第7話「巨乳とアルバイトと」(7)
Added 2019-12-01 09:17:52 +0000 UTC「その制服、色が違うんだね。初めて見たけど、何か区別があるの?」 女子高生のうちの一人が話しかけてきた。 夢月は慌てて立ち止まり、 「あ、ありがとうございます。こちらのピンクの制服は新人用となっておりまして、私は今日はいったばかりなので、こちらを着用させていただいております」 「へぇー、そうなんだ。くすっ、可愛いじゃん。よろしくね、新人さん」 制服のことや夢月自身のことをお客さんに訊かれたら、しっかりと正直に答えること――香澄からはそう言われている。本当の接客マニュアルにあるのか、あるいはアプリの力で改変されているのかは知らないが、ただ一つ言えるのは、それによって夢月は羞恥攻めを受けることだった。 逃げる隙も無く、さらに一人が声をかける。 「ウエイトレスさん、おっぱい大きー。E? F?」 「あ、あの、え、Fカップです……」 「わぁ、すっごーい! めっちゃ巨乳! いいなぁー。どうしたらそんなに大きくなるのー?」 「え、ええと、あの、ありがとうございます……」 まさか本当のことを言うわけにもゆかず、夢月はお礼を言ってごまかそうとする。 さらに残る一人も、 「ねぇ、あの……スカートの前、ちょっと膨らんでるのって……まさか、おちんちん? ウエイトレスさんって、ひょっとして男子?」 「う……は、はい。俺――じゃなくて、ええと、僕は、男、です……」 さすがに恥ずかしすぎて、消え入りそうな声で答える夢月。 途端に少女の声が一オクターブ跳ね上がって、 「ええっ、ほんとに!?」 「信じられない! こんなに可愛い子に、男の子なの!?」 「マジで!? 男子なのにあたしよりおっぱい大きいなんて、ずるーい!」 きゃあきゃあとはしゃぐ女子高生たちに、店内の視線が集中して、夢月がいよいよいたたまれなくなっていると、 「ねぇ、スカートめくって、おちんちん見せてよー。パンツ越しでもいいからさー」 女子高生たちの過激な要求に、夢月は一瞬青くなった後、真っ赤になる。 「そ、それは――!」 「いいでしょ、そのくらい? スカートのふくらみだけじゃ、気になって仕方ないんだもん」 「見せて、見せて!」 大はしゃぎでスカートめくりを求める少女たちに、夢月は助けを求めるように他の二人の店員を見るが――会計中で忙しそうな綾音はともかく、配膳に回っていた香澄はチラリとこちらを見て肯いただけだ。 香澄は言っている。「その程度なら大丈夫だ、問題ない。やれ」と。 (うう、なるべく楽しもうとはしてるけど、楽しむには恥ずかしすぎるっていうか、楽しめるようになったらおしまいっていうか――!) 夢月は真っ赤になりながら、タブレットをエプロンのウエストポケットにしまい、タイトスカートの裾を両手でつかんで、 「か、かしこまりました……お見苦しいものですが、ご覧ください……」 そう言って、少女たちに向かってめくりあげた。 濃いピンクギンガムのタイトスカートの下から現れたのは、淡いピンクのショーツ。大輪のバラが刺繍されたデザインは、ウエイトレスが着るにはあまりにも豪奢で、まるでグラビアかAVのようですらあった。 「わぁ、可愛いショーツ!」 「うんうん、こんなお洒落なショーツを穿いてるなんてね。でも――」 「ねぇ、本当に、男の子だったんだ……!」 女子高生たちは、テーブルから身を乗り出すようにして覗き込みながら笑いさざめく。 ショーツの中にある雄の証は、母性の象徴たる豊満なバストと、それを強調するウエイトレスの制服にもかかわらず、男性性を誇示するがごとく激しくそそり立ち、ショーツの中に猛々しいシルエットを浮かび上がらせていた。ウエスト部分が浮き上がりそうなほどに前を押し上げている亀頭も、仰角に屹立する竿も、その下でパンパンに膨らんでいる陰嚢も、どこがどこと指さすことができるほどの状態である。 「う、う……!」 「くすくすっ、大きなおっぱいに負けないくらい立派なおちんちんじゃん」 「う……あ、ありがとうございます……」 羞恥に声を詰まらせながらお礼を言う――が、それが限界だった。 「そ、それでは、失礼します!」 夢月は急いでスカートを下ろし、逃げるように立ち去るのだった。 (続く)