連載小説 第六話「セーラー服とレオタードと」(6)
Added 2019-11-15 08:40:34 +0000 UTC「う――うん」 夢月は喉を鳴らし、まずはタイツを穿こうとする――と、 「夢月さん、その下着のままだと、こすれて肌が痛んでしまいますわよ? 体操用のアンダーウェアを着たほうがよろしいですわ」 「え……あ、うん。でも……」 鏡花のアドバイスにバッグを探るが、 「アンダーウエアは入ってないから、このままで……」 「ダメですわ。特に夢月さんの下着はレースがついてますし、ブラにはワイヤーも入ってますし、動いてる間に痛くなってしまいますわよ?」 「う……じゃあ、どうすれば……」 「そうですわね……いっそそのままつけてみたらどうかしら?」 「そのままって、まさか、直接……!?」 とんでもない提案に、夢月の声が一オクターブ上がる。 「そ、そのままつけたら、いろんなところが浮いちゃうんじゃ……!」 「問題ありませんわ。先日だって、ブルマーの上からさんざん見られたじゃありませんか。しかも典子さんに、しこっていただいてましたでしょう?」 「それは、そうだけど、でもいくらなんでも、恥ずかしすぎる……」 いまだに理性と常識を捨てきれないというべきか、あるいはこの期に及んで往生際が悪いというべきか。もごもごと口ごもっていた夢月は、次に鏡花の取ったアクションに言葉を失う。 彼女はなぜか、いったん着用したはずのレオタードを脱ぐと、タイツを脱ぎ、さらにブラジャーとショーツも脱いで、一糸まとわぬ裸になってしまったのである。 「な、な……!」 夢月は絶句したまま、彼女の肢体にくぎ付けになる。 小ぶりながらも形の良い乳房と、その先端に色づく朱色の突起。あまりにも華奢な体には微かに肋骨や骨盤のシルエットが浮かび、贅肉一つないお腹に窪んだおへそが、奇妙に淫靡だ。 そして、その下―― 鼠径部が作り出す逆三角形の下端に、無毛の恥裂がはっきりと見えている。元から生えていない妹のそれとは違い、その周辺には微かに剃り跡。さらにほのかに小豆色に変じた厚い肉唇の内側に、ピンクの襞を覗かせていた。 同年代の少女の秘所に、夢月は目が離せなくなる。 「な、な、な――なんで、鏡花さん……!?」 「夢月さんが一人でちょくせつ着るのが恥ずかしいなら、わたくしもご一緒しますわ。そうすれば、恥ずかしくはないでしょう?」 そう言って、アンダーウェアをつけずにタイツとレオタードを着用し直した。 肌そのものはぴったりと薄いレオタードの生地に包まれるが、そのラインは、先ほどよりさらに強調される。乳房に浮かぶ小さな豆も、お腹の中心に窪んだおへそも、その下の割れ目も――むしろセクシュアルな部分を強調して、全裸の時よりもかえって淫らに見えるほどで、 「うっ――」 夢月の欲情が、ちりちりと刺激される。 今まで小さなショーツの中にかろうじて納まっていたものがムクリと頭をもたげ、蛇のようにずるりと鎌首から這い出る。その拍子に包皮も剥けて、赤黒い亀頭が露わになり、夢月は慌てて股間を隠しながら、 「あ、あの、ごめん! これは、その……!」 「まぁ。夢月さんったら、わたくしの裸に欲情して下さるなんて、嬉しいわ。それとも、このレオタード姿がお気に召したのかしら?」 鏡花は気分を害するどころか、口元に手を当てて嬉しそうに笑いながら、 「ですが、早く着替えないと授業に遅れてしまいますわ。他の方々はみんな、行ってしまわれましたし」 言われてようやく、今や女子更衣室に二人きりだと気付く。他の女子はもちろん、典子と香澄も行ってしまったようだった。 「う、うん」 もうあまり時間がない。夢月は大人しく、ブラを外す。男の胸なのだから本来なら隠すこともないのだが、ブラを外すと妙に気になって仕方がなかった。 そして、ショーツ―― 既に怒張はショーツから飛び出し、玉袋がかろうじて隠れている程度。そんな中途半端な状態で穿いているのも恥ずかしかったが、それでも脱いで完全に裸になると、お尻の穴がむずむずと疼いた。 「ふふっ、昨日も拝見しましたが、可愛い顔に似合わない立派な男性器ですわね、夢月さん」 「ん……ありがとう」 赤くなりながらも、夢月はようやく裸になってタイツを着用しはじめた。 先ほど他の女子もしていたたように、まずは手繰り寄せてつま先を入れ、そこからするすると、肌に密着させてゆき、お腹まで引き上げる。 「うう、これもこれで、なかなか……」 真っ白なタイツが脚から下半身を覆う、初めての感触。露出しているのも恥ずかしいが、こうしてぴったりと締め付けられるのも、また別種の恥ずかしさだ。しかも股間が隠れて一安心とはいえ、勃起したシルエットははっきりと浮かんでいるうえに、タイツに擦れるせいで、ちょっとでも油断すると射精してしまいそうだった。 「はぁーっ、はぁーっ……あとは、レオタードを……」 そう言って取り出したのは、淡いピンクのレオタード。袖はパフスリーブで、胸元は大きく開き、下はかなりのハイレグになっていて、 「これを、着て、体育の授業に……!」 考えるだけで胸が高鳴り、ペニスがさらに勃起する。 それでも急がなければならない。他の女子に倣って、まずは両足を通したのち、胸元まで引き上げて袖を通す。滑らかな肌触りがお腹から胸元まで包み込むが、背中はかなり広く露出しているアンバランス。さらに股間は、ハイレグによってかえってペニスのラインが強調されてしまい、 「う、うぁ……!」 着ているだけで、昂奮が止まらない。竿はタイツとレオタードの中で苦しげに押し込められながら、それでも前方に大きく張り出している。一目で勃起しているのがまるわかりで、ふつうであれば破廉恥な変態女装者としか思われない姿だったが―― 「ふふっ、お似合いですわ、夢月さん。男性器のラインまではっきりと見えて、素敵です」 何事もないかのようにしっとりと微笑む鏡花の讃辞に、夢月はかえって心を辱められるが―― 「あら、本鈴ですわね。行きましょう、夢月さん」 「う、うん」 チャイムの音に急かされて、夢月は鏡花とともに体育館に向かうのだった。 (続く)