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第7話「巨乳とアルバイトと」(5)

「はぁ、今日も疲れた……」  金曜日の授業も一通り終わり、茜色に変わりつつある空の下、女子制服姿の夢月は帰途についていた。  体育の授業は体操ではなく創作ダンスだったため、また昨日のようにレオタードを着ることもなかったのだが、女子更衣室で着替えているときにはまたも女子に取り囲まれて胸を揉まれたし、いくらブラジャーをつけているとはいえ動きにくくて仕方ない。ジャンプしても走っても上下に揺れて痛くなってくるし、運動中も足元が見えないためやりづらくて仕方ないのだ。 (おっぱいが大きい人って、大変なんだなぁ……)  その苦労を、身をもって感じた夢月だった。  女子からはさんざんに揉まれた一方で、男子からは特に何の反応もなかった。仲のいい男子から揉まれるかと思っていたがそんなこともなく、どうやら妹が言っていた通り、男子からあれこれされるイベントは発生しないようになっているらしい。 (いったいどういう理屈なんだか……まぁ、男子に群がられておっぱい揉まれるよりはましだけど)  ため息をつき――ふと、気付く。 「あれ……なんで、こんなところに……?」  学校から駅前のバスロータリーに向かって歩いていたはずが、気付けば大通りに出ている。 (まぁ、ここからでも帰れないことはないけど、でもなんで……)  とにかく最寄りのバス停を探そうとあたりを見回す。 そこはちょうど、ファミリーレストラン「ダイナーズ」のすぐ近くだった。しかも―― 「あれ、久能さん?」  店内に小柄な人影を発見し、夢月は目を凝らす。  オレンジのギンガムチェックが特徴的な「ダイナーズ」のウエイトレス制服を着ているのは、ゆるふわボブの眼鏡少女。胸元が開いたエプロンドレスの構造が、140センチ半ばの小柄な体に似合わぬFカップのバストをこれでもかと強調している。 (へぇ、久能さんって、ここでアルバイトしてるんだ。意外だなぁ……) (あの胸であの制服、すごい似合ってるなぁ。……今の俺なら、同じくらい似合うかも……)  可愛い服を見たとき特有の、「自分も着たい」という願望に囚われる夢月。立ち止まって彼女の姿を見つめたまま、じっとその衝動をこらえていると、 「!」  ふいに、店内の香澄がこちらに気付いた。 「あっ……」  ごまかすように曖昧に笑って、手を振って見せる夢月。  すると香澄は、同じ制服を着たもう一人のウエイトレスに何事か囁くと、店を出てまっすぐ夢月のほうにやってきた。 「く、久能さん!?」 「三村、いま時間あるか、あるな? よし話はあとだ、ついてこい!」 「えっ、ええっ――!?」  いつもの彼女からは思いもよらぬ強引さで、夢月は店内からさらに奥の、従業員スペースまで連れこまれて―― 「……これは、どういうこと?」  何の説明もないまま更衣室と思しきロッカールームに通され、そこでピンク色のウエイトレス制服に着替えさせられた夢月は、タイトスカートの前のふくらみを押さえながら、ちょっぴり恨みがましく香澄を見る。  香澄は顔の前で手を合わせ、 「ごめん! 今日あたしと同じ時間にシフト入ってる人が休んじゃってさー、人手が足りないんだ。事後承諾みたいで悪いんだけど、手伝ってもらえないかな?」 「う……」 (これも、アプリの起こした「イベント」か……!)  だとすると、香澄は完全にアプリに巻き込まれた被害者である。つまりは兄妹が起こした奇禍に起因するわけで、夢月に責任があるも同然だ。そうでなくとも、クラスメイトの危難を放っておけるわけがない。  そして、そんな建前はともかくとして。 (「ダイナーズ」の制服を着られるなんて、夢みたい……!)  夢月はぞくっと身を震わせて、改めて自分の姿を見下ろす。  立ち襟とピンタックが可愛らしくも大人っぽい長袖ブラウスに、胸元が大きく開いたエプロンドレス。色はピンクで、肩から背中にかけてクロスしている紐の部分と、背中の大きなリボンは無地だったが、それ以外は細かなギンガムチェックになっている。  肩紐の、左胸に近い場所には名札が留められ、「見習いウエイトレス みむら」と書かれていた。  こんな可愛い制服が着られるなら、それだけでも引き受ける価値はある。不特定多数の人に接客するのは恥ずかしいが、アプリの力があるのだからある程度は安心だ。 「うん、俺でよければ手伝うよ。……っていうか俺で大丈夫なの? 接客業とか初めてなんだけど――」 「大丈夫だって、今の時間は人も少ないし、お客さんも常連さんばっかりだから」 「でも、これは……」  夢月は不安になりながら、スカートの前側を押さえていた両手を放す。  エプロンドレスの、タイトスカート。  そこにはごまかしようのない少年の証が、勃起していることすら隠せぬ勢いで浮かび上がり、内側に擦れてさらに怒張を強めていたのである。  普通であれば接客どころか、人前に出ただけで眉を顰められそうな状態だったが―― 「そーのくらい大丈夫だって。んじゃ、基本的なことは教えるから、だいたいはその通りにして。んで、もし何かあったらあたしに声をかけてくれればいいから。あ、常連さんから話しかけられたら、ちゃんと自己紹介してなー」 「は、はいっ」  初めての接客に、気を引き締める夢月。  しかしそのスカートの中では、すでに快楽の蜜がとろりと漏れて、ショーツを濡らしているのだった。   (続く)


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