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連載小説 第四話「女子更衣室とフェラチオと」(8)

 そして、夕食後――  入浴前とあって制服姿のまま、夢月はベッドでごろごろしながら、本棚に入っていた少女漫画「魔法少女プリティア」を読んでいた。  いつの間にか本棚の少年漫画から入れ替わっていたもので、最初はいかにも少女向けな絵柄に抵抗を感じたものの、読み始めるとなかなかどうして面白い。 (こんなことなら、恥ずかしがらずに日曜朝のアニメも見ておけばよかったな) 特に、秘かに女児服やふりふりの服も秘かに大好きだった夢月にとっては、 (女の子たちの服や変身衣装を見てるだけで、なんだかドキドキしてきちゃう……)  うつぶせになっているためベッドの間で圧迫されている性欲の兆しが、微かに勃って苦しくなりはじめ―― (う……オナニーがしたい……)  そもそも女子制服でベッドに転がっている今のシチュエーションも、なんだか女子高生の日常を送っているようでドキドキするのだ。きっちり着込んだ上半身に、無防備な下半身の太腿――いよいよいきり立ってくる劣情に、いっそ抜いてしまおうかとそっと股間に手を伸ばしかけたところへ、 「お兄ちゃん」  弾むような声とともにドアが開き、同じく制服姿の紗月が入ってきた。  夢月は慌ててベッドの上で身を起こすと、さりげなく股間を隠しながらへりに腰掛け、 「は、入る時はノックくらいして――」 「いいじゃん、別に。そんなに焦ってどうしたの? もしかして、制服でいるのにムラムラしてきて、一人でオナニーでもするつもりだった?」 「う……」 「んふふっ、ほんとお兄ちゃんってば、嘘が付けないんだから。それよりも、さっきの続き、しよ?」 「つ、続きって……?」 「とぼけちゃって。本当は、判ってるくせに」  うきうきで言いながら、後ろ手に手を組んで誘うように歩きつつ、目の前までやって来る紗月。  夢月が身構えて、 「判ってるって、いったい何のことか――んっ!?」  言いかけたとき、ふいに紗月の顔が一気に間近に迫り、唇に熱いものが触れる――キスされたのだと気づいたときにはもう、ベッドの上に押し倒されていた。 「んっ……ちゅ、ちゅっ……」 「ん、んむっ……」  ベッドの上に重なりあう二人。マットレスに倒れ込んだ時にはもう、両掌には紗月の指が絡み、太腿の間にも、紗月の脚が割り込んでいる。  お互いに制服を着たままで、特に夢月のほうはスカートの丈も長いのため、直接肌同士が触れあっているのは顔と、手のひらだけだ。それでも、女子制服の感触それ自体が夢月の昂奮に火をつけるうえに、かえって肌が触れ合っている部分が敏感になり、体温も、肉感も、鼓動すらも、じゅうぶんに感じられるほどだった。 「さ、紗月……!」  唇はなおも重なり合ったままで、互いの吐息が絡み合い、甘く切ないもので胸が満たされる。  しかし、強引な仕草とは裏腹に、紗月の接吻はどこか遠慮がちだった。表情も真剣で、探るように自分を見つめているのが判る。微かに強張った四肢からは、怯えすらも感じられるようで――そんないじらしさに、気付けば夢月自身も、妹の唇を軽く吸いかえしていた。 「ん……」  途端に、安心したように妹の体から力が抜け、ごくごく自然に唇を求めてきた。そのまま、たまに息継ぎをしながら口づけを交わし続ける。  静かな夜の室内に、初々しい接吻の音がしばし響き、 「お兄ちゃん、好き……」  感情が溢れ出したような言葉に、夢月ははっとする。 (兄妹なのに、こんなこと……) (いや、兄妹だから、ずっと我慢してたのか……)  「お兄ちゃんとえっちしたかった」と言われたときは、軽いノリのせいで深く考えていなかったが、その場の勢いや冗談ではないことは判る。小学生だからまだよく判っていないのだろう――とも思うが、真剣であることは本当なのだ。 (いや、だからこそ、お兄ちゃんとしてちゃんと分別のある行動をとらないと――)  そう思って接吻を中断し、妹を押しのけようとする――が、とつじょとして唇を割って潜り込んでくるものに、夢月の思考が真っ白に干上がる。  妹の舌が強引に挿し込まれたのだ――そう気づいたときには、口中の粘膜を強烈に甘い快感が蹂躙していた。  いつしか二人の口づけが奏でるメロディは、唇同士が吸い付く音から、粘膜と唾液が絡み合う音に変わっていた。 「んふっ」  紗月はすっかり調子を取り戻したように、さらに積極的になる。  ただでさえ妹の舌に翻弄されていた夢月の口に、シロップのように甘い唾液が流し込まれた。かと思えば、互いの唾液が入り混じったそれを音を立てて啜られる。いつしか夢月は、なすすべもなく快楽に飲み込まれ、紗月の舌が口腔を犯すのに身を任せるしかなくなっていた。 「ん、んぁっ、ふ、ん、ちゅっ――」  夢月の口から、こらえきれない喘ぎが漏れる。すでに何度か軽い絶頂に達し、スカートの中では、勃起が漏らした先走りがショーツを濡らしていた。  股を割っている紗月の太腿が圧迫し、このまま射精に至ってしまうのではないか――そんな予感が頭の隅をかすめたときだった。 「んふふっ」  ふいに妹の唇が離れた。驚いて目を見開くと、いまだ間近にある妹の顔が悪戯っぽく笑って、 「それじゃ――始めよっか」   (続く)


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