NokiMo
jugatsu-usagi
jugatsu-usagi

fanbox


SS「おもらしガールリンク」(5)

「――――」  今度こそ、夢月は頭が真っ白になる。  女子制服のスカートから、半分萎えたペニスを露出している自分。  ハンカチを汚す大量の白濁液を眺め、その匂いを嗅いでいる小学生の妹。  こんなところを見られたら、怒られるどころではない。家族会議という名の裁判(弁護士なし)が開かれて、極刑を言い渡されてもおかしくない局面だ。  母親はしばらく、硬直して兄妹を見つめていたが―― 「どうしたの、二人とも? なにしてたの?」 「そ、その、これは、あの」 「お兄ちゃんがね、女子制服に昂奮してオナニーしてたから、あたしが手伝ってあげたの。ハンカチかぶせてこすってあげたら、お兄ちゃん、あたしの手の中にいっぱいザーメン出しちゃったのよ」 「さ、紗月……!」  あまりにも平然と仔細を答える妹に、真っ青になる夢月。  しかしそれを聞いた母親は顔色一つ変えず、 「なんだ、そうだったの。ちゃんと手を洗って、ハンカチも洗濯に出しなさいね」 「はーい」 「お、お母さん……!? その、怒らないの……?」  慌ててペニスをショーツの中にしまい込み、スカートを元通りに直しながら、夢月はいささか間抜けな質問をする。  母親は逆に面食らったように、 「え? 別に女子制服を着てオナニーするくらい、構わないわよ。それよりも、すぐにしまったら下着が汚れちゃうんじゃないの?」 「あ、うん……」  確かに、まだ奥のほうに残っていた精液が、どろりと溢れ出してショーツを汚す。しかしそれを母親の口から指摘されると、恥ずかしい以上に現実感がない。 「ちょうどいいわ。夢月にお土産があるから、リビングにいらっしゃい。下着は脱いで、洗濯機に入れて来るのよ」  そういうと、母親は部屋を出て行った。  二度目のこととはいえ、夢月は絶句する。 「これも現実改変ね。もちろん何をしてもオーケーってわけじゃないけど、イベントやその延長線上にある程度のことだったら、周りの人は『なにもおかしいことは起こってない』って認識しちゃうのよ」  ハンカチの精液を指ですくって舐めながら、紗月はおかしそうに言う。 「それよりも――お土産だって、お兄ちゃん。さっき、イベントについてどうこう言ってたよね? この家にはおむつがないから、そんなイベント起きるはずがない――とかなんとか。んふふっ、どういうことになるかしらね」 「つ、つまり、お母さんが買ってきたのって……」  そういうことだった。  言われたとおりに下着を洗濯機に入れ、ノーパン女子制服でリビングに下りて行った夢月を待っていたのは、ダイニングテーブルに置かれたおむつのパッケージ――それも、ピンクにうさぎの女の子と赤ちゃんがプリントされた、明らかに女児用の紙おむつだった。 「な、なんでこんなものを……!?」  意味が分からない。夢月はもちろん、紗月もとっくにおむつは卒業しているのだ。  だが母親は平然と、 「あなた用に買ってきてあげたのよ、夢月。前から欲しがってたじゃない」 「欲しがってないよ! なんでぼくが、女の子用のおむつなんか……」 「あら? ママの勘違いだったかしら。まぁ、買ってきたんだから使ってちょうだい」  そう言いながらパッケージを開けて、三つ折りに畳まれた女児用おむつを一枚取り出し、女子制服を着た高校生の息子に差し出す。  反射的に受け取ってしまったものの、女児用のおむつを穿くことには抵抗がある。固まったままおむつを持っていると、 「お兄ちゃん、おむつの穿き方が判らないの?」  そのおむつを横合いから取り上げたのは、妹の紗月。彼女は折りたたまれていたおむつを広げ、さらに内側も押し広げると、 「ほら、こっちが前で、こっちが後ろね。うさちゃんがいるほうがお尻側。あたしが穿かせてあげるから、ほら――」  言いながら、夢月のすぐ前にしゃがみこんで、両手でウエスト部分を広げたピンクの紙おむつを、内側を見せるように差し出した。 「はい、お兄ちゃん。あたしの肩に手を置いて、ここにそれぞれ、片足ずつ通して」 「ちょ、ちょっと、紗月……!」  どうあがいても穿かされる流れに、夢月は面食らう。同時に、この角度だと妹の視点からはスカートのなか――股間に垂れ下がっているものまで丸見えになっていることに気付いて、反射的にスカートの前を押さえてしまう。同時に、ついさっき妹の手で射精させられたことを思い出して、またぞろ欲望が疼いてくるのを必死でこらえなければならなかった。  母親はのほほんと、 「よかったわねぇ、夢月。おむつを穿かせてくれる優しい妹がいて」 「う……その、うん……?」  いや絶対こんなのおかしいでしょ、と言いかかるのを、夢月はぐっと飲みこむ。  でたらめなアプリの「現実改変」、うかつなことを言って母親が正気に戻りでもしたら、どんな破局が待ち受けているか見当もつかない。それよりは、波風を立てないよう調子を合わせておいたほうが良いだろう。  つまり、アプリが発生させたイベントの通り、この紙おむつを着用するほかに道はなく―― 「さ、お兄ちゃん」 「う……うん……」  夢月はちょっぴり恨みがましい目で妹を見ながら、しゃがみこんだ彼女の細い肩に、手を乗せた。右足、左足の順に足を通すと、足首に紙おむつのもこもこした感触が伝わってくる。 「んふふっ、よくできました。それじゃあ、おむつを穿かせてあげるからね」 「う、うん……」  こくりとうなずくと、妹の手がゆっくりと引き上げられ――スカートの内側の下半身が、すっぽりと包まれた。   (続く)


Related Creators