NokiMo
jugatsu-usagi
jugatsu-usagi

fanbox


連載小説 第三話「おねしょと制服通学と」(6)

 ――そして、一〇分後。 「んじゃ二人とも、ここなら好きに使ってくれていいぞー。三〇分くらいしたら戻ってくるから、その間はご自由になー」  鍵束をポケットにしまいつつ、久能香澄は空き教室を出てゆく。  山咲鏡花はそれを見送ってから、 「では夢月さん、始めましょうか」 「う……い、いいよ、その、一人でできるから……」 「だめです。わたくしにも、お手伝いさせてくださいまし」  夢月に向かって、しっとりと微笑んだ。  二人がいるのは、校舎四階にある空き教室だった。机や椅子は教室の後ろに積み上げられ、前側だけが広く空いたスペースになっている。  風見典子によって勃起を指摘され、それを聞いた鏡花が「ぜひお手伝いさせてください」と申し出た結果、香澄が開けてくれた空き教室で、鎮めてもらうことになったのである。  ちなみに原因となった典子はといえば、一声かけた直後に部活に行ってしまった。とんだトラブルメーカーだ。  鏡花は胸元に手を当てて、 「わたくし、夢月さんの力になりたいのです。決して、女子制服で勃起している夢月さんの表情が見たいとか、スカートの下から男性器を露出する破廉恥な姿が見たいとか、あわよくばわたくしの手で射精させてみたいとか、そんなことはありませんわ」 「ほんとぉ……?」  切々とした調子とは裏腹に欲望がだだ漏れになっている気がするが、ここまで来て教室から追い出すわけにもいかず、 「じゃ、じゃあ、その、一人で出すから、鏡花さんは何もしないで……」 「そんな水臭いこと、おっしゃらないでくださいな。わたくしもその、こういうことは初めてですが、精いっぱいお手伝いして差し上げますわ。それとも、わたくしも脱いでお見せしましょうか? 下着でも、乳房でも、その、どうしてもというなら陰――」 「ほんとに大丈夫だから! 鏡花さんに見られてるだけでも昂奮するから!」  冷静に考えると割と最低なセリフである。しかし、鏡花の手を借りるのはさすがに申し訳なさすぎる。元をたどれば、妹が始めさせたアプリが原因なのだから。  鏡花はしばらく目を閉じていてが、やがて決意に満ちた表情で目を見開き、 「……判りましたわ。夢月さんがそうおっしゃるのであれば、わたくし、手出しはいたしません。全身全霊、いっさいの見逃しもないように、夢月さんが自慰される様子を拝見させていただきます」  気合を込めて宣言すると、近くにあった椅子を引っ張ってきてきちんと座り、言葉通りにじっと夢月を凝視する。  余りにも方向音痴な熱意に、夢月は微妙にやりづらくなる――が、、見られているだけで昂奮するというのは決して嘘ではなく、 「ほ、ほら……」  夢月は彼女の正面に立ち、どきどきしながら、スカートをめくりあげてみせる。  ブラウスの裾から覗く、赤いギンガムチェックのビキニショーツ。  その前には紛れもない少年の欲望の滾りが浮かび上がり、フロントリボンから中心にかけてのあたりが、じっとりと濡れていた。  鏡花は前のめりになって夢月のショーツに顔を近づけ、 「あら、まぁ。ものの本で、長時間にわたる性的興奮でカウパー腺液――俗に、我慢汁と呼ばれるものが出るとはうかがっていましたけど、これがそうなのですね。つまり夢月さんは、本当に、女装で昂奮していらっしゃると……」 「う、うん……」  純真そうな口調で丁寧に解説されると、余計に恥ずかしくなってくる。  とはいえ、本題はここからだ。  左手でスカートを押さえたまま、右手でショーツをずり下ろす。  とたんに、ショーツの中から解放された欲望の化身が、雄叫びを上げるように姿を現した。ウエストゴムを陰茎の下に引っ掛けると、前後に揺れながら屹立する。すでに包皮も剥けて血の色を透かし、発射準備を完了していた。 「素敵ですわ、夢月さん。可愛らしいお顔で女子制服を着こなしていながら、こんなにご立派な男性器をお持ちだなんて。亀頭もピンと張ってて艶やかですし、竿も逞しくていらっしゃいますのね。それでいて、陰嚢がギンガムチェックのショーツに包まれて、フロントリボンが見えているのも、とっても可愛らしくていい対比です」 「う……あ、ありがとう……」  本人は意識していないのだろうが、鏡花の賛辞はいまの夢月にとってはただの言葉責めだ。指を触れる前だというのに、羞恥と昂奮が湧きあがり、ペニスが一段と膨らむ。  おまけに目の前では、鏡花がその様子を凝視している。中身が若干残念とはいえ、制服姿の黒髪美少女に見られていると、それだけでいっそう滾ってくる。 「はぁっ、はぁっ……」  息を荒げつつ、ようやく夢月は竿を掴む。  その硬さと熱さは、すでに射精直前の状態。いつ暴発してもおかしくない。ほんの少し指を動かしただけでも快楽の電流が脳髄を焼き、すぐにでも射精しそうになるのをこらえていると、ふと気づく。 「あ、あれ? 鏡花さん、さっきより、近づいてない?」 「あら、お気づきになりました?」  目と鼻の先にいた鏡花は微笑みながら、上品な仕草で顔の前に手を合わせる。かなり間を置いておかれていたはずの椅子は、今や夢月と膝がぶつかりそうなほどに近くなっていて、いつの間にやら椅子を引いて近づいていたらしかった。 「ええ、夢月さんが射精したら、精液はすべてわたくしの体にかかることでしょうね。さぁ、遠慮せず、わたくしの顔と言わず、髪の毛と言わず、制服と言わず、夢月さんの精液をかけてくださいまし」   (続く)


Related Creators