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第7話「巨乳とアルバイトと」(1)

 男子高校生の三村夢月が、奇妙なアプリ「おもらしガールリンク」を始めてから、早くも一週間が経過しようとしていた。  その間の出来事は、夢月の生活を完全に一変させていた。  女子制服での女装と、おむつの着用。  ブルマーでの外出と、初めて(?)のおもらし。  学校にも当然のように女子制服で通学し、体育の授業をブルマーで受けたり、学校内で射精したり――さらには女子小学生になって、入学式を開かれたり。  もはや何でもありで、いい加減どんなことが起きても驚かない――そんな風にすら思っていた夢月であったが。 「な……な……?」  カーテンから漏れる朝の陽ざしに目を覚ましてすぐに感じる、肩への圧迫と、胸元の奇妙な重さ。慌ててベッドの上で起き上がり、自分の体を見下ろした夢月は絶句した。  昨夜パジャマにした、合服の長袖セーラー服。  その胸元は、ブラジャーをつけているからというだけでは説明できないほど大きく迫り出していたのである。 「ま、まさか、これって……!」  反射的に両手でつかむと、柔らかくも弾力のある、あの感触。しかも、つかんだその感触がそのまま胸への刺激として伝わってくる。  間違いない。 「おっぱい……おっぱいだ!」  思わず大声で叫ぶ夢月。  その声に、隣で寝ていた妹も起き出して、 「ちょっと、お兄ちゃん。急におっぱいおっぱいって、いったいどうしたの――って」  すぐに兄の胸についている大きなふくらみに気付き、 「へぇー、今日はそういうことになってるんだ」 「や、やっぱりこれも、アプリの影響……?」 「でしょ? それとも他に、心当たりがある?」 「ないけど、でも、こんな……」  夢月はごくりと喉を鳴らし、 「と、とりあえず本当におっぱいがついてるのかどうか、確認しないと!」  いそいそとベッドから降りると、部屋の電気をつけて、姿見の前に立つ。  髪を左右で結んでセーラー服を着た、自分の姿。昨日までは平らだったその胸元は、中にある二つの肉毬によって大きく押し上げられて、前の裾がお腹から離れている状態――いわゆる乳カーテンが出来上がっていたのである。  我慢しきれずに裾をめくると、大輪のバラが刺繍されたピンクのブラジャー。セーラー服の中に着用するには豪奢すぎるそのブラの内側は、詰め物ではない生肌のふくらみで満たされていて、中心にはくっきりとした谷間さえ浮かんでいた。 「すごい……ほんとに、おっぱいだ……!」  呆然と呟きながら、夢月は胸のふくらみにセーラー服の裾を引っかけると、ブラジャーの下に両手をあてがって重みを確かめる。想像していたよりもはるかにずっしりとしたその質量は、揺すると意外なほど軽やかに弾んだ。その動きを見ているだけで、文字通り胸が躍る心地だ。  その様子に、紗月はあきれたような表情で鼻を鳴らす。 「お兄ちゃんったら、いつもならアプリのほうを先に確認するのに。そんなにおっぱいが嬉しいの?」 「いや、だってさ……気持ちいいじゃん、おっぱい……自分のだから遠慮する必要もないし」 「変なの。女の子のおっぱいならともかく、自分のでテンション上がるなんて」  そう言ってベッドから降りると、自分のスマホをチェックする。  夢月もいったんセーラー服の前を下ろして、枕元に置いてあったスマホを取り、アプリを起動する。  すぐに画面に映るのは、現実とリンクした「三村夢月」のアバター。二つ結びでセーラー服を着たそのアバターも、胸元に大きなふくらみがあった。やはりこのアプリが、巨乳化の犯人で間違いないようだ。  画面をタップして、「今日のイベント」を確認。妹が表示データを少なくしたせいでずいぶんシンプルになってしまった内容を見ると――  服装「高校指定女子制服」  髪型「三つ編み」  体型変化イベント「カップなし→Fカップ」  表示された瞬間、左右で二つ結びだった髪の毛がそれぞれお下げになっていた。その先はそれぞれリボンのついたヘアゴムで結ばれ、いかにも女子学生らしいスタイルだ。  しかし夢月はそれにすら気付かず、 「え、Fカップ……これが……!」  昂奮した口調で言いながら、改めて胸元を見下ろす。  グラビアでしか見たことがないFカップの巨乳。それが自分についているのだと思うと、ドキドキが止まらない。 「ふーん、初めての体型変化イベントだね。今日みたいに胸が大きくなったり、身長が縮んだりするイベントも用意されてるんだけど――って、聞いてないし」  自分の巨乳にすっかり夢中な兄に、紗月は小さくため息をつく。  妹のぼやきも耳に入らず、夢月はいそいそとセーラー服とスカートを脱ぎ、下着姿になる。バラが刺繍された豪奢なブラショーツセットにふさわしい豊満なバストは、ブラジャーの肩ストラップにずっしりとした重みをかけている。バランスをとるためか、腰回りも心なしか肉がついていて、まるで本当に女子になってしまったかのようだった――ただ、そのショーツのふくらみを除いては。   (続く)


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