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連載小説 第五話「入学式とお友達と」(14)

 夢月の射精後すぐに閉会の辞となり、「特別入学式」は幕を下ろした。  だが――夢月にとっての羞恥に満ちたイベントは、まだ終わらない。 「は、初めまして、今日から五年一組で皆さんと一緒にお勉強することになった、三村夢月です。夢月、って呼んでください。よろしくお願いします」  五年一組の教室で黒板の前に立ち、三村夢月は改めて、「クラスメイト」の少女たちに向かって自己紹介をおこなっていた。 (入学式の時よりは人数が少ないけど……それでも恥ずかしいっていうか、むしろ一人一人の顔がよく見える分だけ、余計に恥ずかしいよぉ……)  先ほどまではただの「数」だった少女たちが、人格を持って認識できる。アプリによって認知を狂わされているとはいえ、それぞれの少女が異なる表情、異なる反応を浮かべているのがよく見えた。  中央最前列で無邪気な笑みを浮かべる、赤毛をショートカットにした少女。  その後ろで興味津々に見つめる、、長い黒髪をおさげにした少女。  少女たちの反応は程度の差こそあれ、その二人のどちらかと同じものに分けられた。ただ一人――お下げの少女のさらに後ろの席で、にやにやと笑っている紗月を除いては。 (紗月と同じクラスなのは、心強いやら、恥ずかしいやら……)  しかし、恥ずかしがってもいられない。入学式の「挨拶」よりも踏み込んだことを言わなければならないのだ。 「入学式でも言った通り、本当は十五歳のお兄ちゃんで、市内の都立高校に通う一年生です――でもこれからは、女子小学生として一緒にお勉強して、頑張っていきたいと思います。好きなものは――ええと、プリティームーンです」  とっさに夢月は、アプリの力でいつの間にか本棚に入っていた少女漫画のタイトルを口にする。小学生の女の子が魔法少女になって戦う、よくあるあれだ。 「一生懸命、小学生の女の子になれるように頑張りますので、どうか、お、お友達になってくれたら、嬉しいです」  そう言って、スカートをめくりあげながら頭を下げると、教室からささやかな拍手が巻き起こった。  すぐ横に控えていた渡井教諭が、 「はい、夢月ちゃん、自己紹介ありがとう。じゃあみんなから、夢月ちゃんに何か質問はあるかしら?」 「はーい!」  真っ先に元気いっぱい手を上げたのは、目の前に座っている赤毛ショートの少女だ。  渡井教諭はおかしそうに笑って、 「はい、二宮さん。あ、質問の前に、二宮さんも自己紹介してあげてちょうだいね」 「二宮榛名だ! よろしくな!」  榛名は元気いっぱいで、 「本当はコーコーセーのお兄ちゃんって、本当か?」 「う、うん、本当です……」 「へー、そっかー。女の子の服を着るとエッチな気持ちになるって言ってたけど、女の子の体にはエッチな気持ちになるのか? ここにいる榛名たちとも、エッチしたいのか?」 「そ、それは……!」  突然の直球な質問に、夢月は目を白黒させた。普通に聞かれればノーと断言するところだが、ここ数日の妹との絡みで勃起してしまったことを思うと、思わず答えに詰まってしまう。 「ええと、その――すこしだけ……」 「へぇー。じゃ、エッチしたくなったら言えよ! 榛名でよければいつでもするからな!」 「あ、ありがとう……?」  小学五年生の少女からのあまりに直接的なセックスOK発言に、夢月はただ戸惑うばかりだ。どうやら元から、かなり奔放なタイプらしい。  それを見て渡井教諭はくすっと笑って、 「二宮さんはもういいかしら。じゃあ次――そうね、後ろの、七瀬さん」 「はい。学級委員の、七瀬静紅です。よろしくお願いしますね、夢月さん」  次に答えたのは、黒髪を三つ編みにした真面目そうな少女――七瀬静紅だった。 「よろしくお願いします、七瀬さん」 「静紅、って呼んでくださいな。紗月さんと名字が同じってことは、もしかしてご兄妹?」 「は、はい。さ、紗月の、兄です……」  改めて口にすると、恥ずかしさが胸にこみあげてくる。高校生の兄でありながら、小学生の妹の同級生になっているのだから。  当の紗月は静紅の後ろで、チェシャ猫のように意地悪な笑みを浮かべていた。 「へぇ、やっぱりそうなのね。ところで――」  静紅はほんの少し頬を赤らめ、 「さっき、入学式で、あの、おちんちんを、手で擦って、何か、白いものを出してたけど、あれはいったい、何だったのでしょうか……?」  真面目な外見から繰り出される卑猥な質問に、夢月は真っ赤になって口ごもる。 「あ、あれは……その、オナニーって言って……」  考えてみれば小学五年生の少女たち。オナニーという行為自体について、理解しているとは限らない――というか、あまり理解していて欲しくはない。かといって説明するには難しく、一体どうしたものかと考えていると、 「ふふ、口で説明するのは、ちょっと難しいわよね」  渡井教諭が横から口を出す。  ろくでもないことになりそうな予感に身を固くする夢月に、アプリの影響を受けていないはずの彼女は平然とした顔で、 「じゃあ――もう一回、ここでオナニーを実演して見ましょうか。今度は先生が解説してあげるから――近くで見たい子は、前にいらっしゃい?」   (続く)

Comments

うわー誤字です! どうもです! 何を開設されてしまうんですかねぇ…

十月兔

先生の開設は普通に考えれば解説の誤植なんだろうけど、もしかしたら先生の手で夢月ちゃんのあそこがご開帳……

amuchi


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