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連載小説 第四話「女子更衣室とフェラチオと」(7)

 放課後、空き教室で鏡花との制服交換を戻したのち、夢月はようやく帰途についた。自分の制服にも、短い間とはいえ鏡花の体臭と体温が残っていて落ち着かなかったが、それでも鏡花の制服よりはずっと落ち着く。  新興住宅街の一角にある自宅に帰りつき、 「ただいまー」 「お帰り、お兄ちゃん」  玄関先で迎えたのは、いつも通り紗月――なのだが、その服装は夢月と同じ、高校の女子制服。足元はハイソックスではなくニーソックスで、かわりにスカートがかなり短く、いわゆる絶対領域が出来上がっている。 「夕飯までまだしばらくあるから、二階で待ってましょ。その前に――」  ふいに紗月はジト目で兄を睨むと、アプリを操作し始めた。 「ちょ、さ、紗月、何を……!」  今度はいったい何をされるのかと、怯える夢月。しかししばらくしても、目に見えた変化はない――が、、視覚以外の情報で、夢月は事態を悟った。 「あれ? 鏡花さんの匂いが、消えてる……?」  主に襟のあたりから漂っていた鏡花の残り香が、跡形もなく消え失せている。どうやらアプリには、そんな機能もあるらしい。  紗月は相変わらず不機嫌に、 「他の女の匂いをさせながら帰って来るなんて、いい度胸してるじゃない? あたしってものがありながら」 「べ、べつにそういうんじゃ……っていうか、何で怒ってるんだよ?」 「先約あるのはあたしのほうなのに、横から泥棒ネコにさらわれそうになったら、怒るに決まってるでしょ?」  プイっとそっぽを向いて、玄関のすぐ横から二階に続く階段を上ってゆく。 「先約って、兄妹なんだから、そんな――」  あきれ顔で言いながら、彼女の後を追って階段をあがろうとした夢月の声が、不意に途切れる。  階段の先、四段ほど高いところにいる紗月の後ろ姿。  紺のプリーツスカートと、黒のニーソックスとに挟まれた、絶対領域と、その内側の肌色。コントラストがもたらす視覚効果により、夢月の視野はその狭い肌色の範囲に固定され、目が離せなくなってしまう。紗月がふだんの女児服や女子制服ではなく、あえて夢月と同じ高校の女子制服を選んで着ているのは、それを狙ってのことではないかと疑いたくなるほどのあざとさだった。  しかも見上げる形になっているため、短いプリーツスカートの中まで見えている。いや、見てしまう。もともと妹を性的対象として見たこともなく、何なら数年前までお風呂に入れていたとはいえ、ここ数日のあれこれで、すっかり紗月のことも性的な目で見ざるを得なくなっていた。  だから、見てしまう。 スカートの中、下着をつけていない、剥き出しのお尻を。 「――――っ、さ、紗月!」 「なぁに、お兄ちゃん?」  紗月はねっとりとした口調で言いながら振り返り、階段の下にいる兄に見せつけるように、お尻を突き出してみせる。  短い制服のスカートがいっそう持ち上がり、その下の小ぶりな二つのふくらみの下半分と、谷間にすぼまった小さな孔が丸見えになっていた。ただの排泄器官でしかないはずの菊蕾は、まるで第二の性器のように蠱惑的で、夢月は目が離せなくなる。 「う……」 「んふっ」  そんな兄の様子に満足げに笑う紗月は、なおも挑発するように脚を開くと、突き出したお尻を左右に振る。プリーツスカートが闘牛士のマントのように揺れ、猛牛の如く鼻息を荒くする夢月の昂奮を、さらに煽り立てる。  そしてとうとう、太腿の間から割れ目まではっきりと目視できて、 「さ、紗月、見えるから、その、やめ――」  夢月の口から、悲鳴のような声が上がった。 しかし諭すようなことを言いながらも、目はその場所にくぎ付けだ。ショーツの中では劣情がみなぎり、スカートの前に不自然なシルエットが浮かびあがっていた。 「んふふっ、口では兄妹なんだからとか、やめろとか、言ってるくせに、じーっと見ちゃって。ほんとうは、見たいんでしょ?」  紗月はゆっくりと脚を組み替え、正面を向く紗月。割れ目はかろうじてプリーツスカートの裾に隠れるが、太腿の間からお尻の肉さえ見えるほどの紙一重だ。  紗月はにんまりと笑いながら、両手を頭の後ろに回し、腰を左右に振って見せる。そうすると、スカートがひらひらと揺れるたび、先ほどまでは見えなかったつぼみがチラリチラリと見え隠れして、 「う、う……」  直接見えていた時よりもなお、夢月の目が釘付けになる。 「うんうん、そうやってお兄ちゃんにじっと見られてると、すっごく昂奮しちゃう。ほら、もっと見てちょうだい。同級生よりもあたしのほうがずっといいって、わからせてあげるんだから」  なおも扇情的に腰を振りつつ、ついに片手を下ろして、スカートをブラウスの裾ごとめくりあげ―― 「二人とも、ご飯よ。早く支度してらっしゃい」  リビングから廊下に顔を出した母親の一声で、二人ははっと我に返る。 「おかえり、夢月。すぐ夕飯なんだから、早く手ぐらい洗ってらっしゃい。紗月も、お兄ちゃんを誘惑するのは夕飯のあとになさい。いいわね?」 「はーい」  盛り上がりかけていた熱に水を差されて、二人はいそいそと動き始めるのだった。   (続く)


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