連載小説 第六話「セーラー服とレオタードと」(8)
Added 2019-11-17 07:34:50 +0000 UTCそれでも50分の授業を終えたのち、 「はぁ、疲れた……」 夢月はぐったりと呟いた。 隣の鏡花は小さく微笑んで、 「ふふっ、お疲れさま。体操って意外と大変でしょ?」 「うん。けど、楽しかった」 夢月は素直にうなずいて、授業で使ったマットレスを畳んでゆく。 いまは体育教師に命じられて、山咲鏡花とともに、授業で使ったマットレスを体育用具室にしまっているところだった。 「これも遅刻の罰よ。男子の三村くんなら力仕事も大丈夫でしょ? 山咲さん、片付けの場所とか教えてあげてちょうだい」 体育教師はそう言って二人に片づけを押し付けたのであった。 マットレスを畳んで準備室の中に運び込みながら、 「ごめんね、鏡花さん。遅刻に巻き込んじゃって」 「お気になさらないで。むしろ――こうして下着を着けずにいるのをたくさんのクラスメイトに見られて、昂奮してしまったくらいですわ」 「でも、俺のせいで……」 「ふふっ、そんなにおっしゃるのなら、片付けが終わった後で一つだけお願いしようかしら」 「えっ、な、なにを……?」 「いえ、ストレッチがちょっと物足りなかったので、マッサージをお願いしようかと」 「よかった、それくらいならいくらでも」 夢月はほっと胸をなでおろす。 話しながら片づけるうち、マットレスも残り一枚。それを用具室の空いているスペースに敷いて、 「では、お願いしますね」 「うん」 軽く開いた手のひらを顔の横に置き、両脚を伸ばしてマットレスに横たわる鏡花。 誘うような彼女のポーズに、夢月はごくりと喉を鳴らす。 ただでさえ、アンダーウェアをつけていない鏡花のレオタード姿。今は汗をかいているせいで、表面はじっとりと湿り、授業前よりも密着している。そのせいで、乳首や淫裂がますますくっきりと浮かび上がっていた。 「……ごくっ」 更衣室で直接目撃しているとはいえ、レオタード越しだと逆にセクシュアルだ。まして二人きりで、体育用具室のマットレスに無抵抗に横たわっている彼女の姿を見下ろしていると、夢月でさえも性欲が昂ってきてしまい―― 「ふふっ、もちろんわたくしに淫らなことをしたければ、しても構いませんわよ?」 「し、しないから!」 夢月は首を振って、 「えーと、それじゃ、どうすればいいのかな? マッサージって言っても……」 ついついエロい方向にいってしまいそうになる頭を、夢月は強引に切り替えようとする。しいて何事もないかのような表情で尋ねると、 「まずは大胸筋をお願いしますわ。乳房を下から上にマッサージしてくださいませ」 涼しい表情で答える鏡花に、夢月は思わずむせる。 「ち、ちぶ……っ」 「はい。マッサージですので遠慮はいりませんわ。さぁ、お願いします」 「う……うん……」 緊張に喉を鳴らして、夢月は鏡花の横に膝をつき、恐る恐る手を伸ばそうとする――と、 「横からではなく、わたくしの上に跨ってくださいませ。そのほうがバランスよくマッサージできますし、夢月さん自身も楽でしょう?」 「そ、それはそうだけど、その……」 何しろこちらも下着なしのレオタード姿。股間には、ピンクのハイレグレオタードには似合わない、逞しいペニスのラインが浮かんでいる。彼女の跨ったら、レオタード越しとはいえ雄蕊と雌蕊がくっついてしまいそうで―― 「遠慮しないでくださいませ。何ならそのまま襲ってくださっても……」 「い、いいから!」 夢月は真っ赤になりながらも、言われたとおりに彼女の上に跨り、両手を彼女のふくらみの上に近づける。もともと控えめな胸元は、あおむけに寝ていることでさらに平らになっていたが、それでも華奢な体に微かなふくらみは見てとれた。その曲面に沿うように手のひらをあてがうと、パン生地のような柔らかさと温度に、心臓が大きく跳ねあがり、頭が真っ白になる。 しばらく動けずにいる夢月を、微かに頬を赤らめた鏡花が促す。 「さ、夢月さん。マッサージを始めてくださいな」 「う、うん。こう……?」 手のひら全体を使って、乳房を下から上に押し上げるようにマッサージすると、 「んっ、とても良い感じです。はぁっ、夢月さんの手、気持ちいいっ……!」 鏡花は官能の声と、熱っぽい吐息を漏らす。 「だんだん乳房全体が疼いて、我慢できませんわ。夢月さん、もっと、激しく、揉みしだくようにお願いします」 「本当にこれ、マッサージなんだよね……?」 思わずつぶやく夢月だったが、彼自身も感じていることに変わりはない。大きく手を広げて掴んだ乳房を、先ほどよりも力を込めて揉みしだくと、五指の先から掌底まで、乳房の感触とともに快感に包まれた。レオタードにしみこんだ鏡花の汗が、夢月の手指の汗とまじりあい、じっとりと湿ってくる。 鏡花も気持ちいいのかしばらくうっとりと目を閉じ、微かに開いたピンク色の唇から、細く熱っぽい呼吸を繰り返していたが、 「んっ、あ――はぁっ、ありがとうございます、とても気持ちよかったです」 「あ……う、うん。お粗末さまでした」 夢月はちょっぴり名残を惜しみながらも、鏡花の胸から手を放して立ち上がり、元通りに彼女の横に立つ。 すると、 「さぁ、次はこちらをお願いしますね」 彼女はそう言って――いつの間にかじっとりとシミの浮かんだ筋を見せつけるように、大きく両脚を広げてみせた。 (続く)