第7話「巨乳とアルバイトと」(8)
Added 2019-12-02 09:30:06 +0000 UTCそんなこんなでウエイトレス業に専念するうち、二時間はあっという間に過ぎ去って、 「うう、疲れた……」 ロッカールームに戻った夢月は、壁際のチェアに腰掛けたままぐったりと呟いた。 ただでさえ初めての接客業務に加え、今までの人生には無かった胸元のFカップと、それを強調するようなウエイトレスの制服。タイトスカートとヒールのついたパンプスも生まれて初めてで、動きにくさが余計に女装していることを意識してしまう。 業務そのものはミスもトラブルもなく済んだものの、お客さんたちは揃って「その制服はどうしたの?」「大きいおっぱいね」「もしかして男の子?」という、最初の女子高生たちと同じような質問を浴びせてくるし、中には胸やスカート、お尻を撫でてくる人までいた。いずれも女性ばかりだったのは、この事態を引き起こしているアプリのせめてもの配慮なのだろうが、恥ずかしいことには変わりなく――さらに勃起もますますみなぎって、射精禁止の身にはただ苦しいばかりだった。 ウエイトレス制服から着替えるだけの元気もなく、だらんと下した両腕で大きな乳房を挟み込むようにしながら座りこむ。そこへ、 「お疲れー」 少し遅れて入ってきた香澄が、彼をねぎらう。 夢月も慌てて顔を上げ、 「あ、ありがとう。久能さんも、お疲れさま」 「香澄でいいよ。あたしも夢月ちゃんって呼ぶから」 そう言って、にやりと笑う。 「いやー助かったー。さすがにあたしと綾音さんだけだと手が回らなくてさー。感謝感謝。それにいろいろ、夢月ちゃんの可愛いところも見れたしね」 「うう、もうちょっと助けてくれてもよかったのに……」 「ごめんごめん。ほら、お詫びに――」 ふいに頭上が陰る。前に立っていた香澄がさらに体を近づけて、前かがみになって壁に肘をつき、股の間を割るように膝を入れて、顔を近づけてきたのだ。 「あ、あの、香澄さん……?」 間近に迫る、香澄の顔。眠たげな二重瞼に赤縁の眼鏡、低い鼻と、ふっくらと厚ぼったい唇――いわゆる美人ではなかったが、にやりと笑うとどこか愛嬌があり、さらにこうして間近で見ると、エロティックですらあった。 「疲れてるんでしょ? おっぱいマッサージしてあげる」 「え、いや、別に――ちょっ、何を……!?」 いきなり背後に手を回されて狼狽する夢月だったが、背中でプツっと音がしたかと思うと、アンダーバストの締め付けが一気に緩んだ。さらにブラウスの上から、肩のストラップも外される。 「ホック、外してあげたの。胸が重いと、ブラの締め付けもきついっしょ? 少しは楽になった?」 「う、うん。ありがとう……」 夢月は安堵の息をつく。 ここ一週間はブラジャーをつける生活だったため、今ではほとんど意識していなかったとはいえ、締め付けが外れるとほっとする。特に今はバストが重いため、肩や胸に当たるブラジャーの圧迫もきつくなっているのだ。 しかしそうなると、ウエイトレス制服の胸元がいっそう垂れさがって乳袋状態になり、 (う……ノーブラ状態みたいで、なんだか余計に、えっちなことになっちゃってる……) 顔を赤くしながら、自分の胸元を見つめる夢月。 その両肩に香澄の手が掛かり、ハッと顔を上げて香澄を見上げると、 「んふふっ、おっぱいが大きいって、大変でしょ? ほら、手伝ってくれたお礼も込めて肩揉んであげるから、じっとしてなさーい」 「あ……ありがとう、香澄さん」 肩の凝りをほぐすように揉む指に、夢月はほっと息をつきながらお礼を言う――が、その一方で心臓のドキドキが止まらない。香澄の顔がすぐ間近にあることや、彼女の手のひらの温度が肩に伝わっていることもあったが――その角度だと、ちょうど重力によって垂れさがり気味になっている彼女の胸元の乳袋が、動きに合わせて揺れているのが見えてしまうのだ。 その視線に、とうぜん香澄もすぐに気付く。 「あたしのおっぱいが揺れてるの、気になる?」 「え――あ、ごめん!」 「あははっ、怒ってないって」 軽く笑って、香澄は肩を揉んでくれる。 その気持ちよさに、夢月はほっと脱力する。昨日の「マッサージ」とは違い、こうして純粋なマッサージをしてもらうと、全身の筋肉が弛緩して心地よい。 おまけに目の前では、柔らかそうな少女の胸が前後左右に揺れている。夢月はそれをぼーっと眺めながら、香澄のマッサージに見えをゆだねていたが、 「ひぅっ!?」 肩を揉んでいた指がするりと下りて、今度は鎖骨のすぐ下――ちょうど乳房を支えているあたりの筋肉を、親指の腹でほぐし始める。思わぬ場所を這いまわる指に、 「やっ、そこ、くすぐったい……!」 甲高い悲鳴を上げて、逃げるように身をよじる夢月。 「へぇー、ここ、弱いんだ。でも我慢して。だんだん気持ちよくなってくるから」 「んっ、う……ふぅーっ……はぁっ、はぁっ、」 くすぐったいが、それに慣れてくると確かに気持ちいい。巨乳を支えていた胸筋が、思いのほか凝っているのだ。先ほどより浅く、早く、熱っぽい吐息をつきながら、夢月は香澄の指がもたらす快感に身をゆだねる。 「なんだかまるで、エッチなマッサージしてるみたいな気分になって来ちゃう」 香澄はにやにや笑いながら、マッサージを続ける。中心から外に向かってほぐしつつ、だんだんその指が下におりていって―― ふいに、親指以外の四本の指が、乳房を下から掬い上げるように支えて、上下にたゆんたゆんと揺らす。そしてそのまま柔らかく揉みしだかれて、夢月はようやく異変に気付く。 「か、香澄さん、何を……!?」 「せっかくだし、ここもマッサージしてあげないとね、夢月ちゃん♪」 そう言って、香澄はさらなる「マッサージ」を開始した。 (続く)