連載小説 第五話「入学式とお友達と」(1)
Added 2019-10-26 08:53:03 +0000 UTC朝七時。 「ふぁー……」 目覚ましの音で起床した三村夢月は、大あくびをして目をこする。 寝間着のネグリジェ――まるでお姫様のような、白い台襟のついたピンクのナイトドレスだ――の着心地にもだいぶ慣れたが、それでも夜中にドキドキして落ち着かず、うまく寝付けないのだ。すぐ隣で、同じ格好の妹――紗月が寝ているから、なおさらだ。 隣で寝ている紗月を起こさないようにしながら、枕元のスマホを取り上げた。ここ数日のトラブルの元凶である「おもらしガールリンク」を、恐る恐る起動する。 (今日もまた、女子高生か……) すっかり感覚がマヒしているが、男子高校生である自分が女子制服で通学していること自体がおかしいのだ。 (まぁ、それはそれで楽しくないでもないんだけど……) 秘かに女装願望があった夢月としては、女子制服を着て日常や学校生活を送るのは、まるで女子高生になったようでまんざらでもない状況なのだが―― (せめてもうちょっと、穏やかなイベントならなぁ……) (あと、妹とのエッチさえなければ……) 妹のことが好きとか嫌いとかそういう話ではなく、血のつながった相手、しかも小学生と性的な関係になるのは、倫理観に照らして問題がある。 (でも、アプリには逆らえないんだから、楽しまなくちゃ損だよね。こんな女装生活なんて、普通ならぜったい送れないんだし、ね) (今日はいったいどんなイベントが起きるんだろう) 考えている間に、アプリが起動した。 お姫様のようなネグリジェを着た可愛らしいアバター――現実の夢月とリンクする、ゲームの中の「三村夢月」をタップして、データを更新する。ドキドキしながら見つめる先で、いつものように結果を見ると―― おもらしイベント なし おねしょイベント なし 服装(室内)「小学校指定女子制服」 (外)「女児入学用アンサンブルスーツ」 (夜)「ネグリジェ」 髪型「おかっぱ」 固定イベント 「初めての職業変更イベント」 職業変更イベント(一時) 「女子小学校五年生」 「…………、え?」 表示内容に、とっさに頭が追いつかない。 しかし現実はそんな夢月を置き去りにして書き換えられ、画面のアバターが丸襟ブラウスに水色のジャンパースカート、紺のボレロと、黄色い通学帽――妹が通う女子小学校の制服に変更されたと思ったら、夢月自身の服装も、まったく同じものになっていた。 「な、な、な……!」 慌ててベッドから降り、部屋にある姿見の前に立って確認する。 そこに映っているのは、小学生の制服を着た自分。見苦しいというほどではなかったが、身長が小学生から逸脱しているせいでコスプレ感が漂っている。 「こ、これで学校に行かなきゃいけないの……? っていうか、職業変更って、まさか、小学五年生に……!?」 混乱しているところへ、ベッドの妹も起きてきた。こちらもいつの間にか制服――今の夢月とおそろいの女子小学生制服に着替えている。 「おはよう、お兄ちゃん」 「お、おはよう、紗月」 「あれ? あたしの制服を着て、どうしたの? こっそり着なくても、言えばちゃんと着せてあげたのに」 「さ、紗月……! これは、その……」 「んふふっ、冗談よ、冗談。職業変更イベントでしょ?」 「うん……っていうか、紗月、これ、なんだか知ってるのか?」 「もちろん。アプリの力で現実を書き換えて、お兄ちゃんやあたしの職業を変更するイベントよ。あ、ちなみに高校も欠席扱いにはならないから、安心して」 「安心とかじゃなくて、その、こういうのがあるって知ってるなら、あらかじめ言ってくれても……」 ちょっぴり恨みがましく妹を見る。 「いいじゃない。今日は小学生だけど、いろんな職業になって制服を着れるんだから、楽しいでしょ?」 「べ、別に楽しくなんて……!」 「ほんとに? ウエイトレスさんやメイドさん、OLになれたりするんだよ?」 「う……そ、それは、その……」 目を逸らす兄に、紗月は見透かしたように笑ってから、 「ま、どっちでもいっか。どうせ始まったらお兄ちゃんは楽しむんだし。とにかく今日は、お兄ちゃんはあたしの同級生になるってことね」 「俺が、紗月の、同級生に……」 男子高校生でありながら、女子小学生たちと同じ制服を着て、小学校に通うなんて、あまりにも常軌を逸したシチュエーション。しかし制服姿の自分を見ていると、実感とともに羞恥が湧きあがって来る。想像しただけで、スカートの中でムクリと動くものがあり―― 「そういえば、お兄ちゃん。下着はどうなってるの?」 「え――ひゃあっ!?」 いきなりスカートをめくりあげられて、夢月は悲鳴を上げる。 慌てて見下ろすと、剥き出しにされた下半身が穿いていたのはいつものようなティーンズ向けのビキニショーツではなく、いかにも女子小学生向けのコットンのインゴムショーツ。しかも白地に赤いイチゴがプリントされ、フロントにはピンクのリボンがついた、これでもかというくらい女児向けのデザインで、 「あははっ、かーわいい。あたしのショーツよりずっと女の子っぽいね、お兄ちゃん。しかもさっそくおっきしちゃってるなんて……うんうん、これは今日一日、楽しみね」 「う、う……」 夢月が真っ赤になっていると、 「二人とも、起きたら早く支度なさーい。もうすぐご飯よー」 「はーい」 階下から母親が呼ぶ声に、二人はそろって返事をする――が、 (あれ? そういえば、何かが足りないような……?) 夢月は首を傾げつつも、身支度にかかるのだった。 (続く)
Comments
ありがとうございます~! 一時的なパートとはなりますが、JS女装パートをお楽しみいただければ、と……。 ファンタジー要素有りということもあって、好き勝手に小学生にしたりいろいろしてあげたいと思います!
十月兔
2019-10-26 13:28:35 +0000 UTCおおっ、いよいよ小学生パートに突入ですね💕👍☺️ えりの好みのど真ん中に近づいて来そうでワクワクです🎵 続きを楽しみにして、お待ちしています💞🥰💖
elli-kasuga
2019-10-26 13:15:21 +0000 UTC