SS「おもらしガールリンク」(6)
Added 2019-09-26 09:55:06 +0000 UTC「うっ……!」 下腹部からお尻にかけてを包み込む、紙おむつの感触。想像以上に厚ぼったく、頼りない女子用のショーツとは逆の意味で違和感がある。 見下ろせば、いちおうスカートの中に隠れているとはいえ、腰回りが妙に膨らんでいる。この下には先ほど見た、ピンクのうさぎちゃん紙おむつを穿いているのだと思うと、恥ずかしくてたまらない。 しかしそんな夢月に対して、彼を見る紗月と母親は呑気なもので、 「んふふっ、これでおもらししちゃっても安心ね」 「そうね。スカートも膨らんで、女の子っぽいラインになっていいかんじじゃない」 「そうだ! お兄ちゃん。一回おむつにおもらししてみる?」 「し、しないよ、そんなこと……!」 「せっかくなんだからしてみればいいのに」 母親が残念そうに言うが、さすがにそこまで付き合う気にはなれない。夢月は逃げるようにリビングを出て、 「と、とにかく、もう部屋に戻るから!」 そう言って、自分の部屋へと逃げ込むのだった。 * * * あの後も何度か、服を脱ごうとしてみたり、おむつを脱いで男物の下着に変えようとしたりと無駄なあがきを繰り返したものの、すべて失敗に終わった。 おむつをつけているとはいえ排泄自体はおむつを脱いでできるため、おもらしはせずに済んだ。もっとも、小さいほうでもさすがに立ったままする気にはなれず、女子のようにいちいち座って、スカートをめくりあげてしなければならないのは恥ずかしかったのだが。 ともあれその後は何事もなく一日のほとんどを終え、夢月は女子制服に女児用おむつのまま、夕飯を食べ終えていた。単身赴任中の父親に、女装姿を見られなかったのはせめてもの救いだった。見られること自体よりも、見られても母親と同様、何事もなかったかのように反応されるほうがつらい。 夕食後はお風呂。服を脱げないのではもしかしてお風呂にも入れないのではと危惧したが、アプリで設定でもしているのか、脱衣所では問題なく服を脱ぐことができた。 ブレザーとスカートは畳んで籠に入れ、ブラウスとカーディガン、ソックス、下着類は洗濯機に入れる。感触から予想した通り、ブラジャー、それもショーツとおそろいのギンガムチェックのものをつけていた。 お風呂でやっとアプリの呪縛から逃れ、夢月は湯船でのんびりする。 「はぁ、けっきょくほとんどアプリの通りになっちゃった……なんだよ、このアプリ……」 できればこのままお風呂場に引きこもりたいくらいだったがそういうわけにもいかず、夢月はお風呂から上がり、タオルで全身を拭いたところで――閃いた。 「あれ、もしかしたらこのまま部屋に行けば、アプリで指定されているパジャマを着なくても済むんじゃ……?」 そう思って、恥ずかしながら裸のまま脱衣所を出ようとした瞬間だった。 すでに、パジャマを着ていた。 女子制服の時と同じ、謎の早着替え。「パジャマを着ている」という結果が先にあり、「パジャマを着せた」という原因が後からついてくる因果逆転――ゲームの設定でそんなフレーズがあったことを思い出す。常軌を逸した不思議現象に、夢月は肩を落として溜息をつく。 着せられているのは、白地にピンクの花柄がプリントされた、七分袖七分丈のパジャマ。襟元にはレース、袖口や裾にはフリルがあしらわれていて、ティーンズ向けとしてもなんとも可愛らしい。中にはもちろんブラジャーとショーツを着用済みで、胸元を覗き込むと、ちょっと大人っぽいレースのブラジャーをつけていた。 「はぁ、やっぱりこうなるのか……」 ぼやきながら、脱いだブレザーとスカートを手に自室に戻る――と、 「お帰り、お兄ちゃん」 妹が自身のスマホを弄りながら、ベッドでごろごろしていた。先にお風呂に入っていた彼女は、すでに着替えていて――あろうことか、肌が透けるほどに薄いネグリジェと、セットのTバックショーツを穿いている。うつぶせになっているため、背中からお尻にかけてが透け透けで、 「さ、紗月……なんだよ、その格好!?」 「あははっ、可愛いパジャマを着てるお兄ちゃんには言われたくないかなー」 紗月はベッドの上で起き上がり、にやりと笑って胡坐をかく――と、彼女が穿いているショーツがただのTバックではなく、股割れになっていることまでもはっきりとわかる。つまりは無毛の割れ目まで、見えてしまっていた。 「なにって言われたら、あのアプリのせいなんだけどね。プレイヤー、つまりお兄ちゃんだけじゃなくて、トレーナーのあたしにもイベントや服装変更があるの。たぶんアダルトモードをオンにしたせいだろうけど、ね」 そう言って見せた彼女のスマホには、 服装「ナイトドレス/オープンクロッチTバックショーツセット」 イベント「プレイヤーと同じ部屋で寝る」 「つまり、今夜はお兄ちゃんと一緒に寝るってこと」 「う……そ、それ、お前が自分の部屋にいれば回避できるんじゃ……」 「えー、やだー。あたしは回避するつもりなんてないし」 「なんでだよ!? もし俺が、その、ムラムラして、変な行為に及んだら……」 「あ、お兄ちゃん、ひょっとしてあたしの体にムラムラしちゃうの? 実の妹、しかも女子小学生の体に? うわー、ロリコン~」 口ではそう言いながらも、誘うように体をくねらせながらベッドを下り、ゆっくり近づいてくる紗月。 未成熟な少女の体と、セクシーなナイトドレス。 幼さの残る顔に浮かぶ、小悪魔的な表情。 アンバランスでありながら頽廃的な組み合わせに、夢月はまたも、ショーツの中のものが硬く強張ってくるのを感じ―― 「へー、やっぱりこーふんしちゃうんだ。んふふっ、妹の前でオナニーするなんて、変態的なことできない? 我慢できる? 我慢できないなら、見ててあげよっか? それともさっきみたいに、手伝ってあげようか? イベントには無いけど、なんならフェラしてあげてもいいし、どうしても本番がしたいって言うなら――」 「し、しないから! 我慢するから!」 正面から抱き着いてくる妹に背を向けて、股間の前を押さえる夢月。 妹の前でオナニーを始める気にはなれないし、まして妹に手出しするわけにはいかない。同じ部屋で寝る――つまりは同じベッドで寝るのは仕方ないとしても、絶対に何もせずに済ませよう。そう硬く心に誓う彼だったが―― けっきょく我慢しきれず、妹がトイレに行っている間にオナニーしようとしていたところを見つかって、また彼女の手の中に射精してしまったのだった。 (第一話 了)