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連載小説 第六話「セーラー服とレオタードと」(12)

「はぁ、やっと終わった……」  家に帰りついた夢月は、深い深いため息をついた。  高校で授業を受けてきただけなのに、心身ともに疲労困憊していた。特に下半身は、骨の髄を抜かれてしまったように力が入らず、自転車通学でなくて良かったと心の底から思うほどだった。 「お帰り、お兄ちゃん」  そんな兄を出迎えたのは、小学生の妹・紗月だった。すでに着替えて、ラフなTシャツとジャージ姿だ。 「ただいま、紗月」 「今日は体育があったみたいだけど、セーラー服、ちゃんと一人で着られた?」 「うん。……スカーフは、友達に結んでもらったけど」  夢月は赤くなりながら、胸元に手を当てて答えた。  六時間目の授業をレオタード姿で受けた後、放課後にまた空き教室を借りて、セーラー服に着替えたのだ。さすがの鏡花も、レオタードのまま下校しろとまでは言わなかった。  母親にも声をかけてから、夢月は紗月とともに二階へ上がる。  すっかり女の子らしい部屋に変わっているとはいえ、自分の部屋に戻ると安堵する。夢月はいささか行儀悪く、セーラー服のままベッドに倒れ込んだ。スカートやセーラー襟が乱れるのも、奇妙な背徳感があった。  その背中に、 「んふふっ、お疲れさま。で、どう? 憧れのセーラー服を着てみた感想は?」 「うん……」  ごろんと転がって仰向けになりながら、夢月は答える。 「小学生の制服とか、ミニスカートみたいに、恥ずかしいデザインってわけでもないのに、すごくどきどきした。女子高生って感じで」  セーラー襟の着心地は独特で、見えないはずの背中側も意識させられる。膝頭にかかるくらい長いスカートも、歩くたびに大きく翻って存在感があった。すでに一度、ネグリジェという形でセーラーワンピースを着たことがある夢月だったが、正式なセーラー制服はやはりたまらない。  感触を味わうように胸元のスカーフを弄っていると、 「んふふっ、お兄ちゃんったら、すっかり女子制服の着心地が気に入ったみたいね。何ならお風呂に入るまで、セーラー服で過ごしたら?」 「う……うん。そうするつもり」  夢月は赤くなりながらも、はっきりとそう答えたのだった。  そして、夜―― 「いや、だからって、寝間着もこれ……?」  お風呂あがり、夢月は脱衣所に用意されていたものを見下ろして、呆然と呟いた。  セーラー服である。  学校に通ったのとは違い、こちらは合服――白地に紺のセーラー襟で、生地もやや薄くなっていたが、制服であることは変わらない。襟元には筒状のスカーフ通しがあり、結ぶのではなくここに入れる形だった。  しかも、 「下着がない……ってことは、これ、ノーパンで過ごせって、ことだよね……?」 ごくりと喉を鳴らしながらも、夢月は着用してゆく。  下着をつけていないため、とうぜんスカートが太ももや下腹部、お尻にちょくせつ擦れる。その刺激に、体育倉庫で激しい射精をしたあとはすっかり萎えていたものが、再びむくむくと大きくなり始めて―― 「お兄ちゃんったら、すーぐおちんちん勃てちゃうんだから」  すぐ隣で、こちらもお揃いのセーラー服に着替えていた紗月があきれたように言う。もはや当然のように、一緒にお風呂に入っていたのだった。 「あたしの裸よりも女子制服のほうがいいなんて、ほんとお兄ちゃんってば変態ね」 「しょ、小学生の妹に勃起するよりはマシだろ!」 「ちぇー。で、どうする? お風呂上がりだけど、あたしがヌいてあげよっか? っていうかヌかせろ」  紗月はそう言いながら、棒状のものを握っているかのような形にした右手をしゅしゅっと動かす。 「紗月、お前どんどん下品になってってるな……」 「ふふーん、お兄ちゃんが今まで気づかなかっただけでしょ。ほら、また一昨日みたいにフェラしてあげるから、二階に行きましょ」  ウキウキで手を引っ張る紗月に、夢月は無駄と判っていながら抵抗する。 「えっと、自分で出したいから一人にしてほしいんだけど」 「だーめ。だいいちそんなこと言ってるけど、されたらいっぱい出すんでしょ?」  小悪魔のように笑って言う妹に、夢月は観念するのだった。  けっきょく妹のフェラで出してしまった後、疲れた二人はそのままベッドに入った。  寝間着としてのセーラー服の寝心地は決して良いものではなかったが、奇妙な高揚感に包まれての就寝だった。 (明日は、いったい何が起きるんだろう――)  一抹の不安と、それを上回る昂奮に、夢月はなかなか寝付けないのだった。   (第六話「セーラー服とレオタードと」了)


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