それとも、自分のがあるからいいとか?」 「いや、あの、興味がないわけじゃなくて、その、興味はあるけど、無理を言ってまで揉む気はないっていうか、なんだか悪いっていうか……!」  繰り言のような夢月の言葉を、香澄はじれったそうに聞いていたが、 「あーもう、この鈍チン!」  そんな叫びとともに、太腿の上に置いていた夢月の手首が掴まれて持ち上げられ、手のひらが胸元に押し付けられた。 「か――」  香澄さん、と言おうとした口が、驚きに止まる。  ブラウス越しに手のひらに当たる感触に、夢月の喉が干上がる。自分の乳房よりもはるかに柔らかく、搗き立ての大福もちのようだ。 「ほ、ほら、どうだ! あたしのおっぱいの感想は!」 「う、す、すごい……!」 「むふふー、だろ、だろ? 意外とイケるだろ?」  香澄は鼻息をつきつつ、真っ赤なままどや顔になる。 「そうだ! 無理に手伝わせちゃったんだし、あたしからも、何かお礼をしないとな! ほら、ちょくせつ揉ませてあげるよ」  そう言って、いそいそと胸元のブラウスを外す。広げたピンタックブラウスの間から溢れ出すようにして露出した肌色の谷間に、夢月はまた及び腰になって、 「い、いいって! その、もう充分に、堪能したし――」 「なによー、ひょっとして、引け目感じちゃったりしてるの?」 「う……」  香澄の指摘に、夢月は黙り込む。  ここ一週間の制服やウエイトレスなどの女装や、今日の巨乳化、そしてそれを不自然と思わない彼女たちの反応など、元をたどれば妹の勧めで始めたアプリに起因する。言ってしまえば、こうしてアプリの起こす「イベント」に付き合わされている香澄たちは、その影響を受けている被害者なのだ。  そんな彼女たちに、いくら本人の望みとはいえ便乗して胸を触ったりするのは卑怯な行為である。認知と意志そのものが歪められている、いわば催眠状態なのだから。  しかし―― 「なんかワケアリみたいだけど、あたしがいいって言ってるんだから、いいのいいの。ほら、なんか悪い気分だって言うなら、夢月ちゃんもブラウスのボタン外して、おっぱい見せてよ」 「う……うん……」  あっけらかんという香澄に押されて、夢月自身も、自分のブラウスの胸元のボタンに手をかける。フリルのついた立ち襟の第一ボタンは止めたまま、第二、第三ボタンを外すと、すでにブラジャーが外れて締め付けのなくなっている乳房が、ブラウスを押し広げるように零れだしてきた。 「おおー、夢月ちゃんのおっぱいもなかなか。だけど、これはどうかな?」  香澄は言いながら、ブラのフロントホックを外す。途端に、その質量に垂れ下がった乳房が、ブルンという擬音がつきそうな勢いで揺れて、桜色の乳輪と、その中心にある乳首までもが露わになった。 「ごくっ……!」  反射的に目が釘付けになり、生唾を嚥下しようとした喉が鳴る。 「むふふっ、いいよいいよ、その反応」  香澄は愉しげに言いながら、ブラジャーを左右に広げつつ、体と乳房を軽く左右に揺らして夢月を誘う。 「さ、遠慮なくどうぞ」 「う――うん」  夢月はゆっくりと腕を伸ばし、自分から香澄の乳房に手を触れた。  手のひら全体に水風船のような柔らかな感触が伝わり、火傷しそうなほどの体温が肌を蕩かす。筋肉の関係か、夢月自身や神奈のそれよりも弾力は少なかったが、その柔らかさは極上としか言いようがない。広げた手のひらで軽く握っているだけなのに、乳房は指の股の間にもむっちりとせり出して来て、そのまま沈み込んでしまうのではないかと思われるほどだった。 「どう? あたしの、おっぱい?」 「す、すごい……最高――!」  ただでさえ乏しい夢月の語彙力と、快感に停止した脳の処理能力では、そう答えるのがやっとだった。無我夢中で指を動かしていると 「んっ……! 触り始めると、意外とがっついてくるんだね……いいよ、そういうの……」 「あ、ご、ごめん……あんまり気持ちいいから、つい……」 「むふふ、そりゃよかった。そうだ、もちろんさすがに母乳は出ないけど、あたしのおっぱい、吸ってみる?」 「か、香澄さんの、おっぱい、を……?」  言われて、夢月の視線が乳房の尖端に吸い寄せられる。 ややとがった先端の、桜色に変じた丘陵と、その中心の頂き。先ほどよりもかすかに赤らみ、朱色の宝石のようにきらめいていた。 「うん。ほーら、召し上がれ」  香澄はゆっくりと前かがみになり、その左乳首を、ゆっくりと夢月の口元に近づける。 「……………………!」  予想だにしていなかった展開に、夢月はもはや何も考えられない。ただ目を大きく見開いたまま、口元に近づく朱色の肉芽を見守って――   (続く)


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