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連載小説 第五話「入学式とお友達と」(3)

(お、俺、いま、なんて……) (自分で着るって……自分で、着替えたいって……) (小学生の女の子が着る、入学用のスーツを、自分の、手で……)  自分の口から飛び出した言葉に、激しく動揺する夢月。制服やブルマーなど、必要に応じて着替えたことは何度かあるが、自分の意志で着替えるのは初めてなのだ。  紗月はそんな兄の心中を、掌を刺すように見抜いて、 「んふふっ、やっぱりね。お兄ちゃんったら、好きなんだから」  そう言って、夢月のボレロに手をかけ、前のホックを外す。 「さ、それじゃあ入学式用のスーツにお着換えしましょうね。まずは帽子と制服を脱いで、下着姿になりましょ?」 「う、うん」  夢月は妹に手伝ってもらいながら、通学帽を取り、制服を脱ぐ。これもアプリでタッチすれば一発なのだが、あえて自らの手で脱ぐことに異論はなかった。  しかし、ボレロを脱いだところで手が止まる。初めてのジャンパースカート、どこから手を付ければいいのか判らずにいると、 「お兄ちゃんは、ベルトを外しておいて。あたしは背中のファスナーを下ろしてあげるから」 「うん」  妹のアドバイス通り、ウエストのベルトを円形のバックルから外していると、紗月が回り込んだ背中で、ファスナーを下ろす音が聞こえてくる。やがて大きく背中が開き、 「さ、後は肩の部分を脱いでそのまま落とせばいいわよ」 「う、うん……その、ありがとう」 「んふふっ、どういたしまして」  夢月はジャンパースカートを脱いで床に落とすと、ブラウスも脱ぐ。女子用のブラウスといっても、男子用と大差ない高校生用の角襟と違って、ぴったりとした丸襟は独特の恥ずかしさがあった。 (でもこれから、もっと恥ずかしいスーツを着るんだ)  そう思うと、少年の証がムズムズと疼き、つぅっと奥から先走りが溢れてくる。気付けば清楚な白のインゴムショーツに淫猥なテントが浮かび上がり、その頂点に、微かに鼻をつく匂いとともにシミが浮かび上がった。  ついにブラウスすらも脱いでしまうと、キャミソールとショーツだけの姿になる。キャミソールもショーツと同じく、柔らかなコットンで作られていて、伸縮性があるためか肌にぴったりと密着する。恥ずかしくはあったが、男物のシャツとは明らかに違う肌触りは、 (なんだか、気持ちいいかも……) 「さ、お兄ちゃん。女児用下着の肌触りにうっとりしてないで、スーツに着替えちゃいましょうね」  紗月はそう言って、壁にかかっているスーツのハンガーを指さす。  ピンクとグレーを基調にした、三段フリルジャンパースカートのアンサンブルスーツ。 「判らないところがあったら教えるし、言ってくれたら手伝うから、一人でお着換えしてね。なんたって――お兄ちゃんはもう、小学五年生なんだから」 「う――うん……」  下着姿の夢月は、改めてスーツに向かい合った。 (まずは、ハンガーから下ろさないと)  ハンガーにかかっているスーツを、まずはボレロのホックを外して脱がせる。  厚ぼったくてゴワっとした手触りは、男子用の服とも、女児制服とも違った独特のもの。あとでこれに袖を通すのかと思うと、静かな興奮に鳥肌が立ってくるが、いったんはベッドの上に広げておく。 「はぁーっ、はぁーっ……」  いつの間にか、夢月は微かに息を荒くし、うっすらと汗ばんですらいた。  先ほど脱がされたのを思い出し、ハンガーの後ろ前を逆にして、ジャンパースカートの背中側を見る。ファスナーを腰の下まで下ろして脱がせ、こちらもベッドに広げると、ハンガーを再び前に戻して、リボンをほどき、ブラウスのボタンも外す。  そして今度はそれを、自分で着てゆく――逆回しにブラウスに袖を通すと、 (うっ……)  これまで着ていた女子用のブラウスよりも、さらに滑らかなサテン生地の肌触りに、陰嚢がきゅっと締め付けられ、思わず息を詰める。 「んふふっ、気持ちいいでしょ、つるつるのサテンブラウス」 「うん……気持ちいい……」  全てのボタンを留めて着終わった後も、夢月はうっとりと、袖を撫でる。それだけでも、腕と手のひらに伝わる滑らかな肌触りだけで達してしまいそうだった――が、 「ほらほら、早く着ちゃいなさいよ。一枚一枚着るたびにうっとりしてるんじゃ、入学式までに日が暮れちゃうわ」 「う、うん」  夢月はうなずいて、ベッドに広げておいたジャンパースカートを取り上げ、大きく開いた背中側から両足を通す。こちらも内側はサテンの裏地がついているため、ふくらはぎや太腿がこすれると気持ちよく、またもピクピクと体が痙攣した。 「はっ、はっ……!」  犬のように喘ぎながら、ジャンパースカートに袖を通し、前を合わせる。 ピンクのチェック柄は、女子小学生の制服よりさらに幼い印象で、 (なんだか、自分がどんどん幼くなって、本当に小学五年生――それどころか、これから入学式を迎える一年生になったみたいな気分……)  夢月の胸が、痛いほどに高鳴った。   (続く)


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