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連載小説 第五話「入学式とお友達と」(7)

「え、え……?」  母親からの思わぬ指示に、夢月は戸惑う。  おりしもすぐ目の前を、登校中の女子中学生の集団が通りかかっているところで――セーラー服の少女たちは、そのまま道路の向こう側で立ち止まり、じっとこちらをに視線を向けていた。いや、向けているのは視線だけではない。手持ちのスマートホンのカメラを向けて、撮影までしているようだった。 「ねぇねぇ、あの子、新入生かな? 可愛いスーツ!」 「でもちょっと、背が高くない? あたしたちより大きいくらい」 「っていうかあそこ、三村さんちよね? 隣にいるの、紗月ちゃんだし……てことは、三村さんちのお兄さん?」 「みたいね。高校生のお兄さんなのに、新一年生みたいで可愛い~!」 「お母さんがスカートめくれって言ってるけど、ほんとにめくるのかな……?」  そんな囁きまで、聞こえてくる。 (あの女子中学生たちの目の前で、スカートをめくって、持ち上げる……?)  いまにも消えそうな理性と常識の残滓が、忌避感を訴えた――が、 (でも、ここでスカートをめくったら、どんなに恥ずかしくて、気持ちいいだろう……)  それらもまた、欲情と背徳の炎を燃え盛らせる薪としてくべられてしまう。 (そうだ、お母さんの指示なんだし……ってことは、アプリの影響なんだから、いまは何をしたって、大丈夫なんだ……) 「どうしたの? 撮ってあげるから、スカートをめくって、ショーツを見せなさい」 「う……は、はい……」  夢月は息を荒げながら、アンサンブルジャンパースカートの裾を掴む。  そしてゆっくりと、胸元まで持ち上げると――裏地まで捲れたスカートの下に、ブラウスの裾と、びっしょりと濡れて勃起の肌色まで透かしたショーツが、はっきりと見えてしまって―― 「わぁっ、ほんとにあのお兄さん、自分でスカートめくっちゃった!」 「パンツ丸見えじゃん! しかもあんなにおちんちん大きくしてる……!」 「男子って、えっちなものを見たり考えたりするとおちんちんがおっきくなるんでしょ? つまりあのお兄さん……」 「ね……ピンクの入学スーツを着て、えっちな気分になってるってことだよね……」  女子中学生たちの、囁くというにはあまりにも大きいさざめきが、夢月の耳にまで届いてくる。 「あ……は、恥ずかしい……!」  呟きながらも、それでも手は離さず、下ろさない。がくがくと膝を震わせながら、それでも自らスカートをめくりあげる。淫猥なシルエットの浮かんだショーツを、見せつけるようなポーズを取り続けていると、 「ほら、もっとちゃんと笑ってごらんなさい」 「うぅ……は、はい……」  母親からの指示に、夢月は精一杯の笑顔を浮かべる。  その隣では、いつになく大人びた表情とポーズで立つ妹の姿。身長は彼女のほうが低いにもかかわらず、その落ち着いた立ち居振る舞いはいかにも保護者然としていて、その対比がいっそう夢月を辱めた。  しかし母親はそんな倒錯的な構図をごく自然なもののように撮影してゆく。 「はい、チーズ」  再び体に浴びせられるフラッシュに、夢月は精液でも浴びせかけられたかのように、全身が熱く疼きだす。 (ああ、こんな姿が、ずっと残っちゃうんだ……)  そう思うと、ショーツの前に張ったテントがさらに高くなる。 「はっ、はぁっ……」 「うんうん、いいわよ。じゃあ次は――紗月」 「はーい」  隣の妹はいい返事とともに体を寄せてきて、兄のスカートの裾を握る。 「今度は紗月がお兄ちゃんのスカートをめくってあげなさい。お兄ちゃんは、顔の両側でピースを作って」 「え……そ、それって、ダブルピースってやつなんじゃ……?」  小さい声で訊き返すが、誰も聞いていない。仕方なく言われるがままに、顔の両側にピースを作るが、 「んー、もっと肘を持ち上げて、左右に開いて。あと、足を開いて、腰ももっと下ろして、膝を曲げなさい。あと、表情もそのままだと寂しいわね。口は大きく笑顔に開いて、舌を突き出して、視点は思いっきり上にあげるのよ」 「う、うう……!」  母親が何をさせようとしているのか、夢月はすぐに察する。  妹にスカートをめくられながら、大きくガニ股になり、腰を前に突き出すようにして、肘を左右に向け――生まれて初めてのアヘ顔を決めた。いったいどれほどみっともない顔をしているのか、情けなさと恥ずかしさに泣きそうだ。 「きゃあっ、生アヘ顔ダブルピース! 初めて見たー!」  いつの間にか人数が一〇人以上に増えていた女子中学生たちが、きゃあきゃあと笑い声を上げる中、 「はい、チーズ」  切られるシャッターと、焚かれるフラッシュ。カメラのアングルや、紗月の立ち位置を変えて何度も撮影される中で、 「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ……!」  おそらく人生で最もみじめな写真を撮影された夢月は、ただアヘ顔のまま喘ぐことしかできない。しかし――そのペニスは内心の情けなさとは裏腹に、この上なくたくましい状態で我慢汁を垂れ流しているのだった。  しばらくして母親も満足したようで、 「こんなものかしら。もういいわよ、夢月」 「う、うん」  やっとスカートを下ろせて、ほっとする夢月。  しかしショーツの中では激しく劣情が疼き、腰も膝もガクガク震えている。本当なら今すぐ射精したくてたまらなかったが、まさか外で、女子中学生たちが見ている前でオナニーするわけにもゆかず、ランドセルの肩ベルトをぎゅっと握ってこらえることしかできない。 「それじゃあ紗月、カメラを預けておくから、入学式の時の写真も頼んだわよ」 「任せて、お母さん! お兄ちゃんの晴れ姿、いっぱい撮ってくるから!」 「よろしくね。……そちらのお姉ちゃんたちも、早く学校に行かないと遅刻するわよ?」  そう言って、背後の女子中学生たちに目を向ける母親。  少女たちは「はーい」と元気よく返事するが、 「あ、お母さん! よかったらさっき撮った写真、あたしたちにもくれませんか?」 「ええ、構わないわよ。うちの息子の可愛い姿を見てくれると嬉しいわ」 「わぁっ、ありがとうございます!」  女子中学生たちは大はしゃぎしながら、そのまま学校に向かっていった。  そしてようやく、 「じゃあ二人とも、行ってらっしゃい。気を付けてね」  母親はそう言って、優しい笑顔で手を振る。 「行ってきまーす! ほら、夢月ちゃん。おててつないであげる」 「う、うん……じゃ、い、行ってきます……」  差し出された紗月の手を取って、夢月は小学校に向かって歩き出した。   (続く)

Comments

まさかお母さん……!

十月兔

お母さん!その的確な指示はアプリのせいだけで無く普段からこっそり……w

amuchi


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